独自取材でニュースを深堀りするコーナー、「シンソウ」。6回目は、その全国植樹祭に向け、要人の警護や県民の安全を守る肝となる「警備」についてです。

全国植樹祭まであと5日。天皇皇后両陛下も臨席され、県の内外から参加する招待者約2000人の規模で開催されます。

1967年以来、57年ぶりの一大行事に向け、岡山県警では要人警護などを強化するため2023年、「警衛対策課」が発足され、警備計画を策定しました。

危機管理に詳しい専門家は・・・

(日本大学危機管理学部 福田充教授)
「天皇陛下がどこに移動されるかが、インターネット上の情報やSNSで事前に流されるようになった。個人が首相や皇室の動線を把握することが可能になった。多様な要因が複雑に絡み合った結果、要人が狙われやすくなる環境が拡大している部分があるので、要人警護はそれに伴い強化される必要がある」

式典会場となる県総合グラウンド内のジップアリーナ岡山では、金属探知機などによる持ち物検査や入場者全員の身分確認を実施。夜間も会場周辺のパトロールを徹底します。

また、25日と26日の2日間にわたって岡山市と倉敷市で大規模な交通規制が行われます。

25日は、午前11時から午後0時半まで岡山空港から県総合グラウンドにかけての周辺道路で、午後2時から5時までは県総合グラウンド周辺で。

式典が行われる26日は、岡山市内では午前10時から主に県総合グラウンド周辺、倉敷市内では倉敷市真備支所周辺などで午後2時半から6時半まで規制されます。

あわせて高速道路は26日に山陽自動車道の上下線、岡山自動車道と瀬戸中央自動車道の上り線で両陛下の車両の通過時間に合わせて流入を制限する区間が設けられます。

福田教授は警備体制を考える上で重要なのは、要人がいる場所だけではないと言います。

(日本大学危機管理学部 福田充教授)
「人々が注目するイベントでテロは起こりやすくなる。その時、必ずしもその当事者(要人)が狙われるとは限らない。鉄道やショッピングモールなど、人が集まる別の場所でもテロなどは起こる可能性がある」

大きなイベントを安全に開催するには市民・県民の協力が欠かせません。

(日本大学危機管理学部 福田充教授)
「公共の場所で不審者、不審物を見た場合は、何かテロ事件と関連しているのかもしれないという市民・県民の心がけも大事になってくる」