あと約1カ月でシーズン終幕を迎える。各球団は最終コーナーに入ったが、かつて活躍した選手の中には、まだ今季一軍でプレーしていない選手がいる。

サファテ、清宮、斎藤佑樹らが一軍未出場

 主な今季の未出場選手をあげるとこうなる。カッコ内は9月13日時点の年齢。

<パ・リーグ>
 ソフトバンク
 投手/サファテ(40)外野手/釜元豪(28)
 ロッテ
 投手/種市篤暉(23)西野勇士(30)内野手/西巻賢二(22)
 西武
 投手/榎田大樹(35)
 楽天
 内野手/藤田一也(39)
 日本ハム
 投手/斎藤佑樹(33)柿木蓮(21)石川直也(25)内野手/清宮幸太郎(22)

 ソフトバンクのサファテは2017年にNPB記録の54セーブを挙げてMVPに輝いたが、股関節の故障に悩み2019年以降は登板なし。ロッテでは種市篤暉と西野勇士が昨年トミー・ジョン手術を受けてリハビリ中。西武では阪神から移籍して2018年に11勝を挙げた左腕榎田大樹がまだ今季登板なし。

 楽天の藤田一也は39歳のベテラン。ユーティリティとして通算1407試合に出場しているが今季は二軍が続く。日本ハムでは、甲子園の優勝投手である斎藤佑樹と柿木蓮が一軍登板なし。同じく甲子園で活躍した清宮幸太郎も二軍暮らしだ。

カープでは今村、岡田、一岡らが

<セ・リーグ>
 巨人
 投手/古川侑利(26)
 阪神
 投手/中田賢一(39)尾仲祐哉(26)外野手/高山俊(28)井上広大(20)俊介(34)
 中日
 投手/笠原祥太郎(26)内野手/石川昂弥(20)外野手/藤井淳志(40)遠藤一星(32)
 DeNA
 投手/東克樹(25)
 広島
 投手/今村猛(30)岡田明丈(27)一岡竜司(30)アドゥワ誠(22)スコット(29)
 ヤクルト
 投手/歳内宏明(28)宮台康平(26)外野手/雄平(37)

 巨人では2019年シーズン中に和田恋とのトレードで楽天から移籍した古川が一軍未登板。阪神では、中日、ソフトバンク、阪神と渡り歩いて通算100勝の中田賢一が二軍暮らし。2016年の新人王・高山俊は二軍で86試合に出場も打率.213とパッとせず一軍にはお呼びがかからない。

 中日では笠原祥太郎は頻脈、不整脈の治療などがあった中で、今季はわき腹痛などで今月一軍合流した。甲子園で活躍した石川昂弥は2年目の今季は二軍で育てる方針のようだ。DeNAでは左腕・東克樹が、昨年キャンプ中にトミー・ジョン手術を受けた。広島では2016年からの3連覇中、救援投手として活躍した今村猛と一岡竜司が二軍での調整が続く。スコットは昨年クローザーに指名され失敗したものの、契約延長を勝ち取ったが未登板。

©Hideki Sugiyama

 ヤクルトでは昨シーズン中に独立リーグ香川からNPB復帰した歳内宏明、日本ハムから移籍した東大卒の宮台康平が未昇格。一時は中軸を打った雄平も一軍でプレーしていない。

 これらの選手の多くは厳しいオフが待っていると予想されるが、シーズン最終盤になって昇格して予想外の活躍をする選手も出てくるかもしれない。

カープ坂倉が規定打席到達で首位打者争いに登場

<9月6日から9月12日の両リーグ、投打の好成績選手>
 〇パ・リーグ
 打撃 ※RCは打撃の総合指標
 レアード(ロ)22打10安3本7点 率.455 RC7.74
 杉本裕太郎(オ)21打8安3本3点 率.381 RC7.54
 岡島豪郎(楽)23打10安1本3点1盗 率.435 RC6.18
 柳田悠岐(ソ)18打8安4点 率.444 RC6.06
 荻野貴司(ロ)25打9安1本4点 率.360 RC5.80

 ロッテは先週、オリックスから首位を奪ったが、中軸のレアードと切り込み隊長の荻野が絶好調。対するオリックスは吉田正尚が戦線離脱したものの、杉本裕太郎が奮闘しており、レアードと並ぶ週間最多の3本塁打、通算でも26本塁打でトップに立った。

 ただ3本塁打で3打点と打線がつながっていない印象だ。打点はレアードとレオニス・マーティンのロッテ勢が7打点。盗塁は日本ハム西川遥輝とロッテ和田康士朗が2盗塁を成功している。

 投手 PRはリーグ防御率による総合指標
 今井達也(西)1登1勝 9回 率0.00 PR3.48
 則本昂大(楽)1登1勝 9回 率0.00 PR3.48
 千賀滉大(ソ)1登1勝 7回 率0.00 PR2.71
 小島和哉(ロ)1登1勝 9回 率1.00 PR2.48
 立野和明(日)1登1勝 6.1回 率0.00 PR2.45

 西武の今井達也は9月11日のオリックス戦で9回完封。142球を投げたのが気がかりだ。楽天の則本昂大も9日の日本ハム戦で完封。こちらは120球。ソフトバンクの千賀滉大は東京五輪から復帰後4試合4勝、27回を投げて自責点2、防御率0.67と絶好調。救援では西武の平良海馬が2セーブを挙げた。

 〇セ・リーグ
 打撃
 鈴木誠也(広)20打9安6本9点 率.450 RC11.44
 サンタナ(ヤ)18打10安2本8点2盗 率.556 RC8.89
 村上宗隆(ヤ)19打9安2本11点1盗 率.474 RC8.12
 木下拓哉(中)15打8安3本8点 率.533 RC7.79
 オースティン(De)17打7安3本7点 率.412 RC7.66

 6試合連続本塁打の広島・鈴木誠也が大活躍した。しかし打点はヤクルト村上宗隆が11打点でリーグ最多。ヤクルトのサンタナは強打に加えて2盗塁もリーグトップ。広島の坂倉将吾は規定打席に達して首位打者に躍り出たが、DeNAオースティンが打率.412と奮起して首位奪還している。

©Hideki Sugiyama

 投手
 奥川恭伸(ヤ)1登1勝 7回 率0.00 PR3.68
 今永昇太(De)1登1勝 8回 率1.13 PR3.21
 畠世周(巨)4登1S 5.1回 率0 .00PR2.80
 秋山拓巳(神)1登1勝 7回 率1.29 PR2.68
 大野雄大(中)1登1勝 7回 率1.29 PR2.68

 ヤクルトの新鋭、奥川恭伸が7回零封。このところ6試合連続QS(6回以上投げて自責点3以下、先発投手の最低限の責任)。巨人・畠世周は救援で4試合を投げて5.1回を無失点。渋い働きをしている。

 救援では阪神スアレスが3セーブを挙げた。

王が出るまで連続本塁打記録は「4」だった

★《今週のぴかイチ》広島・鈴木誠也の6試合連続本塁打★

 連続試合本塁打記録は、非常に難易度が高い記録だ。

 戦前、1938年10月11日〜22日に、巨人の中島治康が5試合連続本塁打を記録。中島はこの秋シーズンで日本プロ野球史上初の三冠王を記録している。

 1リーグ時代は中島に追いつく選手は出なかったが、1950年10月1日〜13日に近鉄の森下重好が2人目の5試合連続本塁打を記録。これを皮切りに1972年まで5試合連続を記録した選手は10人を数えたが、この数字を破る選手は出なかった。

 この記録を一挙に「7」まで伸ばしたのが巨人の王貞治だった。

7試合連続本塁打で凄まじい“ある打席”と長打率

王貞治と長嶋茂雄のONコンビ ©Getty Images

 王貞治は、1972年まで10年連続本塁打王となり、すでに史上最強の長距離打者と言われていたが、連続試合本塁打だけは長らく「4」で止まっていた。1963年から1970年までの8シーズンで12回も4試合連続本塁打を記録するも次の1本が出なかったのだ。しかし1970年6月16日〜23日にはじめて5試合連続本塁打を記録。NPBタイ記録とすると1972年9月11日〜20日に一気に7試合連続本塁打を記録した。

 この記録が凄まじい。

 9月11日 広島戦 三ゴ 左2 遊ゴ 右本
 9月13日 阪神戦 右本 三振 右本 四球
 9月14日 阪神戦 中飛 右本 敬遠 敬遠 四球
 9月17日 中日戦 左飛 敬遠 右本 四球 敬遠
 9月17日 中日戦 右本 中安 一ゴ 右本 四球
 9月19日 阪神戦 右本 四球 一併 二邪 二飛
 9月20日 阪神戦 右本 四球 左犠 一邪

 17日はダブルヘッダー、時代を感じさせる。7試合で21打数11安打9本塁打1二塁打10四球(うち敬遠4)、打率.429、長打率1.857という猛打だった。

 7試合のうち4試合で第1打席に本塁打を打っている。試合の序盤は敬遠されることは少ないし、プレッシャーも軽いので、早いうちに打ってしまえというところか。

張本勲と会話する王 ©Getty Images

 なお、中島治康の1938年の初の5試合連続本塁打は、1973年に記録部が過去の記録を再検証し35年ぶりに発掘したものだ。当時存命中だった中島治康は「そういえば毎日ホームランを打ったような記憶があるな」と言ったという(宇佐美徹也氏「プロ野球データブック’84」より)。

バースも7戦連続、鈴木誠也以外の6試合連続は?

 その後、6試合連続本塁打を記録する選手も出て、今では今回の鈴木誠也も含め、16人が6試合連続以上の本塁打を記録している。

<7試合連続本塁打>
 王貞治(巨人)1972年9月11日〜20日
 バース(阪神)1986年6月18日〜26日

<6試合連続本塁打>
 大杉勝男(日拓)1973年10月2日〜9日
 アルトマン(ロッテ)1974年6月13日〜23日
 土井正博(クラウン)1978年5月14日〜22日
 デービス(近鉄)1985年8月2日〜8日
 ランス(広島)1987年6月9日〜16日
 石嶺和彦(阪急)1987年9月2日〜10日
 スチーブンス(近鉄)1995年4月7日〜13日
 カブレラ(西武)2003年9月9日〜15日
 阿部慎之助(巨人)2004年4月9日〜16日
 松中信彦(ダイエー)2004年7月17日〜23日
 新井貴浩(広島)2005年6月22日〜28日
 ゲレーロ(中日)2017年5月28日〜6月3日
 中村剛也(西武)2018年8月4日〜10日
 鈴木誠也(広島)2021年9月3日〜9日

 6試合連続本塁打は広島では1987年のランス、2005年の新井貴浩に次いで鈴木誠也が3人目である。

©Hideki Sugiyama

鈴木誠也で興味深いのは「打球方向」と球場のサイズ

 最後に、鈴木誠也の6試合連続本塁打の内容を見てみよう。

 9月3日 ヤクルト戦 中安 四球  中安  左本
 9月4日 ヤクルト戦 中本 三ゴロ  左2  四球
 9月5日 ヤクルト戦 左本 中安 中飛 三振 三振
 9月7日 中日戦 左本 三振 左本 左安 中安
 9月8日 中日戦 左本 二ゴ 遊ゴ 中飛
 9月9日 中日戦 右本  四球 左本 中安 三振

©Kyodo News

 24打数15安打8本塁打1二塁打3四球、打率.625、長打率1.667、この間通算打率は.301から.318まで上がった。

 鈴木も第1打席での本塁打が5本。王貞治同様、この記録達成には最初の打席が重要だということだろう。また引っ張った本塁打だけの王と異なり、左、右、中と広角にホームランを打っている。

 9月10日の阪神戦で鈴木誠也が本塁打を打っていたら右打者初、21世紀初、さらに言えば球場のサイズが両翼90m中堅120mから、両翼100m中堅125mに大型化してからは最初の記録になったことになる。

 とはいえ鈴木誠也は27歳。まだまだチャンスは残されているだろう。

達成記録と記録予報

 今週は足踏みが続いていた阪神選手が2人、記録を達成した。

 ・100勝
 西勇輝(神)9月10日広島戦 140人目
 8試合足踏みをしたがようやく達成した。

 ・300盗塁
 糸井嘉男(神)9月11日広島戦 31人目

 オリックス時代の2016年には35歳で53盗塁を記録し盗塁王に輝いた糸井だが、最近は代打出場が多く、昨年7月2日の中日戦を最後に盗塁が途絶えていた。40歳での大台突破だ。

 ・150セーブ
 益田直也(ロ)9月8日オリックス戦 17人目
 
<記録予報>
 ・2000試合
 あと18 福留孝介(中)これまで53人
 ・1000試合
 あと14 明石健志(ソ)これまで512人
 ・300本塁打
 あと1 松田宣浩(ソ)これまで43人
 ・250本塁打
 あと9 山田哲人(ヤ)これまで65人
 ・200本塁打
 あと3 T-岡田(オ) これまで110人
 あと4 内川聖一(ヤ) これまで110人
 あと8 レアード(ロ) これまで110人
 ・100本塁打
 あと2 宮崎敏郎(De) これまで302人
 あと2 村上宗隆(ヤ) これまで302人
 あと8 森友哉(西) これまで302人
 ・400二塁打
 あと5 坂本勇人(巨) これまで13人
 ・350二塁打
 あと7 中島宏之(巨) これまで46人
 ・250盗塁
 あと1 大島洋平(中) これまで46人
 ・300犠打
 あと5 菊池涼介(広) これまで7人
 ・250犠打
 あと8 中島卓也(日) これまで20人
 ・100死球
 あと6 鈴木大地(楽) これまで22人
 ・1500三振
 あと15 松田宣浩(ソ) これまで13人
 ・500試合登板
 あと4 石川雅規(ヤ)これまで102人
 ・150勝
 あと7 和田毅(ソ)これまで49人
 ・100勝
 あと6 則本昂大(楽)これまで140人
 ・150セーブ
 あと6 増田達至(西)これまで17人
 ・2000投球回
 あと5 内海哲也(西)これまで91人

文=広尾晃

photograph by Kyodo News/Getty Images