18日、将棋の第92期棋聖戦五番勝負の第2局が兵庫県洲本市で行われ、18歳の藤井聡太棋聖(王位と二冠)が、挑戦者の渡辺明名人(棋王、王将と三冠)を171手で投了に追い込み、2連勝を飾った。タイトル初防衛、そして「史上最年少九段」誕生まであと1勝となった。

兵庫県で行われた棋聖戦第2局©Sankei Shimbun

 この日、藤井棋聖は白の羽織と深い緑の和服姿で対局に臨んだ。戦型は第1局と同じく相掛かりとなった中で、中盤以降は藤井棋聖が持ち時間を使う展開に。夕方頃には残り10分を切る展開となったものの、そこから鋭い指し回しを見せる。名人戦で斎藤慎太郎八段を4勝1敗で下すなど、現役最強棋士の1人である渡辺名人の反撃も乗り切り、連勝を飾った。

渡辺名人「理想的な展開だと思っていたんですが」

 この対局について、渡辺名人は同日に自身のブログ『渡辺明ブログ』を更新。「やや苦しめの中盤から、図では互角〜やや良しの形勢判断で持ち時間も5分対38分で理想的な展開だと思っていたんですが」、「44手目△54角と打ってからは玉を固めて実戦的にというプランで持ち時間の面でも上手くいっていたはずですが、最終的に自分だけ1分将棋になってるし、(中略)細かい精度の差が敗因になりました」と振り返った。

 藤井棋聖と持ち時間と言えば、1年前の2020年7月、竜王戦決勝トーナメント3回戦の丸山忠久九段戦で千日手指し直しの末に消費時間で大きく差をつけられ、丸山九段に敗戦した対局があった。今回の棋聖戦も一時は1時間近くの差がついたが、動じることなく勝利を手繰り寄せたのだ。

 自身にとって初となるタイトル防衛まであと1勝。「タイトル3期獲得」を果たせば九段昇段となるが、渡辺名人が持つ史上最年少九段昇段記録「21歳7カ月」を大きく上回ることになる。7月19日に19歳となる藤井棋聖。7月3日の第3局、18日の第4局のいずれかに勝てば、18歳のうちにまたも大偉業を果たすことになる。

文=NumberWeb編集部

photograph by Kiichi Matsumoto