「周りのことを気にしたってねぇ」遠藤保仁、記録以上に大きな人間性。

「周りのことを気にしたってねぇ」遠藤保仁、記録以上に大きな人間性。

 今季、プロ生活22年目を迎える39歳のレジェンド、遠藤保仁。J1通算出場試合数は歴代2位の602試合。今季、楢崎正剛の631試合を上回る可能性があり、注目を集めている。

 日本代表の中心選手としても活躍し、2002年11月の日本代表国際Aマッチデビュー以来、152試合に出場。歴代最多記録保持者である。

 これだけでも偉大すぎる記録だが、昨季は開幕戦でゴールを決め、Jリーグ連続シーズン得点記録も歴代トップの21年に更新した。さらに言うと、通算PK31得点もJ1歴代最多記録である。

 そんなサッカー界の日本記録を多く持つ鉄人に会いに、キャンプ前の1月中旬、大阪に向かった。

 発売中のNumber971号の取材で、現役で活躍し続けているベテランの流儀について話を聞いたのだが、「自分の立ち位置を知る」「自分のことを知る」「自分の状況を見極める」という言葉が何度も口をついて出てきたのが印象的だった。

 遠藤は、自他ともに“マイペース”と称されるが、それこそが長く第一線で活躍している理由の1つであることは間違いない。

自分と似た若手が出てきたら。

 世の中には、才能ある若い人が同じ組織に入ってきたら、焦ってしまう人もいるだろう。一通りインタビューが終わった後に、そういう焦りはないのかと不躾に聞いてみると、

「若くて良い選手が出てきたら、普通にすごいなと思いますよ。でもまぁ、それはそれですね」

“自分と似たタイプの”若い選手が出てきても焦らないのかという再度の質問には、

「すごいなぁ、能力あるなぁと思うくらいで……。で? という感じです。自分には自分にしかできないことがありますし、若い選手には若い選手にしかできないことがあります」

 全く揺らがない答えに改めて感動していると、

「サッカーは、監督という分かりやすい選ぶ立場の人がいるので、状況は違うかもしれませんが、会社で働いている人も、人に負けないというよりは、自分に自信を持って仕事したらいいと思いますよ。

 周りのことを気にしたってねぇ……。人間はどうしても欠点に目が行きがちですが、自分の長所を見直して、アピールしていくといいと思います」とエールまでもらってしまった。

「若いときより、情報の意識が増えた」

 もちろん、彼の活躍は、“マイペース”だけでは語れない。20代の頃にはやっていなかった目と脳のトレーニングとして、マジックバーに通って、マジシャンの目線からフェイントのヒントを得たり、公園で子供と遊ぶときも、間接視野を高める独自の訓練をしたりしているという。

「若いときより、情報を得ようという意識が増えました」

 クラブハウスでのインタビュー中、ガンバ大阪の広報の方にコーヒーをいただいたのだが、なかなか口をつけるタイミングがないままでいた。すると遠藤は、「気にせず飲んでくださいね」と、わざわざミルクや砂糖などを差し出してくれた。

 マイペースで、かつ視野が広く、気遣いができる。偉大な記録よりも、偉大な人間性に魅せられたインタビューだった。

文=熊谷未希(Number編集部)

photograph by Asami Enomoto


関連記事

おすすめ情報

Number Webの他の記事もみる
主要なニュースをもっと見る
社会のニュースをもっと見る
経済のニュースをもっと見る
政治のニュースをもっと見る
国際・科学のニュースをもっと見る
エンタメのニュースをもっと見る
スポーツのニュースをもっと見る
トレンドのニュースをもっと見る
生活術のニュースをもっと見る
地域のニュースをもっと見る

スポーツ アクセスランキング

ランキングの続きを見る

スポーツ 新着ニュース

新着ニュース一覧へ

総合 アクセスランキング

ランキングの続きを見る

東京 新着ニュース

東京の新着ニュースをもっと見る

東京 コラム・街ネタ

東京のコラム・街ネタをもっと見る

特集

特集一覧を見る 動画一覧を見る

記事検索