2019年ドラフト査定!<セ編>奥川恭伸指名のヤクルトが最高点。

2019年ドラフト査定!<セ編>奥川恭伸指名のヤクルトが最高点。

 佐々木朗希、奥川恭伸らに注目が集まった2019年ドラフト会議。ジャーナリスト・小関順二氏に各球団の評価を採点方式で振り返ってもらった。まずは、セ・リーグ。奥川を引き当てたヤクルト、王者・巨人の点数はいかに。

◇巨人 70点

 1位入札で3球団が競合した奥川恭伸(星稜高)、外れ1位で2球団が競合した宮川哲(東芝)を抽選で外し、外れ外れ1位で未完の大器・堀田賢慎(投手・青森山田高)を指名、2位も即戦力より3年先をにらんで太田龍(投手・JR東日本)を指名した。抽選で負けてもすかさず即戦力志向から将来性志向に変える対応の早さは見事と言っていい。

 太田は昨年の段階では1位入札候補に挙げられるほど注目度が高かった選手。3位の菊田拡和(外野手・常総学院高)も甲子園未出場のため石川昂弥(内野手・東邦高→中日1位)、井上広大(外野手・履正社高→阪神2位)より下の順位で指名されたが、高校通算58本塁打のパンチ力はヒケを取らない。1位の堀田まで含めて「化ければ大物」を上位で指名できたのは、岡本和真をリーグ屈指の強打者に育て上げたファームの指導者に信頼があるからだろう。

◇DeNA 65点

 最初の1位入札、森敬斗(内野手・桐蔭学園高)の名がアナウンスされたとき、「森……」と一瞬間が空いたので「森下暢仁(投手・明治大→広島1位)」と続くと思ったが意表を突かれた。主砲の筒香嘉智のメジャー挑戦が話題になっている今、狙いはそこではないだろうというのが率直な感想だ。来年33歳を迎えるレギュラー遊撃手・大和の後継者指名は評価できるが、少し首を傾げた。

 2、3位で大学生投手を指名したのはDeNAらしい。2位・坂本裕哉(立命館大)は大学の先輩で昨年の新人王、東克樹同様、左腕から140キロ台後半のストレートとカーブ、スライダーなどの変化球を操る本格派。3位伊勢大夢(明治大)は森下と両輪を組んで今春のリーグ優勝に貢献したサイドスローと、異なるタイプを指名したのは評価できる。

阪神は甲子園スター5名を指名。

◇阪神 85点

 1位で奥川恭伸に入札して抽選負け、外れ1位で西純矢(投手・創志学園高)を単独指名した。3年の春、夏は甲子園に出場できなかったが、U-18ワールドカップでは本調子でない佐々木朗希、奥川を押しのけてマウンドに立ち、オープニングラウンドで好投。複数球団の競合も予想された超高校級を抽選なしで獲得できたことは、それ以降の高校生を中心とした指名を後押しした。

 2位は夏の甲子園優勝校、履正社高の4番・井上広大(外野手)、3位には「高校生ビッグ4」のひとり及川雅貴(投手・横浜高)、4位は東海大相模高のエースで中心打者の遠藤成(内野手)、5位は甲子園で強肩を披露した藤田健斗(捕手・中京学院大中京高)と、甲子園のスターをずらりと並べた。こんな指名は、阪神のドラフト史上初めてのことだろう。

 6位の小川一平(投手・東海大九州キャンパス)もしなやかな投球フォームときれいなストレートの球筋が将来の大化けを期待させる。

上原を彷彿とさせる森下。

◇広島 80点

 重複が予想された森下暢仁(投手・明治大)を単独指名できたことが大きい。前肩がまったく開かない投球フォームは今指名選手の中ではナンバーワン。150キロを超えるストレートに多彩な変化球を交えたピッチングは大阪体育大学時代の上原浩治(元巨人)を彷彿とさせる。

 2位宇草孔基(外野手)は法政大の1番打者。守備ではスローイングに精彩を欠く面もあるが、クリーンヒットを打っても足を緩めない全力疾走は一見の価値あり。3位鈴木寛人(投手・霞ヶ浦高)は今夏の甲子園大会1回戦、履正社高戦では3回途中で降板したが、その試合を見た苑田聡彦スカウト統括部長が「外れ1位」と言ったほど、将来性を感じさせた。4位韮澤雄也(内野手・花咲徳栄高)など下位指名まで見てもチームの課題を見据えたいい指名をしたと思う。

◇中日 75点

 3球団が競合した石川昂弥(内野手・東邦高)の当たりクジを引き当てた。昨年の根尾昂に続く与田剛監督のくじ運の強さがチームの形を大きく変えようとしている。春から夏の成長を感じさせたのが夏の甲子園大会のあとに行われたU-18ワールドカップでのバッティング。木製バットを使用して、春は少なかったレフト方向へ引っ張る力強い打球が増えたのだ。とくに内角低めをキャッチャー寄りで捉える技術の高さには目をみはらされた。

 2位橋本侑樹(投手・大阪商業大)は140キロ台後半のストレートより、カーブやチェンジアップ系の変化球のキレに持ち味がある本格派。3位岡野祐一郎(投手・東芝)は青山学院大時代から指名が予想された完成度の高いピッチャーで、とくに評価されているのが制球力のよさ。4位郡司裕也は東京六大学リーグで上位に君臨する慶応大でマスクをかぶり続け、多彩な投手陣の持ち味を十分に発揮させている頭脳派キャッチャーだ。

奥川は1年目から2ケタ勝利を。

◇ヤクルト 90点

 1位で3球団が競合した奥川恭伸(投手・星稜高)を抽選で引き当てたのが何よりも大きい。キレ味抜群のスライダー、フォークボールなど精度の高い変化球を四隅に集めるコントロールに優れ、ストレートは最速158キロを誇る。

 この球速を裏付けるのが今夏の甲子園大会3回戦、智弁和歌山戦のピッチングだ。延長14回を投げ、ストレートは165球のうち78球。このストレートの「平均」球速が150.1キロという速さだったのだ。技巧的なピッチングが評価されながらこれだけレベルの高いストレートを投げ続けられるというところに無限の可能性を感じさせられる。高校生だが、1年目から2ケタ前後勝つ力がある。

 2位吉田大喜(日本体育大)、3位杉山晃基(創価大)も即戦力が期待される右腕だ。吉田は最速151キロのストレートで打者を押し込んでいく本格派、杉山はストレートが154キロを記録するが秋のリーグ戦では縦変化の変化球を多投するピッチングに見どころがあった。ともに先発型なので、今年のチーム防御率4.78(12球団中、圧倒的最下位)のヤクルトなら先発の枠に入りそうだ。

文=小関順二

photograph by Kyodo News


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