大分県宇佐市の市民図書館で3日、展示していた小・中学校の見本教科書が紛失したことがわかりました。直前に本を自由に持ち帰ることができるブックリサイクルが開催されていて、来館者が勘違いした可能性もあり、市は返却を呼びかけています。

宇佐市は、市民図書館の1階玄関ロビーの長机の上に、6月18日から展示していた468冊の見本教科書のうち、126冊が持ち去られたと発表しました。教科書は、2025年度に小・中学校で使用候補となっているもので、誰でも手に取って閲覧することができたということです。

展示していた教科書:宇佐市提供

展示イベントは7月1日で終了し、翌日の午前11時半頃、職員が撤去しようとしたところ、教科書が無くなっていることがわかりました。

市によりますと、見本教科書の展示イベントの前に、同じ場所で4月23日から5月31日にかけて、不要になった図書館の本を段ボールに入れ、来館者が自由に持ち帰れるブックリサイクルを開いていました。そして、会場に掲示版を設置して「ご自由にお持ち帰りください」と案内していました。

ブックリサイクルは毎年、春と秋の年に2回開催していて、掲示板はイベントが終わったあと撤去しているということです。

今回の見本教科書の展示では、持ち帰り禁止の掲示板は設置していなかったということですが、市はブックリサイクルの仕組みを知っている来館者が勘違いした可能性もあると話しています。

市は4日、1階ロビーに「教科書が所在不明となっているので、心当たりのある方は、速やかにお返しください」と返却を求める掲示板を設置しました。

市は近く警察に被害届を出す方針で、1階ロビーに設置している防犯カメラの映像も提供することにしています。