「優勝国は無敗」という歴史――。ラグビーW杯ベスト8展望、本命は?

「優勝国は無敗」という歴史――。ラグビーW杯ベスト8展望、本命は?

 ラグビーワールドカップ(RWC)も、いよいよ負けたら終わりの「ノックアウトステージ」に突入する。

 これまでのRWCの歴史を紐解いてみると、優勝したチームは、プールステージを含めて一度も負けたことがない。

 つまり、これまでの8回の優勝国は無敗で頂点にたどりついているのだ。

 今大会、プールステージ終了時点でその条件に合致しているチームは……5つである。ニュージーランド、イングランド、フランス、ウェールズ、そして日本だ。

オールブラックスの凄まじい集中力。

 3連覇を狙うニュージーランドは、盤石の態勢でノックアウトステージに入ってきた。プールステージ初戦の南アフリカ戦では、後半の相手の追い上げをしのぎ、23−13で勝利して、プールBの1位通過を決定づけた。

 ニュージーランドの素晴らしさは、チャンスと見るやいなや、全員の意識が一瞬にして統一されることだ。英語では、“On the Same Page”という言葉を使うが、15人の考えていることがシンクロしていく。そのときの集中力はすさまじい。

 また、プールステージで対戦したナミビアの選手たちは、試合終了後、口々にこう話していた。

「オールブラックスのメンバーは本当に尊敬できる。試合が終わった後、ロッカールームに訪ねてきてくれて、会話をしたけれど、みんな謙虚で、素晴らしい人たちだった」

 最強とうたわれるオールブラックスの面々が謙虚で油断をしないのならば、本命の座は揺るがない。

エディー就任後、好調のイングランド。

 では、ニュージーランドを倒す可能性を持つ国はどこか。

 筆頭はイングランドだろう。前回のRWCが終わって監督が交代してから昇り調子。しかも選手たちの素質、能力が高い。

 FWには巨漢、長身、突進力、力持ちと様々な能力を持つ選手たちが並び、BKには快速ランナーがそろう。司令塔は冷静沈着、勝負強い。

 才能豊かなニュージーランドに対し、人材で十分に対抗できるのがイングランドの強みであり、両国が対戦するとなれば、最高レベルの試合が見られることは間違いない。世界中でこの対戦の実現を熱望する人は多い。

勢いに乗ったら怖いフランスラグビー。

 フランスの意外性も侮れない。

 フランスはここ数年、方向性が定まらず、アイデンティティの模索が続いていたが、ついに復活したように見える。

 初戦で難敵のアルゼンチンを下したが、BKの深いラインからのアタックは迫力満点。ただし、安全圏に入ってから油断してしまうのが昔からの悪い癖で、10月6日に行われたトンガ戦では後半に追い上げられ、23−21とヒヤヒヤの勝利。それが「芸風」と言ってしまえばそれまでだが、RWCでは1999年の準決勝、2007年の準々決勝でニュージーランドを破っており、意外性を発揮して、世界を驚かせるのがフランスのラグビーだ。

 4年後にフランス大会を控えるが、ひょっとしたら勢いに乗って一気に頂点まで駆け上がる可能性もゼロではない。

欧州覇者ウェールズの安定感。

 そして今年のシックスネーションズの覇者、ウェールズもプールステージでオーストラリアを寄り切り、全勝でノックアウトステージに入ってきた。

 ウェールズの素晴らしさは、分析力と集中力にある。オーストラリア戦では、相手スクラムハーフのパスの癖を見抜き、勝利につながるインターセプトからのトライを決めた。これはスタッフの分析力の賜物であり、選手の実行力も見事だ。

 また、試合開始からの20分間の集中力は参加20カ国のうちでナンバーワンかもしれない。つまり、いい準備をして、全員がやるべきことを理解しているということだ。

 今回のウェールズのチームはスマートで、勤勉。好感が持てる。また、北半球で唯一といっていいラグビーを国技とするチームであり、王者にふさわしい歴史と伝統をも持っている。

 1975年には、当時世界最強と呼ばれたチームが来日したこともあって、日本のオールドファンの中にはウェールズを愛する人たちも多い。

 真紅のジャージをまとうウェールズが、優勝する準備は出来ている。

ジャパンは再び世界を驚かせるか。

 そして4戦全勝で南アフリカと対戦するのが日本だ。

 今大会、日本のラグビーは世界からの称賛を集めている。

 面白い。スキルフルだ。スピーディだ。

 クリエイティブなアタックは見ていてワクワクしてくる。堅牢な防御網を持つ南アフリカに対して、どんなアタックを見せてくれるだろうか。

 そしてまた、スコットランド戦で見せたように、最後の最後まで崩れないディフェンスも素晴らしい。長期合宿で培った強靭なフィットネスを武器に、列強に対して一歩も引かないディフェンス、鋭いタックルは感動的ですらある。

 4年前の大会では南アフリカを破り、世界をアッと言わせた日本。

 10月20日の東京スタジアムでは、どんな結果が待っているのだろうか。

文=生島淳

photograph by Getty Images


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