高校サッカーのキャプテンマークはCBとボランチだらけ。全48校調査!

高校サッカーのキャプテンマークはCBとボランチだらけ。全48校調査!

 年末年始になると流れるおなじみのテーマ曲と、ボールを蹴り上げるロゴマーク。そしてスーパープレーを見せる選手と、それを応援する仲間たち――。

 第97回全国高校サッカー選手権が佳境を迎えている。青森山田や流通経済大柏といった優勝候補が順当に勝ち上がったかと思えば、初出場の瀬戸内が一気にベスト4まで駆け上がるなど、トーナメント戦らしい組み合わせの妙も起きている。

 そんな選手権にいそいそと足を運び、カメラマンとして撮影することもある。取材終了後、選手入場や集合写真を見ていると「キャプテンマーク巻いているの“4番”とか“6番”が多いな」と感じる。

 サッカーのゲームキャプテンには数多くの役割がある。それが高校サッカーとなると試合前のコイントスだけでなく、試合後には応援団へのあいさつで「礼!」と真っ先に声を掛けたりもする。そしてピッチから離れてもレギュラーとベンチのメンバーの想いを一致させたり、後輩との風通しを良くしたりするのも重要な任務だ。

全48校のキャプテンは……。

 そんな重責を担うのは、中盤から後ろの選手の方が多いんじゃないか。ここ数年、ずっと思っていたが、なかなかそんなことは調べきれなかった。しかし幸運なことに今大会から選手権全試合の動画が見られるようになった。 

 そこで正月休みを返上し、出場全48校でキャプテンマークを巻いていた選手の起用ポジションを調べてみた。負傷やチーム事情などで本来のキャプテンが出ていないケースもあるが、そこは割愛させてもらう。

GK:2校
青森山田、草津東

センターバック:17校
旭川実、駒澤大高、一条、矢板中央、立正大淞南、帝京長岡、大津、和歌山北、桐光学園、東邦、米子北、富山第一、西京、四日市中央工業、明秀日立、浜松開誠館、羽黒

サイドバック(ウイングバック):4校
那覇西、仙台育英、龍谷、徳島市立

ボランチ(インサイドハーフ、アンカー):15校
尚志、都市大塩尻、浦和南、神村学園、高知西、大分、遠野、国士舘、東山、丸岡、大阪学院、前橋育英、宇和島東、日章学園、日本航空

2列目:7校
瀬戸内、岡山学芸館、東福岡、秋田商、関西学院、長崎総科大附、四学香川西

フォワード:3校
岐阜工、星稜、流通経済大柏

闘将で思い浮かぶのは……。

 予想通り一番多いのはセンターバック、それに肉薄するのがボランチだった。一方で少ないのは得点を狙うストライカー、サイドを上下動するサイドバック。どちらもその役割に集中するためには、周囲に指示することまで託すのはさすがに……と考える監督が多いのだろうか。

 考えてみれば、高校に限らずサッカー界で「闘将」と評される選手はセンターバックが多い。古くはベッケンバウアー、そしてバレージ、プジョル、ジョン・テリー、セルヒオ・ラモス。彼らがチームメートを鼓舞する姿はサッカーファンならすぐ思い浮かぶだろう。

 これは世界に限らず、日本も同じだ。

 森保一監督が率い、アジアカップに臨む日本代表もキャプテンはセンターバックの吉田麻也が務めることが濃厚だ。またオフトジャパンの時から振り返ってみれば、柱谷哲二、井原正巳、宮本恒靖、中澤佑二と名センターバックがキャプテンを務めてきた印象が強い。

 中澤の後は長谷部誠という絶対的なキャプテンがいたが、彼はボランチである。長谷部を筆頭格にボランチにもドゥンガ、ロイ・キーン、小笠原満男など、チームを引っ張るキャラの選手は容易に思い浮かぶ。やはり、この2ポジションは「全体を見渡せる」からこそ、洋の東西を問わずキャプテンに任命されやすいのだろう。

一歩引いた視点で全体を見る。

 高校選手権に話を戻そう。今回取材した主将の中で印象的だったのは帝京長岡のセンターバック、小泉善人だった。

 小泉を含めた3年生が「1つ下の代の方がうまい」と認める一方で、その2年生から「キャプテンを引退させないよ」と試合前に声が挙がるなど、リスペクトされていた。一方で小泉本人もキャプテンとしての振る舞いを考え続けた1年間だったそうだ。

「1人ひとりへの伝え方、伝え過ぎないようにあえて言葉を止めること、言葉の強度をそれぞれの性格を見て意識し続けていました。そういうところを積み重ねたからこそ、お互いに通じ合える、分かり合えたチームになったのかなと思います」(小泉)

 こういった機微に気づけるのはやはり、一歩引いた視点で見られるセンターバックやボランチならではなのかもしれない。

10番でキャプテンは何人?

 ちなみに「キャプテン翼」のような、ナンバー10のキャプテンはどれくらいいるんだろうか。それも調べてみた。

10番がキャプテン:岐阜工(森龍)、星稜(岩岸宗志)、丸岡(宮永任)、岡山学芸館(永田一真)、瀬戸内(佐々木達也)、大分(山口卓己)

 以上、6校だった。この中で特に目立ったのは瀬戸内の佐々木主将だろう。冒頭に取り上げた通り、選手権初出場の同校をベスト4まで導いた。

 なおかつ12月30日の開会式では選手宣誓を務めて、4分超にもわたるロングメッセージを“カンペ”なしでスピーチしきると、会場の駒沢陸上競技場からは大きな拍手が起きた。プレーもピッチ外での振る舞いも立派の一言だ。

プレーで引っ張るタイプも。

 プレーで引っ張るタイプのキャプテンの代表例は岡山学芸館の永田だろうか。岡山学芸館は2回戦で仙台育英相手に、永田の決勝ゴールによって1−0で勝利した。その試合後、高原良明監督は永田をキャプテンに任命したことについて、こんな風に話していた。

「なかなか言葉で表現するのは得意な選手じゃないんですけど、プレーで体を張ったり、最後まで走りきる行動で示すようなタイプの選手です。責任感も強いですし、1年生の頃からずっと試合に出ていた経験もありましたし、永田しかいないかな、というところで指名しました」

 監督から厚い信頼を受け、結果でチームメートを勇気づける。これもまたエース兼キャプテンらしい姿なのかもしれない。

 10番でキャプテンが6人という数は、多いか少ないか判断しかねるところだ。それでもエースナンバーを背負ってゴールを狙い、キャプテンまで務めるのは、野球でいう「エースで4番」と同じロマンを感じる。

 センターバックやボランチのキャプテンが数多い一方で、守護神やストライカーが主将を務めて活躍すれば目立つし、何よりカッコいい。そんなストーリー性あるプレーヤーが出てくるのも、高校選手権ならではの楽しみといえるだろう。

文=茂野聡士

photograph by AFLO


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