アーモンドアイがドバイで4億円!海外GIも難なく勝利、目は凱旋門へ。

アーモンドアイがドバイで4億円!海外GIも難なく勝利、目は凱旋門へ。

 日本の最強馬に残されたターゲットは、もはや凱旋門賞のみと言っていい。

 第24回ドバイターフ(3月30日、UAEメイダン芝1800m、北半球産馬4歳以上、南半球産馬3歳以上GI)を、クリストフ・ルメールが騎乗する日本のアーモンドアイ(牝4歳、父ロードカナロア、美浦・国枝栄厩舎)が優勝。1着賞金360万ドル、約4億円を獲得すると同時に、昨年の桜花賞から始まったGIの連勝を「5」に伸ばした。

 アーモンドアイにとって、これが2分20秒6というスーパーレコードで制した昨年のジャパンカップ以来4カ月ぶりの実戦であり、初めての海外でのレースであった。

 3月20日に出国し、翌21日未明、現地に到着。順調に調整され、レース当日はロードカナロア産駒らしい、いつもの落ちついた姿でパドックに現れた。

 出走馬は13頭。一昨年の覇者で、昨年2着だったヴィブロス、一昨年の秋華賞馬で、昨年の香港カップで2着に好走したディアドラという2頭の日本の牝馬と、3連勝でここに来た地元のドリームキャッスルが強敵と見られていた。

位置取りの時点で勝利は半ば決まった。

 ゲートが開いた。真ん中あたりの7番枠から出たアーモンドアイは速いスタートを切った。典型的な逃げ馬が不在だったため、押し出されて先頭に立ってしまうほどの勢いだったが、ルメールが手綱を引いて宥め、ゲートから400mほどのところで先頭から5、6馬身まで下げて、外に持ち出した。

「ゲートはよかった。いいポジションを取ることができた。リラックスして、いいストライドで走っていた」とルメール。

 包まれる恐れのない位置を早めに確保したこの時点で、勝利を大きく引き寄せたと言っていい。

 そのまま中団の外で折り合いをつけた。直後の内にヴィブロスがいて、ディアドラは後方の内に控えている。

 メイダンは左回りで、芝1800mは長い向正面を走って3、4コーナーを回り直線に入るという、いわゆる「ワンターン」のコースである。東京芝1600mや、回りは逆だが京都や阪神の芝外回りコースに形状が似ている。

早めに抜け出し、危なげなく優勝。

 オイシン・マーフィーが騎乗する英国馬センチュリードリームが単騎逃げの形に持ち込み、馬群は8馬身ほどの塊となって3コーナーへ。アーモンドアイは先頭から5、6馬身の中団の外を、持ったままの抜群の手応えで進んでいる。

 直線に向き、ラスト400mを切ったあたりでルメールの手が軽く動いた。すると、逃げ馬との差はあっと言う間に詰まり、ラスト300m地点で先頭に立った。ラスト200m地点でルメールはちらっと後ろを振り返り、右ステッキを入れた。

 2馬身ほど後ろの外からヴィブロスと英国馬ロードグリッターズが迫ってくる。ルメールは、アーモンドアイが気を抜かないよう、さらに4発、軽くステッキを入れた。

 アーモンドアイは後続を振り払い、先頭でフィニッシュ。危なげないレース運びで、海外GI初制覇を遂げた。

「3、4コーナーで自分から動いていきました。直線に入ってからも普段どおりの脚で伸びてくれました。ラスト400mで勝てると思いました」とルメール。

 1馬身1/4差の2着がヴィブロス。半馬身差の3着はロードグリッターズ。ディアドラはそこから4馬身ほど遅れた4着だった。

直線で見せた昨年からの変化。

 国枝調教師は、道中、外に出したところで安心して見ていられるようになったという。

「もう少しスッと行くかと思いましたが、(2着の)ヴィブロスはすごい馬だなと思いました。どれくらいのパフォーマンスを見せられるかと思っていましたが、90点と言えるパフォーマンスだったと思います」

 馬なりで勝ってほしいと話していたこともあったが、大物のいない海外勢相手にそうならなかったのは、やはり休み明けのぶんか。スタートしてしばらくは、やや行きたがっていたし、直線の伸びも、これまでのパフォーマンスからすると、いくらか物足りないように感じられた。

 しかし、明らかな変化もあった。昨年は、直線で何度も手前を替えながら走っていたが、今回は、直線で右手前にスイッチしてからずっとそのまま走り、最後の5完歩ほど、また左手前に戻しただけでゴールした。これは、走りやすいバランスポイントを馬が自分で見つけたから、つまり、成長したからと見ていいのではないか。

凱旋門賞での頂上対決へ向けて。

 アクシデントさえなければ勝てる――世界のGIでそう思わせ、そのとおりの結果を出せる水準にアーモンドアイはいる。一昨年、昨年と凱旋門賞を連覇したエネイブル(牝5歳、父ナサニエル、英国ジョン・ゴスデン厩舎)とどちらが強いのか。その問いに答えることが今秋の最大の仕事となり、同時に、世界の競馬シーンの最大の見どころになるのではないか。

 その舞台はもちろん10月6日の凱旋門賞(パリロンシャン芝2400m、3歳以上GI)だ。

 欧州特有のタフな馬場での試走の場として有力なのは、8月21日の英インターナショナルステークス(ヨーク芝2050m、3歳以上GI)か、翌日のヨークシャーオークス(ヨーク芝2370m、3歳以上牝馬GI)か。

 日本の競馬界の悲願達成に、期待が高まる。

文=島田明宏

photograph by REX/AFLO


関連記事

おすすめ情報

Number Webの他の記事もみる
主要なニュースをもっと見る
社会のニュースをもっと見る
経済のニュースをもっと見る
政治のニュースをもっと見る
国際・科学のニュースをもっと見る
エンタメのニュースをもっと見る
スポーツのニュースをもっと見る
トレンドのニュースをもっと見る
生活術のニュースをもっと見る
地域のニュースをもっと見る

スポーツ アクセスランキング

ランキングの続きを見る

スポーツ 新着ニュース

新着ニュース一覧へ

総合 アクセスランキング

ランキングの続きを見る

東京 新着ニュース

東京の新着ニュースをもっと見る

東京 コラム・街ネタ

東京のコラム・街ネタをもっと見る

特集

特集一覧を見る 動画一覧を見る

記事検索