セ・リーグの今季注目球団ランキング。広島vs.巨人の構図、阪神の躍進……。

セ・リーグの今季注目球団ランキング。広島vs.巨人の構図、阪神の躍進……。

 過去3年間、セ・リーグは広島が3連覇し、パ・リーグはソフトバンク、日本ハム、西武が優勝を分け合っている。この4球団からは若手の逸材が輩出されることが多いので、「若手の抜擢あるところに覇権あり」と言っていいと思う。

 まず、過去5年のドラフトにおける野手の上位指名(1〜2位)に注目してみよう。

 1位で野手を3人指名しているのは広島と阪神だ。

◇広島……'14年・野間峻祥(外野手・中部学院大)、'17年・中村奨成(捕手・広陵高)、'18年・小園海斗(遊撃手・報徳学園)

◇阪神……'15年・高山俊(外野手・明治大)、'16年・大山悠輔(三塁手・白鴎大)、'18年・近本光司(外野手・大阪ガス)

 広島が高校生2人、大学生1人、阪神が大学生2人、社会人1人なので、中長期のスパンでドラフトに臨んでいるのは広島のほうだと判断できる。

 また、阪神はドラフトで陣頭指揮を執り野手の上位指名に熱心だった金本知憲前監督が昨季限りで勇退しているので、今後阪神が野手の上位指名を続けていくかどうか不透明だ。

広島の世代交代はスムーズに。

 広島で不安視されているのが2年連続MVP・丸佳浩のFA権を行使しての巨人移籍の影響だ。

 だが、近年のパ・リーグ各球団に限って見てみると、主力が流出したほうが新旧交代はスムーズに行われ、チーム成績も上昇する傾向があるのが分かる。

 逆にFA加入が多い巨人、阪神の成績が不安定なのが現実だ。両球団が所属するセ・リーグは過去14年間、多くの年の交流戦、日本シリーズでパ・リーグに苦杯を舐めさせられているので……と考えるならば、広島の順位が下がり、巨人の順位が上がるとは簡単に言えないはず。

巨人は戦力的には魅力だが……。

 巨人は昨年、打率.309、本塁打33、打点100を記録した岡本和真が今季は三塁にコンバートされる。

 さらに昨年8月2日に選手登録を抹消されるまで安打80、打率.253を残していた吉川尚輝の二塁定着が現実的で、不安定だった内野が整備されてきた。丸の加入とともに、吉川、岡本の二、三塁定着がチーム力の安定には寄与すると思う。

 投手陣は若手の畠世周、桜井俊貴、高田萌生、大江竜聖あたりの若手を抜擢できるかどうかが上位進出の重要なポイントになりそうだ。

 また、FAの人的補償でそれぞれ西武、広島に移籍した内海哲也、長野久義の抜けた穴がチームにどのような影響を与えるのか今は想像がつかないが、いい影響を与えないことだけは間違いない。

広島は着々と日本一の準備を進める。

 一方の広島は、1990〜2000年代に顕著だった選手が流出したときのネガティブな反応がなくなった。

 丸の移籍を想定し、その穴を性急に埋めようとするならばドラフトで辰己涼介(外野手・立命館大)あたりを指名しそうなものだが、ポスト田中広輔を睨んで小園海斗(遊撃手・報徳学園)へ1位で入札している。

 丸が抜けた穴(鈴木誠也、バティスタ以外の外野の1ポジション)は、スケールは小さくなるが野間峻祥の抜擢、あるいは長野の加入でも埋まる、という計画なのだろう。

 守備位置を柔軟に考えれば西川龍馬、メヒア、坂倉将吾の成長も期待できるので、丸の流出はプラス要素とさえ考えてもいいほどだ。

 ポスト田中のほうを重要視したフロントの判断はさすがだ。

技巧派投手は活躍が予想しやすい!?

 投手はセイバーメトリクスのK/BB(奪三振÷与四球)、WHIP(<被安打+与四球>÷投球回)と、与四球率(<与四球×9>÷投球回)を使って、今季期待の若手を探してみたいと思う。

 基準にする数値は「K/BB=2.50以上、WHIP=1.3未満、与四球率=3.00未満」だ。

 後の一流投手がブレークする前年、ファームでこれらの数値をクリアしたのは金子弌大(オリックス→日本ハム)、涌井秀章(西武→ロッテ)、吉見一起(中日)、西勇輝(オリックス→阪神)、東浜巨(ソフトバンク)たちだ。彼らのピッチングスタイルを見れば、技巧的なタイプほどファームを完璧な成績で通過していることが分かる。

 それに対してダルビッシュ有(日本ハム→レンジャーズ等)、菊池雄星(西武→マリナーズ)、大谷翔平(日本ハム→エンゼルス)は1項目もクリアせず、翌年一軍に定着している。

中日は若手活躍の余地が。

 これらのことを頭に入れて'18年のファーム成績を見てみると……(25歳未満、30イニング以上投げた選手を対象とする)。

※数字は左から、回数、被安打、与四球、奪三振、K/BB、WHIP、与四球率

高橋昂也(広島)
68 57 16 80 5.00 1.07 2.12
中村祐太(広島)
50.1 49 10 35 3.50 1.17 1.79
馬場皐輔(阪神)
60 57 16 62 3.88 1.22 2.40
平良拳太郎(DeNA)
56.1 40 17 44 2.59 1.01 2.72
笠原祥太郎(中日)
38 32 9 31 3.44 1.08 2.13
柳裕也(中日)
65.2 65 7 57 8.14 1.10 0.96

 この6人は、いずれも各チームでのローテーション有力候補になるはずだ。

 中でも圧倒的な数値を示しているのが高橋昂也(K/BBとWHIP)、平良拳太郎(WHIP)、笠原祥太郎(WHIP)、柳裕也(K/BBと与四球率)の4人で、笠原と柳は選手層の薄い中日の台所事情が追い風になりそうだ。

広島の捕手問題、巨人の和田は?

 長打率4割超えの可能性ある打者をセ・リーグで探すと、坂倉将吾(.547/広島)、和田恋(.501/巨人)の2人が5割超えで、そのあとに村上宗隆(.490/ヤクルト)、楠本泰史(.445/DeNA)、奥村展征(.437/ヤクルト)、関根大気(.423/DeNA)、高橋大樹(.422/広島)らが続いている(25歳未満、39安打以上を対象)。

 広島の坂倉は丸のFA移籍で一軍入りのチャンスが生まれた。

 ただ、'17年1位中村奨成との次代の捕手争いにどう決着をつけるのか。フロント、監督、コーチの判断を待たなければならない。ファームの成績を見る限り、次代の正捕手は坂倉で決まりだと思うが……。

 巨人の和田は丸の加入で可能性が狭められたと言っていい。

 ファームで打率.296(2位)、本塁打18(1位)、打点87(1位)という圧倒的な成績を残しているが、'19年はプロ6年目の24歳になるのでのんびりしていられない。巨人フロントは、補強はプラスにならなくてもマイナスになることはないと思っているかもしれないが、こういう部分でマイナスに働くことがあることも肝に銘じるべきだろう。

戦力充実で矢野新監督に期待!

 今季のチーム成績予想でヤクルトを上位に推す人が多いので驚く。

 今より戦力の整っていた野村克也監督時代でも1位と4位を繰り返すことが多かったのは、優勝時に全力を投じ、余力を使い果たすタイプのチームだからだと判断できるのだが……。その時代より戦力の薄い今のヤクルトが「上位に定着」できるとは到底考えづらい。

 広島は丸が流出しても戦力は上位で、今年は巨人のV9以降、最長となる4連覇を達成する可能性が高い。

 対抗馬は巨人で。Aクラスの残り1枠を阪神とDeNAが争うという予想。

 阪神は若い投手陣で魅力いっぱいだ。藤浪晋太郎、小野泰己、才木浩人、馬場皐輔がローテーション候補で、リリーフ陣には望月惇志、高橋遥人が揃い、浜地真澄の台頭も期待できる。矢野耀大新監督の手腕が問われるシーズンになりそうだ。

文=小関順二

photograph by Kyodo News


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