大分市は電動アシスト自転車を無料で貸し出す取り組みを6月から始めます。

車体についているモーターでペダルを踏む力を補助する「電動アシスト自転車」

大分市では2020年度から毎年、この自転車を市民に半年間、無料で貸し出しています。

2200万円あまりをかけて事業をスタートさせました。

大分市都市計画部 成迫直美さん

「電動アシスト自転車の普及促進を図ることで環境負荷の軽減と市民の健康増進を図る」

2024年度は6月から貸し出しが始まりますが、先週の締め切り日までに定員50人の3倍以上となる156人から応募があったという人気ぶり。

貸し出しの優先となるのは65歳以上の高齢者です。

大分市都市計画部 成迫直美さん

「高齢の方は運転免許を返納して移動手段に困っていたり外出の機会が減っている。

外出意欲の向上や筋力づくりなどの悩みの解消になれば」

大分市の狙いは「高齢者の健康の向上」。

電動アシスト自転車の利用は果たして健康に繋がるのでしょうか。

(江藤アナウンサー)

半年間無料と聞くとお得に感じますよね。

大分市が4年前から続けている、電動アシスト自転車の貸し出し。

高齢者の健康増進に繋がるのでしょうか。

大分市は、スタートした2020年に自転車を貸し出す前後で利用者の体力測定を行いました。

60歳以上の60人が利用しましたが、1分間に酸素を体内にどれだけ取り込めるかという酸素の最大摂取量は利用者の65%が上昇。向上しているんですね。

膝を伸ばす力は、利用者の78%が上昇。

そのうち2人は2倍以上向上していたそうです。

こうした一方、筋肉の増加量は、上昇した利用者は38%。

自転車の利用は筋肉量のアップにつながったとは言えない結果となりました。

貸し出される自転車はアシスト機能もあるので筋肉への負荷は低いんですが専門家は体の動作がスムーズになり、脳から筋肉への伝達もアップしたと分析しています。

今回の事業、もう一つの狙いもあります。

それが、高齢者が免許を返納した後の移動手段です。

2020年度の利用者のアンケートでも、電動アシスト自転車が車の代わりの交通手段になりそうですか?という質問に対し、63%の人が「なる」と答えました。

ただ利用者の中には「車道を走るのが怖かった。

自転車専用道路が少ない」といった声も上がりました。

大分市では道路で見かけるこういったマークのレーンや自転車専用レーンなど道路の整備を進めています。

2021年度に34.7キロだったのが翌年には10キロほど増えていて、来年度末には約55キロまで進める目標です。

もちろん安全第一ですから高齢者が安心して自転車に乗れるような整備が進むことはもちろん、健康増進にもつながると良いですね。