香港カップの総賞金は約4億円!ディアドラら日本馬もチャンス。

香港カップの総賞金は約4億円!ディアドラら日本馬もチャンス。

 今週末は2歳牝馬のGI阪神ジュベナイルフィリーズが行われるが、注目レースはそれだけではない。

 海の向こうの香港では4つの国際レースが行われ、日本馬が大挙9頭挑戦する。

 今回はその4つのレースについて予習し、日本馬勝利の可能性を探っていこう。

 レースが行われるのは香港にある沙田(シャティン)競馬場。9日の日曜日に4つのGI全てが施行される。このような複数のビッグレースが同日同会場で開催されることは日本ではまずないが、海外ではアメリカのブリーダーズカップデーやフランスの凱旋門賞デー、ドバイのドバイワールドカップデーなど、当たり前と言うかもはやイベントとして主流になりつつある方式だ。

 香港で施行される4レースはいずれも芝で、それぞれ距離が違うだけ。当日施行されるレース順に紹介すると、まず2400mの香港ヴァーズ、続いて1200mの香港スプリント、さらに1600mの香港マイルが続き、最後に2000mの香港カップとなる。

 中でもトリを務める香港カップは賞金が最も高く、総賞金は2800万香港ドル(約4億円)、1着賞金1596万香港ドル(約2億3000万円)をほこる。

日本から挑戦するのは9頭。

 このビッグイベントに今年は地元香港勢や日本馬の他に、アイルランド、イギリス、フランスといったヨーロッパ勢、さらにはオーストラリアやシンガポールからも参戦する馬がいて、大きな盛り上がりを見せている。

 余談だが、年々大きな盛り上がりを見せている感のあるこのイベントをみていると、ジャパンカップも何か打てる手があるのではないか? と思ってしまう。

 閑話休題。さて、今年、日本から挑戦する9頭を紹介していこう。

 最初に行われる香港ヴァーズに出走を表明しているのはクロコスミア(牝5歳、栗東・西浦勝一厩舎)とリスグラシュー(牝4歳、栗東・矢作芳人厩舎)の牝馬2騎。いずれも前走はエリザベス女王杯(GI)に出走し、前者が2着、後者は1着となった。

リスグラシューは距離がカギ。

 クロコスミアは日本国内でもGI勝ちがない上にこの距離も初めて。少々厳しい条件であることは否めないが、状態の良さと前走同様、自分の流れで競馬が出来れば面白いか。

 リスグラシューも距離がカギになりそう。先述したエリザベス女王杯勝ちの他、牡馬相手の東京新聞杯(GIII)勝ちもあるように、ハマれば強烈な末脚を披露するが、果たしてこの距離で、ヨーロッパの強豪を相手にどこまで力を発揮出来るか、といったところだろう。

 このカテゴリーだと有力なのはやはりヨーロッパ勢になる。

 中でも今年の注目は凱旋門賞4着でブリーダーズCが5着だったヴァルトガイスト。フランスの名門アンドレ・ファーブル厩舎のGI馬だけに日本馬にとって手強い相手となりそうだ。

 他ではオーストラリア経由で乗り込んだロストロポーヴィチやラトローブのアイルランド勢、メルボルンC3着のプリンスオブアランも怖い存在だ。

香港勢が強いスプリント。

 香港スプリントはファインニードル(牡5歳、栗東・高橋義忠厩舎)。高松宮記念、スプリンターズSとJRAでは2つしかない芝スプリントのGIを共に制覇。現状日本のチャンピオンスプリンターであることは疑いようがない。

 しかし、このカテゴリーの香港勢は驚異的な速さを誇る。今年も昨年の当レースで1、2着だったミスタースタニングとディービーピン、彼等を負かして現在4連勝中の暫定王者ホットキングプローンら快速馬が揃う。逆に言えばこれらをまとめて負かすようなら大したもの。ファインニードルの大仕事を期待したいが、果たして……。

 香港マイルにはペルシアンナイト(牡4歳、栗東・池江泰寿厩舎)、モズアスコット(牡4歳、栗東・矢作芳人厩舎)、ヴィブロス(牝5歳、栗東・友道康夫厩舎)の3頭がエントリー。

 ペルシアンナイトはマイルチャンピオンシップ(GI)を昨年1着、今年が2着。日本の現在のトップマイラーの1頭であることは間違いない。

 そのペルシアンナイトを破り今年の安田記念を優勝。一躍トップマイラーの仲間入りを果たしたのがモズアスコットだ。前走のマイルチャンピオンシップは不利を受けて力を発揮できずに終わっただけに、海の向こうでその鬱憤を晴らしたいところ。

ヴィブロスのライバルは?

 ヴィブロスはドバイのドバイターフを昨年1着、今年が2着。牡馬相手に世界のGIレースでこれだけ走れるのは能力があればこそ。3歳時のチューリップ賞以来となるマイル戦がどうかだが、近走の結果(宝塚記念4着、秋の天皇賞8着)から人気を落とすようなら引退レースのここで狙うのも面白いかもしれない。

 ここで人気となるのは地元香港のチャンピオンマイラーであるビューティージェネレーションだ。昨年のこのレースの勝ち馬であり、現在GIチャンピオンマイルを含む重賞4連勝中。レーティングは126と抜けて高く(次に高いペルシアンナイトが119)、誰もが認める最有力馬だ。

 他にも前々走でビューティージェネレーションと僅差の競馬をしたシンガポールスリングやブリーダーズCマイルで5着といえ着順ほど負けていなかったワンマスターなどが穴候補か。

チャンス十分の香港カップ。

 そうすると、4つのGIの中でもメインといえる香港カップは、日本馬にとって最もチャンスのあるレースに思える。

 まずはサングレーザー(牡4歳、栗東・浅見秀一厩舎)。2歳時以来の2000m戦参戦となった前々走の札幌記念でダービー馬マカヒキらを破り距離への対応力を示すと、前走の秋の天皇賞(GI)ではレイデオロに次ぐ2着。春にはマイラーズCで後のGI馬モズアスコットを破っており、GI勝ちこそ無いものの、充分に足りる潜在能力の持ち主であるところは示している。

 ディアドラ(牝4歳、栗東・橋田満厩舎)は昨年の秋華賞(GI)でリスグラシューやモズカッチャン、アエロリットらに完勝。現在重賞2連勝中で、前走の府中牝馬Sでもリスグラシューを撃破。そのリスグラシューが次走でエリザベス女王杯を勝っていることからも軽視はできない。

 ステファノス(牡7歳、栗東・藤原英昭厩舎)は昨年の大阪杯(GI)2着など、GIでの好走歴があり、香港カップと同舞台のクイーンエリザベスII世Cを2着したことも。もっともそれは2015年の話で、近走の成績からは少々苦戦しそう。

地元勢がにわかに怪しい。

 迎え撃つ地元勢はワーザーが回避。タイムワープとグロリアスフォーエバーの兄弟が共に前へ行きたいタイプだけに展開がどうなるかで結果はガラリと変わってきそう。前哨戦ではこの2頭が競り合う形で共倒れ。結果、追い込んだイーグルウェイ、エグザルタントが1、2着。

 しかし、この上位2頭がいずれも香港ヴァーズへ回り、3着のワーザーも回避。地元勢がにわかに怪しくなって来た。

 こうなると、4着のゴールドマウントまで圏内に入ってくるのか、はたまたタイムワープが今度はマイペースに持ち込んで連覇を果たすのか。日本勢にとってはそのあたりが相手になるのかもしれない。

 決戦の日は9日の日曜日。香港から朗報が届けられることを期待しよう。

文=平松さとし

photograph by Satoshi Hiramatsu


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