無敗の皐月賞馬=名馬という歴史。サートゥルナーリアは本当に1強か。

無敗の皐月賞馬=名馬という歴史。サートゥルナーリアは本当に1強か。

 トウカイテイオー、ミホノブルボン、アグネスタキオン、ディープインパクト。

 平成に入ってから無敗で皐月賞を制した馬たちである。みな歴史的名馬だ。

 今週の第79回皐月賞(4月14日、中山芝2000m、3歳GI)の出走馬にも、そこに名を連ねる可能性のある馬が2頭いる。

 昨年のホープフルステークスを制したサートゥルナーリア(牡、父ロードカナロア、栗東・角居勝彦厩舎)と、前走の共同通信杯で2歳王者を下したダノンキングリー(牡、父ディープインパクト、美浦・萩原清厩舎)である。

 平成17(2005)年のディープインパクト以来14年ぶりの無敗の皐月賞馬になる可能性がもっとも高いと目されているのは、「一強」とも言われているサートゥルナーリアだ。

 昨年12月28日のホープフルステークス以来、中106日と間隔をあけての実戦となるが、先週の桜花賞を同じノーザンファーム生産のグランアレグリアが中111日で勝ったばかり。関西馬のサートゥルナーリアがレースとレースの合間を過ごす外厩はノーザンファームしがらきで、関東馬のグランアレグリアはノーザンファーム天栄という違いはあるが、施設面も技術面も同等と見ていい。

最近はレース間隔は問題ではない?

「今の競馬は、一走の負担度が、昔より断然高くなっています」

 そう話したのは、昨年、ブラストワンピースで有馬記念を制した大竹正博調教師だ。ブラストワンピースも間隔をあけながら使われる馬として知られている。

「レース後は、時間をかけてしっかり疲れを取り除いてから、次のレースに向けた負荷をかけなければならない。疲れを取ろうとする期間と、負荷をかける期間とが重なってしまうと、GIの舞台では厳しくなるという印象があります」

 間隔をあけなければならないからこそ、中間の外厩でのケアが大切になってくる。と同時に、外厩で中間のケアと仕上げを高いレベルで行えるようになったので、レース間隔をあけることができるようになった、という側面もある。

外厩の時代・平成を象徴する1頭。

 宮城の山元トレーニングセンターが開設されたのは平成4(1992)年。栗東トレセンに近い滋賀のグリーンウッド・トレーニングが平成13年、京都の宇治田原優駿ステーブルが平成14年に設立され、やがて、そうした外厩で中間を過ごした馬たちの活躍が注目されるようになり、現在に至る。

 つまり、平成は「外厩の時代」とも言えるわけで、それを象徴する1頭が、このサートゥルナーリアなのである。

 阪神芝外回り1600mの新馬戦、京都芝外回り1800mの萩ステークス、そして、皐月賞と同じ中山芝2000mのホープフルステークスと、まったく特性の異なる舞台を、余力たっぷりに3連勝。

 すっと先行して、ほとんど追われることなく、楽に後ろを突き放す。3歳上の半兄で朝日杯フューチュリティステークスを勝ったリオンディーズや、6歳上の半兄で菊花賞とジャパンカップを圧勝したエピファネイアを上回るスケールを感じさせる逸材だ。

角居調教師の独特の調教方法。

 角居勝彦調教師は、前述したグリーンウッド・トレーニングなどの外厩を早くから活用し、デルタブルースやポップロックなどで結果を出してきたことで知られている。「放牧」とか「ぶっつけ」の概念やイメージを変えてきたホースマンの代表だ。

 また、かつて管理したウオッカもそうだったように、若駒のうちから古馬の強豪と併せ馬をするなどし、体の使い方を覚えさせながら、一流馬の圧力に慣れさせて、強くしていく。サートゥルナーリアの今週の本追い切りも古馬との3頭併せで、そのなかにはGIIを連勝し、天皇賞・春を目指す6歳牡馬シャケトラがいた。

 3戦すべてで騎乗していたミルコ・デムーロが、2歳王者のアドマイヤマーズに騎乗するためクリストフ・ルメールに乗り替わるが、何らマイナス材料にならないことは、言わずもがなだろう。

 包まれる心配のない6枠12番を引き、態勢は整った。

もう1頭の無敗馬も可能性は充分。

 ということで、印を。

◎サートゥルナーリア
○ダノンキングリー
▲ヴェロックス

 サートゥルナーリア同様、無敗の皐月賞馬の座を狙うダノンキングリーは、前走の共同通信杯で、斤量が2歳王者アドマイヤマーズより1キロ軽い56キロだったことを考えても、強い内容で制した。過去10年で12頭が皐月賞に出走し、4頭が勝っている共同通信杯からの参戦という、既存の「常識」にかなったローテーションだ。

 この使われ方で勝った4頭のうち3頭が同じ関東馬だし、中間はノーザンファーム天栄で調整されていた。時流にも乗っており、こちらが冒頭に挙げた歴史的名馬のリストに名を連ねる可能性も充分ある。

 無敗馬同士の一騎討ちとなるか。それとも伏兵が割って入るのか。平成最後の皐月賞は、見応えのあるレースになりそうだ。

文=島田明宏

photograph by Yuji Takahashi


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