レアル&バルサの主力化が若すぎる!久保建英と安部裕葵が挑む難関。

レアル&バルサの主力化が若すぎる!久保建英と安部裕葵が挑む難関。

 日本サッカーも凄い時代になったものである。Bチームとはいえ、久保建英と安部裕葵という2人の日本人選手がラ・リーガの2大巨頭であるレアル・マドリーとバルセロナに所属しているのだから。

 思えば『キャプテン翼』の翼くんがバルサに、『シュート!』のトシがマドリーに加入したのは21世紀に入ってから。当時は漫画が現実になる日はいつ来るだろうかと読んでいたが、まさか2010年代に実現するとは思ってもみなかった。

 久保と安部の主戦場になると見られるBチームはセグンダB(3部リーグ)だが違うグループのため、早期の直接対決とはならなさそうだ。とはいえ在籍しているのだから、近い将来、クラシコで戦う可能性はゼロじゃない。もしそれが実現したら、日本サッカーに関わる人々にとって感無量だろう。

 そんな漫画を超えるような現実を、若き2人には描いてほしいものである。

ビッグネームの加入が当たり前の環境。

 と思いを馳せつつ、ふと考えたことがある。

 両クラブでは下部組織での競い合いはもちろん、毎年のように世界的なビッグネームが加入してくるなど過酷な生存競争が繰り広げられている。その難関を潜り抜けた現主力メンバーの台頭した年齢は、だいたいどれくらいなのだろうか。

 そこでリーガ、国王杯、CLを合わせて、初めて両クラブのトップチームで20試合以上出場したシーズンの成績、その開幕時の年齢をそれぞれ『Transfermarkt』を参考にチェック。それぞれ下部組織育ちの“生え抜き”だけでなく、他クラブから加入したビッグネームも調べてみた。

ラモス、マルセロは19歳で定着。

 まずは久保が加入したマドリーからだ。

<現マドリーの主なフィールドプレーヤーが頭角を現した年齢>
☆は下部組織を経験した選手

DF
☆カルバハル:21歳(2013-14/45試合2得点)
☆ナチョ:24歳(2014-15/22試合1得点)
セルヒオ・ラモス:19歳(2005-06/46試合6得点)
バラン:19歳(2012-13/33試合2得点)
マルセロ:19歳(2007-08/32試合0得点)

MF
☆カゼミーロ:21歳(2013-14/25試合0得点)
アセンシオ:20歳(2016-17/37試合9得点)
イスコ:21歳(2013-14/53試合11得点)
ハメス・ロドリゲス:23歳(2014-15/42試合16得点)
クロース:24歳(2014-15/50試合2得点)
モドリッチ:26歳(2012-13/52試合4得点)

FW
☆ヴィニシウス:18歳(2018-19/30試合3得点)
☆ルーカス・バスケス:24歳(2015-16/33試合4得点)
ベンゼマ:21歳(2009-10/33試合9得点)
ベイル:24歳(2013-14/44試合22得点)

 セルヒオ・ラモス、バラン、マルセロが19歳にして最終ラインのレギュラーだったのは、ただただ驚きだ。確かにずっとマドリーでレギュラーを張っているなとは思っていたが……。

 現地メディアでよく久保と比較対象に挙げられるヴィニシウスは、不調に苦しんだ昨シーズンのチーム状況もあってか異例の早さでトップチームに食い込んだ。とはいえアセンシオ、イスコら中盤のテクニシャンが21歳までに主力級になっているのだから、短い期間で結果を残す必要があるのだろう。

 また移籍組も実績を残して加わったイメージだが、モドリッチ以外はほぼ25歳以下である。ちなみに退団が濃厚というベイル、中盤を仕切るクロースだけでなく、ロナウドもマドリーに加入したのは24歳(2009-10シーズン)だったのは興味深い。

 ストライカーなのに利他的すぎると叩かれがちなベンゼマだが、21歳からほぼ10年間マドリーのレギュラーを守っている。「BBCトリオ」の3番手だったわけではなく、恐るべきセンターフォワードなのである。

久保の監督ラウールはなんと17歳!

 ちなみにマドリーの生え抜きと言えば、懐かしの銀河系軍団を支えたラウール、グティ、GKだがカシージャスだろう。3人についても調べてみた。

ラウール:17歳(1994-95/30試合10得点)
カシージャス:18歳(1999-2000/44試合)
グティ:20歳(1997-98/20試合1得点)

 ラウールとカシージャスが若すぎるうえに、10代にして2ケタ得点を達成したり正守護神になっているのだから恐ろしい。なおラウールは今季から久保が主戦場とする「カスティージャ」の監督に就任した。それだけに久保ら10代後半の選手の心境はわかるだろう。どのような采配、育成を見せるかも注目してみたい。

メッシは18歳で25試合8得点。

 続いて、安部が加入したバルサだ。

<現バルサの主なフィールドプレーヤーが頭角を現した年齢>
☆は下部組織を経験した選手

DF
☆ジェラール・ピケ:21歳(2008-09/43試合2得点)
☆ジョルディ・アルバ:23歳(2012-13/42試合5得点)
セメド:23歳(2017-18/35試合0得点)
ウムティティ:22歳(2016-17/42試合1得点) ラングレ:23歳(2018-19/44試合2得点)

MF
☆セルヒオ・ブスケッツ:20歳(2008-09/41試合3得点)
☆セルジ・ロベルト:21歳(2013-14/27試合0得点)
☆ラフィーニャ:21歳(2014-15/36試合2得点)
アルトゥール:22歳(2018-19/43試合0得点)
ラキティッチ:26歳(2014-15/51試合8得点)
コウチーニョ:25歳(2017-18/22試合10得点)※冬に加入

FW
☆メッシ:18歳(2005-06/25試合8得点)
デンベレ:20歳(2017-18/23試合4得点)
マルコム:21歳(2018-19/24試合4得点)
スアレス:27歳(2014-15/43試合25得点)

 こう調べてみると、マドリーよりも定着する年齢が少し遅めに見える。移籍で獲得した選手もそこそこの年齢で、今夏加入したグリーズマンも28歳。若くしてバルサに加わった代表格となると、ネイマールの21歳か。

 一方で、バルサ黄金期を支えたブスケッツやピケは20歳と21歳で主力に定着している。

 それ以上に凄いのは、やっぱりメッシ。主力となったのは2005-06シーズン、18歳の時。その前のシーズンには17歳10カ月7日でリーガ初ゴールを決めている。それもジュリなどの代表クラスとポジションを争い、ロナウジーニョやエトオと3トップを組んでいたのだから、やはり神である。

マシア勢躍進の象徴だったシャビとイニエスタ。

 ブスケッツと中盤を牛耳ったシャビ&イニエスタ、アタッカーとしてメッシを支えたペドロも若くしてバルサの主力となった。

シャビ:18歳(1998-99/25試合1得点)
イニエスタ:20歳(2004-05/46試合2得点)
ペドロ:22歳(2009-10/47試合19得点)

 これについてはファンハール、ライカールト、グアルディオラといった歴代監督がラ・マシア勢を重用したのも大きい。

 なお今夏アヤックスから加入したデヨングは22歳。同じ東京五輪世代である安部としては、刺激になるはずだ。

たった1日でも100%を出せなければ終わる。

 先日行なわれたラ・リーガのイベントに招かれた元ブラジル代表MFジュリオ・バチスタの言葉が印象に残っている。「クボは才能豊かなホープだ」と評するとともに、2005-06シーズン、自身が23歳でマドリーに加入した時のこと、世界最高峰のクラブに在籍する重圧をこう話していた。

「サッカー人生に、大きな変化があった。マドリーでの日々について『まるで毎日セレソンでプレーしているかのようだ』と日々冗談を言い合っていたほどだよ。世界トップクラスのチームに所属すれば、そこには世界最大級の名だたる選手たちがいるからね。

 そこで自分に求められる要求は、カルチャーショックを受けるほどだった。日々、毎日、100%を求められる。自分が万全な体調、調子でいないといけないんだ。たった1日でも、自分が100%を出せなければ終わるんだ。それがレアル・マドリーというチームでプレーする意義だと僕は思う」

 日々のトレーニングが勝負なのは、トップチームだけでなくBチームなども一緒だろう。その環境で久保と安部がサバイバルし、サンティアゴ・ベルナベウやカンプノウに立つ日が来るか――。

 それが近い未来であることを願いたい。

文=茂野聡士

photograph by AFLO/Daisuke Nakashima


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