2歳女王に唯一、土をつけている!桜花賞はグランアレグリアに期待。

2歳女王に唯一、土をつけている!桜花賞はグランアレグリアに期待。

「伝説の新馬戦」と呼ばれるレースがある。

 古くは1976年1月31日、東京芝1400mで行われた18頭立ての旧4歳新馬戦。

 1番人気に支持された「天馬」トウショウボーイが、2着に3馬身差をつけて逃げ切った。そのレースで4着となったのは、のちに「TTG三強」の一角としてライバルとなるグリーングラスだった。そして、5着となった牝馬シービークインは、4年後、トウショウボーイとの間に '83年の三冠馬ミスターシービーを産む。

 のちに出世した馬の数で、それをさらに上回っていたのは、2008年10月26日、京都芝外回り1800mで行われた11頭立ての2歳新馬戦だ。

 好位から抜け出して勝ったアンライバルドは翌'09年の皐月賞を制覇。2着のリーチザクラウンは'09年のきさらぎ賞を優勝、さらにダービーで2着となるなどクラシックを賑わせた。3着のブエナビスタは'08年の阪神ジュベナイルフィリーズ、'09年の桜花賞、オークスなどGIを6勝。4着のスリーロールスは'09年の菊花賞を制した。実に3頭がGIホースになったのである。

 '76年の東京新馬戦も、'08年の京都新馬戦も、終わってすぐ「伝説」になったわけではない。出走馬たちがその後活躍したがゆえに、「伝説」として光を当てられるようになったのだ。

「伝説」になった'18年東京新馬戦。

今年の第79回桜花賞(4月7日、阪神芝外回り1600m、3歳牝馬GI)にも、自分たちのデビュー戦を「伝説の新馬戦」にした馬たちが出てくる。

 昨年の2歳女王ダノンファンタジー(父ディープインパクト、栗東・中内田充正厩舎)と、牡馬相手の朝日杯フューチュリティステークスで3着となったグランアレグリア(父ディープインパクト、美浦・藤沢和雄厩舎)である。

2頭がデビューしたのは、世代にとっての開幕週だった昨年6月3日、東京芝1600mで行われた2歳新馬戦だった。出走馬は15頭。

ダノンファンタジーに2馬身差をつけて勝利。

 1番人気に支持されたグランアレグリアは外の14番枠から好スタートを切って好位につけた。

 4番枠から出た2番人気のダノンファンタジーも速いスタートを切り、3、4番手で流れに乗った。

 3コーナー手前からグランアレグリアが楽な手応えのままダノンファンタジーより少し前に出て、3番手に上がった。持ったままで先を行く2頭に並びかけて直線に入り、先頭に立った。ラスト400m付近で鞍上のクリストフ・ルメールが軽く手綱をしごくと、さらに加速し、後続を置き去りにする。

 直後からダノンファンタジーが川田将雅の右ステッキを受けて追いすがるが、その差は詰まらない。

 グランアレグリアが、2着のダノンファンタジーに2馬身差をつけ、先頭でゴールを駆け抜けた。

'17年の2歳レコードに迫るタイム

 勝ちタイムは1分33秒6。

 前年2歳王者となったダノンプレミアムが同年10月7日の重賞サウジアラビアロイヤルカップで叩き出した東京芝1600mの2歳レコードが1分33秒0。

 それより4カ月も早く(馬にとっての4カ月は長い)、デビュー戦で、しかも、ほとんど追われることなく、そう差のないタイムで走り切ってしまったのだから、普通ではない。

 レースそのもののインパクトという点で、この新馬戦は、前述した'76年と'08年の新馬戦を凌ぐものがあった。

 グランアレグリアは、次走のサウジアラビアロイヤルカップで牡馬相手に3馬身半差の勝利をおさめる。つづく、朝日杯フューチュリティステークスでは1番人気に支持されたが、アドマイヤマーズに一気に馬体を併せられ、威圧されるように内にもたれて、3着に敗れた。

 一方のダノンファンタジーは、9月の未勝利戦、11月のファンタジーステークス、12月の阪神ジュベナイルフィリーズと3連勝し、2歳女王に。そして、年明け初戦のチューリップ賞を完勝し、ここに駒を進めてきた。

本命はグランアレグリア。

 そう、グランアレグリアは、ダノンファンタジーに土をつけた唯一の馬なのである。

 朝日杯で敗れて株を下げた感はあるが、負けたといっても、強い牡の2歳王者からコンマ4秒差の3着だ。3カ月半ぶりの実戦になるが、アーモンドアイやブラストワンピースら、間隔をあけながら結果を出してきた馬たちと同じノーザンファーム天栄で調整されていたのだから、仕上げに不安はない。

 むしろ、この休養が朝日杯で被ったメンタル面のダメージのケアになったのではないか。

ということで、印を。

◎グランアレグリア
○ダノンファンタジー
▲シェーングランツ

あの新馬戦以来となる直接対決。

「ダービーからダービーヘ」を合言葉に、ダービー翌週に2歳新馬戦が行われるようになったのは'12年だった。

 翌'13年、世代開幕週の6月1日に阪神芝1600mの新馬戦を勝ったレッドリヴェールが同年2歳女王となり、翌日に東京芝1600mで行われた新馬戦を勝ったイスラボニータは皐月賞馬になった。'15年には世代開幕週の6月7日に行われた東京芝1600mの新馬戦を勝ったロードクエストが同年の新潟2歳ステークスを圧勝するなど重賞を3勝。さらに、開幕2週目の6月14日に東京芝1800mで行われた新馬戦を勝ったメジャーエンブレムが、同年2歳女王となり、翌'16年にNHKマイルカップを制した。

 早い時期にデビューした馬が、単なる早熟では終わらず、クラシックや古馬戦線で結果を出すようになってきた。

 グランアレグリアとダノンファンタジーがこれからも活躍すれば、昨年の6月の新馬戦のステイタスがますます上がり、楽しみも大きくなると言える。

 グランアレグリアとダノンファンタジーの直接対決は、あの新馬戦以来だ。「伝説」を上書きする名勝負に期待が高まる。

文=島田明宏

photograph by Eiichi Yamane/AFLO


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