2009年ドラフトの今を検証<楽天編>。即戦力重視で苦戦、外れ1位の難しさ。

2009年ドラフトの今を検証<楽天編>。即戦力重視で苦戦、外れ1位の難しさ。

 いよいよ今年も「プロ野球ドラフト会議」の季節がやってきました。NumberWebでは、昨年も好評だった全12球団の10年前のドラフトを振り返って現在の戦力を検証する短期集中連載を企画しました。ジャーナリスト・小関順二氏による分析のもと、ドラフトの歴史を振り返ってみましょう。

 第6回は東北楽天ゴールデンイーグルスです!

<2009年ドラフト>
1位 戸村健次/投手/立教大
2位 西田哲朗/内野手/関大一高
3位 小関翔太/捕手/東筑紫学園
4位 高堀和也/投手/三菱自動車岡崎
5位 土屋朋弘/投手/シティライト岡山
—育成—
1位 松井宏次/内野手/四国・九州アイランドL長崎

 以下に列挙したのは私が設けている成功基準だ。

◇投手
50勝(1セーブ、1ホールドは0.5勝)、300イニング

◇野手
500安打、1000試合出場

 現在のところ、この年の指名した全員がそれに達していない。

 楽天以外では阪神、ヤクルトも成功選手0人である。この3球団がいずれも1位で菊池雄星(西武)に入札し、抽選で外している。外れ1位の選定の難しさと、抽選で外れたときの精神的な痛手の大きさを感じないわけにはいかない。

 楽天は2004年のドラフトから参加し、この'09年まで1位で大学生か社会人の即戦力投手を指名している。例外は'05〜'07年までの3年間で、このときは高校生と大学生&社会人を別々に指名する分離ドラフトだったので、'05年片山博視(報徳学園高)、'06年田中将大(駒大苫小牧高)、'07年寺田龍平(札幌南高)という3人の高校生投手を1位で指名した。だが、普通のやり方であれば、チーム状況を見ても高校生投手は指名していないだろう。

将来性重視の指名をすべきだった?

 正直、この頃の楽天のドラフトはうまいとは思わなかった。

 プロ野球に参画した'04年オフ、オリックスと近鉄の選手を分け合う形にはなったが、いい選手はほとんど吸収合併したオリックスが持っていき、岩隈久志だけが奇跡的に楽天入りしただけだった。

 こういう状況でどうして即戦力志向になるのか、5、6年先を見越して将来性を重視した指名をするべきでないのか、そんなことをいつも思いながら見ていた。

戦力になりきれなかった戸村、西田。

 1位戸村はまだ現役だ。'15年に37試合に登板して7勝11敗、防御率3.84を挙げているのが今のところの最高成績だ。

 2位西田は23歳だった'14年に131試合に出場して93安打を放ち、7本塁打、41打点を挙げている。こういう成績を挙げる若手は普通、翌年にブレークするのだが、キャンプ中の故障が災いして出遅れ、出場数が半減した。'18年にソフトバンクに移籍。'19年は1安打にとどまっている。

 そのほか、高校生捕手と社会人の投手を2人指名した。

CS進出に貢献した社会人投手。

 下位指名の社会人の投手、という部分に注目すると、'15年以降に結果が出始めているのがわかる。石橋良太('15年5位)、森原康平('16年5位)、高梨雄平('16年9位)、弓削隼人('18年4位)。いずれも今季の3位躍進に貢献した選手ばかりである。

 この'09年、そして'10〜'14年の間も、楽天の「下位指名の社会人投手」で活躍した選手はいない。だが、他球団を見ると増井浩俊('09年日本ハム5位)、海田智行('11年オリックス4位)、嘉弥真新也('11年ソフトバンク5位)、田原誠次('11年巨人7位)、高橋朋己('12年西武4位)、公文克彦('12年巨人4位)、三上朋也('13年DeNA4位)など、相応の結果が出ている。

 このあたりの他球団の指名がヒントになったのだろう。

文=小関順二

photograph by Kyodo News


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