5月17日に神戸市で開幕する世界パラ陸上選手権で、岡山市の実業団チームに所属する車いす陸上の生馬知季選手が出場します。パリパラリンピックの出場権獲得に向け、仕上がりは順調です。

岡山市北区のシティライトスタジアム。グロップサンセリテワールドACに所属する生馬知季選手はこの日、大会を前に岡山での最後の調整に励んでいました。

生馬選手が出場するのは100メートルと400メートル、ユニバーサルリレーの3種目です。4月に競技用の車いす「レーサー」を新調し、仕上がりは万全の状態。前方に約3センチ伸ばしたことで、加速の時にレーサーが安定し、生馬選手の武器であるスタートダッシュがより生きる構造になっています。

(生馬知季選手)
「1こぎで伸びる推進力がより高くなったと感じた。沖縄合宿の半ばくらいからマッチングしてきて練習で追い風ではあるが100メートルの自己ベストに近いタイムが連発で出るくらい調子が上がってきた」

車いす陸上の選手は傷がいの種類や度合いでクラス分けされていて生馬選手のクラスはT54。競技人口が多く、日本人選手がパラリンピックの100mでメダルを獲得したことはありません。

そのクラスの日本記録保持者で短距離界のエースである生馬選手には日本人初のメダル獲得に期待がかかります。

(グロップサンセリテ WORLDlAC 松永仁志選手兼監督)
「まじめで努力を惜しまない、そこで持っている選手。実際、生馬選手のクラスでメダルを取ることはものすごくハードルが高いということは分かっているが、まずは決勝に残って、世界トップクラスの、最速のレースを楽しんで1着を取りにいってほしい」

まずはパリパラリンピックの出場権獲得へ、5月17日から日本では初めて開かれる世界パラ陸上選手権でそれぞれの種目で2位以内を目指します。

(生馬知季選手)
「今回、自国開催ということで調整のしやすさ、岡山から近いということもあるのでそのメリットを生かして存分に力を出したい。世界トップ選手に挑んで、そこで勝つ姿を見てもらいたい」

世界パラ陸上には岡山を拠点に練習する車いす陸上の佐藤友祈選手も出場します。生馬選手と佐藤選手、2人の活躍に期待です。