6月22日、23日にエンゼルスとの2連戦を迎える大谷翔平(29歳)。ドジャースの1番バッターとして、愛した古巣相手にどのような活躍を見せるだろうか。注目のシリーズを前に、雑誌「Sports Graphic Number」「NumberWeb」掲載記事から、大谷翔平とエンゼルスの元チームメイトたちとの関係性が分かる“3つの言葉”を紹介します。

<名言1>
翔平を困らせたくはないから、話題から外すようにしているよ。
(パトリック・サンドバル/NumberWeb 2023年7月22日配信)

https://number.bunshun.jp/articles/-/858157

◇解説◇
 大谷翔平は直近7試合で、28打数12安打、4本塁打9打点。打率.429、強打者の指標であるOPSは1.479という驚異の数値をたたき出している。毎年のように好成績を残す6月、特に後半はその傾向が強まる中で、骨折したムーキー・ベッツの離脱の影響を感じさせない働きをトップバッターで見せている。

 そんなホットな状態にある大谷と、昨年までは仲間として戦ったエンゼルスがいよいよ公式戦の舞台で再会する。ドジャース移籍後、大谷は韓国シリーズ前のオープン戦で対戦(その際には現在離脱中のマイク・トラウトとのハグなども見られた)しているが、公式戦で相まみえるのは初となる。

 エンゼルスは現在、ア・リーグ西地区の4位。首位マリナーズとは13.5ゲーム差と大きく離されている。ワイルドカードへ一縷の望みを懸けて勝ち星を積み上げるほかないチーム状況だが――その大事な初戦先発を任されるのが、サンドバルである。

サンドバルが見せた“スター大谷への気遣い”

 サンドバルといえば、投手陣の中でもとりわけ大谷と仲睦まじい姿を見せることで日本のファンには有名だった。日本が優勝した2023年のWBCでは準決勝でメキシコ代表の一員として侍ジャパンの打線の前に立ちはだかる好投を見せたが、大谷が大会後に「まあまあ良い投手でしたね」と冗談めかしたことからも、その関係性の良さが伝わってくる。

 そんな大谷の周辺は、昨年の6月を終えた頃に騒がしくなっていた。降って湧いた「トレード報道」である。エンゼルスはこの年も成績が振るわなかったこともあり、当時の契約最終年となる大谷を放出して若手有望株を獲得するのでは……との憶測が広がっていた。記者から大谷と去就についての話をするか? と問われたサンドバルは「僕たちにはコントロールできないことだからね」と、大谷との会話は“それ以外”を選ぶという心遣いを見せた。

 サンドバルは今季ここまで15登板したものの2勝8敗、防御率5.24と苦しんでいる。その中で強力ドジャース打線の1番打者として真っ先に立ち向かうのは、大谷となるはずだ。

<名言2>
彼は野球界で最高のプレーヤーで、やっぱりここにいてほしい。
(テイラー・ウォード/NumberWeb 2023年8月3日配信)

https://number.bunshun.jp/articles/-/858301

◇解説◇
 サンドバルは昨夏、“憶測の移籍報道”にヤンワリとクギを刺したわけだが……野手陣では紳士的な対応で知られるウォードもその1人だった。

 パワーやスピードなど秀でたものがある一方で、どこか粗さが目立つ。大谷とトラウトという2人のMVPはいるものの、エンゼルス打線はどこかチグハグな攻撃を見せることがあった。その中で大谷と同じ2018年メジャーデビューのウォードは、22年から3年連続2ケタ本塁打を放つなど、安定したスタッツを残す主力打者である。22年5月には打席に入る前の大谷にチューインガムを渡すとラッキーな安打、さらには本塁打と続いたことから「翔平と楽しんで」ゲン担ぎをしたという“ホッコリ”するエピソードもある。

「翔平の移籍のことは考えないようにして…」

 そんな大谷について、ウォードはトレード騒動の時期に残留を熱望した。

「個人的には翔平の移籍のことは考えないようにしているんだ。『勝たなきゃ』って自分に重圧をかけてしまうから」と前置きしつつ、ベストプレーヤーである大谷と一緒にプレーできる喜びを少しでも長く享受したい、と考えていた。

 しかしそんなウォードに悪夢が襲ったのは、7月29日のブルージェイズ戦。相手投手の投じたシンカーが顔面に直撃すると、鼻から出血するなど顔面を骨折。これによって2023シーズンは終了し、結果的に大谷とチームメートとしてプレーする日々はここで終わった。

 2024シーズンのウォードは開幕直後から4番打者を務め、4月中旬から3番打者に。左ひざをケガしたトラウト不在の打線にあってチーム最多タイとなる72試合出場、12本塁打をマークしている。タイラー・グラスノーら剛腕投手との対戦が予想される中で、大谷に負けじと大飛球を飛ばすことができるか。

大谷に教えてもらった「スラムダンク」

<名言3>
『スラムダンク』は今、漫画を読み始めているところだ。
(カルロス・エステベス/Number1072号 2023年4月27日発売)

◇解説◇
 野球に人一倍真摯な大谷は、グラウンドを離れると「Number」のインタビューでも触れたとおり――Netflixの話題作を見たり、マンガを手にする青年の一面もある。その日本アニメを契機にエンゼルスでよく盛り上がっていたというのが、今季もクローザーを務めるエステベスである。

 エステベスは「ドラゴンボールZ」のキャラクターのフィギュアを飾るほどのアニメ好き。ということで大谷におすすめマンガを教えてもらったそうで……日本が誇るバスケットボールの金字塔マンガに触れたそうだ。

エンゼルスの“意地”にも注目?

 2023年のオールスターでは自身初となるオールスター選出となったエステベスは、大谷にスペイン語で「ベテラーノ!(ベテランの意)」とイジられたこともあったという。そんな良好なふたりの初対決が実現するとしたら、エンゼルスが終盤までリードを保ったシチュエーションだろう。

 高速道路で行き来できる距離から「ハイウェイシリーズ」と呼ばれる2連戦で、かつてのエンゼルスの仲間たちは“愛し続けた”大谷相手に意地を見せられるか。

文=NumberWeb編集部

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