松山英樹が振り返った苦戦の'18年。「そのイメージを取り除くのが先」

松山英樹が振り返った苦戦の'18年。「そのイメージを取り除くのが先」

 年が明け間もなく、松山英樹は東京・羽田空港から機上の人となった。

 PGAツアーの2018-19年は昨秋に開幕し、“クリスマス休暇”を終えて再開。松山は新年初戦を1月第2週のソニーオープンinハワイにした。実に8年前、アマチュア時代に初めて出場した米国での試合ではあるが、ここまで相性は必ずしも良くない。

 そうは言っても、優勝がなかった'18年を振り返れば、居ても立っても居られないというのが本音だろう。国内での充電期間を経て、温暖なホノルルで1年のスタートを切る。

全米プロの開催時期が5月に。

 迎えた'19年は、世界の男子ゴルフ界が新しいスケジュールと向き合うことになる。

 4大メジャーの日程がシフト。8月に行われていた全米プロ選手権が、5月に開催時期を移す。これに伴い、PGAツアーのビッグイベント“第5のメジャー”とされるザ・プレーヤーズが5月から3月に。4月のマスターズから、全米プロ、全米オープン、全英オープンといった具合に7月まで毎月メジャー大会が行われることになった。

 昨年9月、タイガー・ウッズが5年ぶりとなる復活優勝を遂げた。超一流選手の周りの熱狂ぶりを見れば、米ゴルフの先行きは依然として安泰と捉えられるが、業界は危機感を失っていない。先進国の競技人口の減少から来る人気低下への警鐘は鳴りっぱなしだ。

 PGAツアーはシーズンのクライマックスであるプレーオフシリーズを4試合から3試合に縮小し、最終戦のツアー選手権を8月末までに終えることにした。毎年9月に始まるNFL(全米フットボールリーグ)の話題と住み分けるためだ。この改革も影響し、ゴルフはビッグトーナメントが春から夏に集中することになる。

「一度も帰れないかも」

 この変化については、松山にも一定の懸念材料がある。

「日本に帰れないなあ……って感じがします。これまではシーズン中に1回、2回と帰れてたんですけどね」

 メジャーやWGC(世界選手権シリーズ)などビッグトーナメントが続くこと自体に対しては「まあ、そこはいいんじゃないですかね。1回、“リオの時”にやっているので特に考えることはない」と言う。リオデジャネイロ五輪が開催された2016年は7月にメジャー2試合を戦い、ハードスケジュールに身を置いた経験がある。

 一方で、'14年に主戦場を移してから昨年までは、マスターズの直後や夏場に一時帰国するのが通例だった。

「自分が日本に戻るのは、今でもリフレッシュの意味が大きい。ひょっとしたら、一度も帰れないかもしれないと思うのは心配かな」

 スタートダッシュから短期間で一気に好成績を連ねられる可能性がある反面、心身が整わない状態で悪い流れから抜け出せない恐れもある日程といえそうだ。

苦しんだ1年を振り返ると。

 プロゴルファーの1試合は長い。4日間72ホール。1ラウンドで4時間半プレーしたとして、勝負が決するのに18時間かかる。そうは言っても、ゲームの前後の過ごし方がキャリアにとってはモノをいう。

 松山は昨年、メジャーで一度もトップ10入りがなかった。'14年以来4年ぶりのことだったが、かかる期待は当時の比ではないほど大きい。苦しんだ1年を振り返ってもらうと、反省すべきは、やはり試合運びなどではなく、その前後にあったという。

「'17年の10月くらいからスイングを変えてきた。でも。その作業を自分ひとりの意見で進めてしまった感じ。トレーナーの飯田(光輝)さん、キャディの(進藤)大典さん……みんなに話を聞いていたつもりだったけれど、客観的に自分を見られる力がなかった」

 もがき苦しむ間、多少なりとも独りよがりになっていたと認めた。

 左手の故障で春先に約1カ月半の離脱を強いられた。クラブ選びにも奔走。全米オープンの開幕前日にドライバーのヘッドが割れるというアクシデントも起こり、不運が多かったようでもあるが、本人は「そうは思わない。ある程度、割り切れていた。ただのタイミングです」と断じた。

「良くする自信はある」

“敗因”は、あくまで自分の考えに固執したことに尽きるという。

「スイングが悪くなっていても、状態が分からなかった。良いショットを打ったと思っても、『え? なんで?』というシーンや、とんでもないミスも多かった。もともと持っていたスイングから、自分が切り離されたことを分かっていなかった」

 もう一度、聞く耳を持ってやり直す――そんな回帰への意思にも響く。

 '19年は世界のゴルフ界の視線が、これまでより多く日本に注がれる。次のシーズン('19-'20年)になる10月に、千葉で国内初のPGAツアー・ZOZOチャンピオンシップを開催。そして、翌'20年の東京五輪を見据えた年になる。

 そんな煽りにも松山は動じない。

「オリンピック? まだ考えてない。今、世界ランキングは28位ですよ。またトップ10くらいに入ってきたら意識してもいいけれど、'19年のうちは……今より悪くなったらそんなこと考える余裕ないよ」

 ただ、こうも言った。「良くする自信はある。けれど、'18年のイメージを取り除く作業が先ですね」

 今年ももちろん勝負の年。せわしなく、濃密な時間のスタートだ。

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文=桂川洋一

photograph by Yoichi Katsuragawa


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