岡山県内で初めて野生のイノシシから豚熱ウイルスが確認されたことを受け、県は3月4日、関係者を集めて緊急の会議を開きました。養豚場への感染拡大を防ぐため対策を確認しました。

(岡山県畜産課 森分哲彦課長)
「いざ発生してみると多くの人に予想以上の衝撃が走っている」

会議には、県や猟友会などの関係者、28人が集まりました。高梁市で捕獲された野生のイノシシ1頭から豚熱ウイルスが確認されたのは2月29日。ウイルスはブタが感染すると、結膜などに炎症が起きて死ぬことが多いとされ、養豚場で発生した場合、法律に基づいて殺処分などの防疫措置が取られます。

国内では2018年9月に26年ぶりに確認されて以降、野生のイノシシを中心に広がっていて、中四国ではすでに岡山県や愛媛県以外で確認されていました。

会議では23の養豚場で飼育される約4万頭のワクチン接種を続けるほか、イノシシの侵入対策や消毒の徹底、山の土を持ち込まないなどの対策を確認しました。

(岡山県畜産課 森分哲彦課長)
「農場を守るということは農場主や経営者に頑張ってもらわないといけない。それに対して飼養衛生管理基準というものが家畜伝染予防法で定められているので忠実に守ってもらうようにさらに強化する」

(前川裕喜 記者)
「緊急の会議が開かれ緊張感が高まっている。身近な食材である豚肉への影響をどう防ぐのか。岡山県などの関係者には高い意識が求められる」

豚熱ウイルスは人に感染することはなく、感染したブタの肉を食べても人体に影響はありませんが、養豚場での感染が確認された場合、県内産の豚肉の流通への影響が懸念されます。

一方、香川県では2023年1月以降、野生のイノシシ48頭の感染が確認され、養豚場での対策が続けられています。