打者だらけの名球会、資格変更は?上原浩治の記録の価値を考える。

打者だらけの名球会、資格変更は?上原浩治の記録の価値を考える。

 今年、結成から40周年を迎えた「名球会」の入会資格は、投手なら通算200勝か同250セーブ以上、打者なら通算2000安打以上となっている。

 11月に行われた総会では、投手の入会資格について「通算100勝、100セーブ、100ホールド以上を記録した投手を有資格とすべきか否か」という議論がされたそうだが、結論は出なかった。

 きっかけは今年、上原浩治投手(前巨人)がその珍しい記録を達成したからだ。現在、フリーエリージェントの上原は日米通算134勝、128セーブ、104ホールド。名球会の入会資格=通算200勝か同250セーブ以上を達成するには「中継ぎ投手」ではなく、勝ち星やセーブが付き易い「先発投手」か「抑え投手」になって66勝か122セーブを挙げる必要がある。簡単なことではない。

 投手の入会資格が議論された理由は、打者に比べると投手の入会者が少なく(打者49人。投手16人)、「投手分業制」が進んだ今のプロ野球で現行の入会資格=通算200勝か同250セーブ以上が「高いハードル」と認識されるようになったからだろう。

「ホールドは1試合で同時に何人も記録できる成績であり、試合に負けても記録できる」等々、賛否両論あるのが現状なので、すぐに結論が出なくて当然だ。

勝利とセーブだけでも。

 ただし、ホールドが入会資格に加わらなくとも、上原はすでに名球会に値する数字を残していると断言できる。

 なぜなら、現行の入会資格が「通算200勝と同250セーブ以上」となっており、その2つの条件が同価値と見なされているからだ。

 それらを数値化すれば、1セーブは0.8勝(200÷250)、1勝は1.25セーブ(250÷200)に換算されていることになる。

 上原の134勝、128セーブをその考えに当てはめれば、134+102.4(=128セーブ×0.8)で勝利数でいえば通算236勝に匹敵するし、128+167.5(=134勝×1.25)でセーブ数ならば295セーブに相当する成績を残している。勝利数を重視してもセーブ数を重視しても、名球会の入会資格を満たしていると考えられる。

上原以外にも実は該当者が。

 ここで大事なのは、投手の通算200勝と同250セーブが同価値であるならば、上原以外にも名球会に値する投手が何人かいるということだ(精査すれば、もっといるかも知れない)。

 通算116勝130セーブの山本和行(元阪神)は、通算220勝。

 通算148勝138セーブの大野豊(元広島)は、通算258勝。

 通算128勝133セーブの斉藤明夫(元大洋)は、通算234勝。

 通算138勝106セーブの佐々岡真司(元広島)、通算222勝。

 日米通算112勝139セーブの斎藤隆(元ドジャースほか)は、通算223勝。

 日米通算40勝234セーブの小林雅英(元インディアンス)は、通算284セーブ。

 日米通算56勝227セーブの藤川球児(阪神)は、通算297セーブ。

 投手の「通算200勝と同250セーブが同価値である」という考えは屁理屈かも知れないが、それに当てはまる投手でさえ僅か8人しかいない。彼らが稀な存在であることは歴然としているし、8人全員が名球会に入会しても、その尊厳を損ねることにはならないのではないか。

昭和と平成で資格を変える手も。

 いずれにせよ、名球会のように「外部の者が決して立ち入れない組織」を内側から変えようとするなら、強いリーダーシップが必要不可欠だ。それが存在しないのならば、いくら協議したところで最良の答えなど出るはずはない。

 会員の東尾修氏が他の媒体で述べられたように、「昭和」と「平成」で入会資格を変える等の改定でもしない限り、名球会が「打者だらけ」の現状を変えることはかなり難しい。

文=ナガオ勝司

photograph by Kyodo News


関連ニュースをもっと見る

関連記事

おすすめ情報

Number Webの他の記事もみる
主要なニュースをもっと見る
社会のニュースをもっと見る
経済のニュースをもっと見る
政治のニュースをもっと見る
国際・科学のニュースをもっと見る
エンタメのニュースをもっと見る
スポーツのニュースをもっと見る
トレンドのニュースをもっと見る
生活術のニュースをもっと見る
地域のニュースをもっと見る

スポーツ アクセスランキング

ランキングの続きを見る

スポーツ 新着ニュース

新着ニュース一覧へ

総合 アクセスランキング

ランキングの続きを見る

東京 新着ニュース

東京の新着ニュースをもっと見る

東京 コラム・街ネタ

東京のコラム・街ネタをもっと見る

特集

特集一覧を見る

記事検索