江戸時代末期の備中松山藩士で藩政改革などに活躍した山田方谷に儒学などを教えた人物から出された書状が高梁市で展示されています。

展示されているのは、江戸時代末期に山田方谷に出された2人の人物からの書状です。

このうち方谷が5歳から約10年間教えを受けた新見藩の儒学者、丸川松隠の書状は、屋敷であった火事の責任をとって謹慎する方谷を慰めるために出されました。また、もう一方は、江戸幕府の学問所で教授を務め、方谷が30歳から3年間その私塾で学んだ佐藤一斎の書状で、藩校の校長になった方谷を励ます内容です。当時大阪で起きた大塩平八郎の乱についても記されています。

書状からは、幕末の混乱期に活躍する弟子への温かいまなざしや当時の社会情勢を知ることができます。

(高梁市教育委員会 上村和史主事)
「当時の現物の生々しい筆跡から、当時の人が生きた足跡をこの手紙から見てもらえたらありがたい」

この特別展示は、高梁市山田方谷記念館で5月31日まで行われています。