アメリカのエマニュエル駐日大使が17日、与那国町を訪れ糸数町長や地元の漁師と面談しました。

エマニュエル大使は対中国を念頭に日米同盟や抑止力の意義を強調しました。

17日午前10時40分ころ、アメリカのエマニュエル駐日大使を乗せたアメリカ軍機一機が、与那国空港に着陸しました。

県によりますと与那国空港をアメリカ軍機が使用するのは記録を取り始めた1997年以降初めてです。

エマニュエル大使はアメリカ軍の幹部らとともに日本最西端の地、西埼の展望台を訪れ、台湾までおよそ110キロの距離にあることなど糸数町長から説明を受けていました。

報道陣の取材に応じたエマニュエル大使は、与那国島の周辺海域で中国漁船が操業している現状について次のように述べました。

▽エマニエル駐日大使:
「中国が与那国島周辺で漁をするのは間違っている。自分たちだけ経済的恩恵を受けて与那国の漁師の操業を許さないのは間違っている」

そのうえで、「安全保障面においては日米間の連携に基づく抑止力が重要である」との考えを強調しました。

エマニュエル大使はその後漁師たちと面会し、沖合での漁の状況などを聞き取りました。

▽地元漁師は:
「我々としては漁に出ているものだから、いつ(ミサイルが)飛んでくるか分からないというのがあって島に色んな形で、色んな方面で協力してもらえるのは良いことではあるしね」

今回の訪問について玉城知事は駐在国の各地を訪問することは大使としての職務の範囲内とする一方、アメリカ軍機の民間空港の使用の自粛を再三要請していたにもかかわらず与那国空港を使用したことは大変遺憾とコメントしています。

一方、与那国町の糸数町長は、「疲れによる体調不良」を理由に報道陣の取材に応じず午後かの公務も取りやめました。