「ミトマ巨大フラッグが!」三笘薫欠場ブライトン現地観戦→負けて気づく“偉大さ”…「はぁ?」鎌田大地を観る前には“まさかの事件”

Number Web6/15(日)17:01

「ミトマ巨大フラッグが!」三笘薫欠場ブライトン現地観戦→負けて気づく“偉大さ”…「はぁ?」鎌田大地を観る前には“まさかの事件”

「ミトマ巨大フラッグが!」三笘薫欠場ブライトン現地観戦→負けて気づく“偉大さ”…「はぁ?」鎌田大地を観る前には“まさかの事件” photograph by JIJI PRESS

サッカー日本代表で主力を張り、イングランドの地で奮闘する三笘薫と鎌田大地。彼らの雄姿を渡英した将棋観戦記者が現地観戦したら……想像以上の感動ばかりだった。〈NumberWebレポート/全3回。第3回へつづく〉

ミトマ巨大フラッグが…だけど

 爆音とともに火柱が何本も立つ。熱気が顔に伝わった。大型ビジョンにブライトンの選手が背番号の若い順に一人一人紹介され、そのたびに大きな歓声が沸く。22番の三笘が徐々に近づいてくる。

 すると、ゴール裏に三笘のイラストが描かれた巨大なフラッグが現れた。

 キター!!!

 すげえじゃん、こんな日本人選手が過去にプレミアリーグでいたか? 興奮が最高潮に達する。

 あれ? 20番のカルロス・バレバの次が27番のマッツ・ウィーハー? おいおい、三笘が紹介されてないよ。どういうこと? 全選手が一覧になったが、三笘の写真がない。しかもサブのメンバーにも名前がないでないか。はあ? ベンチ外?

 後でわかったのだが、三笘はかかとのケガでこの節は大事を取ったのだという。オーマイガー(なぜか英語)。わざわざ日本から来たのに、というのはこちらの勝手な都合だ。ケガならば仕方がない。

三笘が欠場だったからこそ分かる偉大さ

 とはいえレギュラーの三笘が出場しなかったショックは大きかった。ゴールシーンは盛り上がったが……。1−1の引き分けで、ホームのブライトンは勝つことができなかった。

 三笘が出なかったからじゃね?

 ほぼ言いがかりと自覚しているとはいえ――帰路の足取りは重かった。周囲の日本人グループの肩も落ちているように映った。三笘は何も悪くないが、彼への期待はあまりに大きく、その分、失望も大きいのだ。逆説的な言い方をすれば、これだけ人をがっかりさせられる三笘が偉大ということである。

 でも、サッカー観戦ってこういうものだったよな。いつだって思い通りにはならず、フラストレーションばっかり。それでもまたスタディアムに足を向けてしまうのがサッカーの魅力だ。三笘のサイドから中央に切り込んでいく美しい疾走を何度も何度も夢想しながら、私はロンドン市内に戻った。

 ホテルに戻って一息ついた後、同日に東京ドームで行われていた格闘技の「RIZIN 男祭り」をPPVでアーカイブ視聴し、翌朝はボクシングの井上尚弥の防衛戦を視聴した。現代は世界中、どこにいてもスポーツの試合を観戦することができるが、やっぱりライブは格別だ。目の前の液晶画面から目を逸らし、昨日の光景を思い出す。駅からスタディアムに向かう道程、狭い通路から拓ける広大なグリーン、選手たちの美しいボールさばき、肉体のぶつかり合い、響くキック音、ゴールの興奮、サポーターの絶叫――。

 特にサッカーは現地観戦に向いているスポーツだと思う。ボールを持っていない選手の動き、いわゆるオフザボールの動きも好きな時に見ることができる。そのうちにチームの約束事などが自分なりに見えてくると、この世に存在するたくさんの閉じられたドアが一つ開け放たれたようで気分が上がる。サッカーはアップだけではなく、引きで観ても楽しめるのがいい。

鎌田のパレスを観に行こうとしたら…

 さあ、今日はクリスタル・パレスだ。

 鎌田大地は4月に入ってからスタメンが増え始め、前節のアーセナル戦にはフル出場している。といって本日の出場が保証されているわけではない。2試合続けて日本人選手が欠場の可能性もあるが、それはそれで楽しもうと気分を切り替えた。

 昨日と同じビクトリア駅からサザン鉄道に乗り込み、ロンドン郊外へと向かう。でもロンドンってすごいですね。チェルシー、アーセナル、トッテナム、ウエストハム、フラム、クリスタル・パレスもあるし、少し足を伸ばせばワトフォードもそうだ。サッカーファンにとって最も幸せな街だろう。

 ゆるゆると列車に揺られ、次はスタジアムの最寄り駅というところで事件は起こった。

 駅を通過したのだ。

 はぁ?

 パニックになる。とにかく次で降りるしかない。呆然とホームに降り立つと、赤と青のラインが入ったクリスタル・パレスのグッズを身につけたサポーターたちが目に入った。少し安心したが、ここからどうやってスタディアムに行けばいいのだ。グーグルマップは先ほど通過した駅で降りろと示しているのだが……。

 こういう時は一つしかない。現地の人についていくこと。赤&青を目印に移動する。なるほど、こっちのホームなのね。どうやら先ほど降りようとした駅以外にも、スタディアムに近い駅があるようだ。

 コバンザメ作戦大成功! Norwood Junction駅を降りると人、人、人。パブにも大勢の人だかり。ラガーとチップスをたっぷり腹に詰め込んでから向かうのだ。

築100年以上の本拠地…アルコール持ち込みは禁止

 セルハースト・パークは100年以上の歴史を誇るスタディアムで、スタンドに大きな屋根がかぶさっているのが特徴だ。

 風情のある坂道を下って構内に入り、まずはショップを目指す。シーズンも最終盤だからか、割引された商品がいくつかあった。65ポンドのジャンパーを50ポンドで購入。ラッキー! ここでもマフラーを購入、15ポンド。

 この日の最高気温は12度と寒かったが、先ほど購入したマフラーを巻き、ビールを飲みにテントへ向かう。なんかズラッと並んだ機械に列をなしてビールを買ってるな。自分は有人の売店で購入したのだが、あとで見るとクレジットカードのタッチ決済でビールが自動で注がれる販売機ということがわかった。なんだよ、せっかくだったらこの最新のマシンで買えばよかったな。

 まあ、いいさ。先ほど買ったチーズバーガーにかぶりつき、ビールで流し込む。絶品! というほどでもないが、スタジアムでの軽食+ビールっていいですよね。周囲のファンも幸せそうにカップを傾けている。あ、でも座席にアルコールを持ち込むのはダメ。売店付近じゃないとビールは飲めません。

 この欧州旅行で2度目の「うわあ」が出た。昨日と違うのは、ピッチがカクテル光線に照らされていること。まだ空は青いが、試合中には暗くなる。その幻想的な光景に見とれながら鎌田大地が疾駆する姿を思い浮かべ、胸が躍った。〈つづく〉

文=大川慎太郎

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