二軍・藤浪に「リミット」を!藪恵壹が語る、阪神優勝の鍵。

二軍・藤浪に「リミット」を!藪恵壹が語る、阪神優勝の鍵。

 タイガースは交流戦に入って、苦しみながらも粘り強い戦いを続けていますね。

 そこでシーズンの今後に向けて鍵になってくるのが藤浪晋太郎の扱いでしょう。

 フォーム改造などオフシーズン、キャンプから試行錯誤を重ねてきましたが、オープン戦で結果が出ず。シーズン開幕前に自ら二軍での調整を望み、それを首脳陣が了承する形となっていましたが、二軍で3試合目の登板となる6月11日のウエスタン・リーグ、オリックス戦(オセアンBS球場)で5回を投げて1安打無失点、四死球0、奪三振8と快投しました。

 映像や写真を見る限り、リリースの時に手首が寝てしまっていたり、制球をつける上では理に適っていないのではと思う部分もあるのですが、このゲームでは課題の抜け球もほとんどなく、本人もベンチも手応えを感じる内容だったようです。

 そこで、いつ一軍に復帰するのかが注目されているのです。

見えない「藤浪復帰」の基準。

 もともと私は、藤浪の二軍調整には否定的な意見を持っていました。彼はルーキーの時から3年連続して一軍で2ケタ勝利を挙げたわけですから、そういう投手がいくら二軍で結果を出したからといって自信を取り戻せるとは思えないからです。

 ただ、二軍調整というプロセスを経ることになって本人が結果を出したからには、今後へ向けて一軍復帰への「時間的なリミット」を設けるべきだと思います。つまり、「このタイミングで一軍に復帰させるから、それまでに結果を出し、準備しておいてくれ」ということです。

 もちろん、首脳陣は様々な復帰への選択肢を考えていると思うのですが、今のところ報道を見る限り、藤浪の復帰について何が基準になるのか。交流戦後のリーグ再開なのか、オールスター明けなのか。そういったものが見えてきていません。

球宴後となれば、10試合程度しかない。

 藤浪はプロに入って、これほど長い間、一軍のマウンドに上がらない経験というのは初めてでしょう。最も良くないのは、ファームでの結果や内容を追い求めすぎて、ズルズルと時間だけが経ってしまうということです。

 冷静に計算してみると、交流戦が終わるとペナントレースは残りおよそ70試合、もう半分しかないわけです。さらに、オールスター後となれば、60試合しかない。先発投手としてフルに登板できたとしても10試合程度しか投げられないのです。

 私は開幕前から、もしタイガースが優勝するとすれば、藤浪の力が絶対に必要だと言ってきました。彼個人の状態が大切なのはもちろんですが、チームの勝負について考えた時には、あまり悠長なことは言っていられないというのが現実です。

 ファーム・オリックス戦での登板のように、ある程度のメドが立った以上は期限を設定して、そこに向かって練習、実戦をやっていくという方法がベターなのではないかと思います。

大事な復帰戦は対DeNAに?

 そして、こうしたケースでは、一軍での復帰最初のゲームというものは非常に大事になってくると思います。本来、力のある投手が怪我をしているわけでもなく、無期限二軍調整というプロセスをたどってきた以上、いざ復活というゲームで結果が出なければ、積み上げてきたものが一気に崩れてしまったり、大きなダメージを受けかねないからです。

 本来ならば、二軍調整を経た場合、ファームで対戦していない球団、つまり二軍がイースタン・リーグに所属している球団(巨人、DeNA、ヤクルト)にぶつけるというのが正攻法ですし、さらに慎重を期すならば、藤浪が相性の良いDeNA戦を復帰の舞台に選ぶというのがデータの上では最も考えられる選択かもしれません。

先発陣に勝ち星が少ない阪神。

 タイガースの先発陣はセ・リーグの中では層が厚く、岩貞祐太や秋山拓巳、才木浩人らが不在にもかかわらず、青柳晃洋、西勇輝、メッセンジャーを中心にローテーションを組めています。

 ただ、勝ち星を見ると、青柳の5勝が最多ですから、意外なほど先発に勝ちがついていない。

 ここからさらに上位を狙っていくためには先発陣に勝ち星をつけるような戦いをしていくこと、そして、藤浪がローテーションの中に入ってくることが求められるでしょう。

文=藪恵壹

photograph by Kyodo News


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