──今回はブルームーンパートナーズの宮城敦さんとお伝えします。

宮城さん
「今回のテーマは『セカンドキャリアを支援、県内企業×アスリート』です」

セカンドキャリアを支援、県内企業×アスリート|アイランドスコープ2024年5月30日放送

華やかなスポーツの世界で活躍するアスリートでも、引退後のキャリア形成に悩むケースが多くあります。そんな中、人材不足の企業とアスリートをマッチングする動きが徐々に広がっています。

沖縄県内の事例について取材しました。

フィールドから不動産まで 二つの世界でプレーする選手

サッカーJFLで今シーズン好位置につけている沖縄SV。

チームの中心的な存在の一人が、J3のガイナーレ鳥取などでプレーし、今シーズン移籍してきた小田垣旋(おだがき・めぐる)選手です。

セカンドキャリアを支援、県内企業×アスリート|アイランドスコープ2024年5月30日放送

小田垣選手
「けっこう走るチームで、強度も高く、毎試合毎試合戦っている印象です」

JFLのチームでは、ほとんどの選手がサッカー以外の時間に働いて収入を得ながらプレーしています。

これまではサッカー一本の生活を送ってきた小田垣選手ですが、今年からは選手としてプレーしながら仕事もこなすデュアルキャリアに取り組んでいます。

小田垣選手
「いろんな方と関われるので、日々すごく勉強になるし、いろんな人と出会って、僕も新しい価値観とかも知ることができて、楽しく過ごしています」

宮城さん
「小田垣選手にはもう一つの顔があるということで、ここファンスタイルさんにやってきました。それではさっそく行ってきます」

小田垣選手
「宮城さま、お待ちしておりました。ファンスタイルの小田垣です。本日はよろしくお願いします」

小田垣選手のもう一つの顔、それはマンションなどの販売を行う不動産会社の営業マンです。

セカンドキャリアを支援、県内企業×アスリート|アイランドスコープ2024年5月30日放送

ファンスタイルは2024年、沖縄SVとのパートナーシップの一環で小田垣選手を社員として受け入れました。

ファンスタイル 新城優衣佳さん
「現役選手を引退した後は、その後の人生設計やセカンドキャリアの構築が重要な課題だと思っていますので、彼らの将来に貢献できたらと思い、今回キャリアサポートパートナーを締結いたしました」

セカンドキャリアを支援、県内企業×アスリート|アイランドスコープ2024年5月30日放送

スポーツチームにスポンサーとして出資する企業が多い中、選手のキャリア支援という形を選んだのには、不動産業界の抱える、ある事情がありました。

ファンスタイル 新城優衣佳さん
「不動産業界における人材不足について、私たちは非常に懸念しています。より細やかな対応ができなかったり、一人ひとりのお客様にかける時間が必然的に減ってしまうというリスクを今抱えています」

沖縄県内の企業として地元のチームを応援したいという想いと慢性的な人材不足の解消、その2つを同時に実現するためのパートナーシップ締結でした。

新人研修中という小田垣選手に、マンションのギャラリーを案内してもらいました。

セカンドキャリアを支援、県内企業×アスリート|アイランドスコープ2024年5月30日放送

小田垣選手
「沖縄では湿気がひどく部屋干しだけだと乾きにくいので、だいたいのお部屋には乾燥機が常備されています」

宮城さん
「これ(天井)も自由にアレンジできるんですか? 」

小田垣選手
「これもオプションで変えることができます」

宮城さん
「僕もスポーツ選手だったのでよくわかるんですけど、業務・仕事に対してすごくマメだなと思いましたし、言葉遣いとかもすごくわかりやすく、丁寧だったと思います」

企業にとってはアスリートの持つ素質を有効活用でき、選手にとっては、引退後を見据えたキャリア形成の場となっています。

小田垣選手
「(アスリートとしては)若手に負けず、もっと上のカテゴリーで長くプレーを続けていけるようにしていくことが目標で、ファンスタイルでの目標は、1億の物件を売ることです」

宮城さん
「1億円の物件?おぉすごい!1億円の物件ってあるんですか?」

小田垣さん
「あります。ぜひ!」

宮城さん
「僕ですか⁉︎わかりました。もうちょっと儲かってから相談に来ますので笑。今日はありがとうございました」

セカンドキャリアを支援、県内企業×アスリート|アイランドスコープ2024年5月30日放送

長期的視点でキャリア形成を アスリート支援の動き

続いてお話を伺ったのは、プロ野球選手から実業家に転身した大嶺祐太さん。

セカンドキャリアを支援、県内企業×アスリート|アイランドスコープ2024年5月30日放送

大嶺祐太さん
「僕はいま飲食を主にやっているんですけど、 お客さんに提供するのが試合っていう形であれば、やっぱり準備を怠るとそれが試合(食事)に全部出てくるなっていうのは、僕自身が野球の中で学んだことでした」

2006年にドラフト1位で千葉ロッテマリーンズに入団し、長年にわたり投手として活躍した大嶺祐太さん。

セカンドキャリアを支援、県内企業×アスリート|アイランドスコープ2024年5月30日放送

2022年に現役を引退し、現在は子ども向けの教室を開いて野球に携わる一方、飲食やアパレル事業を行う実業家としても活躍しています。

大嶺祐太さん
「(引退後に裏方として)チームに入るのも一つの仕事だと思うんですけど、その契約も単年の契約なので それだったらやっぱり5年後、10年後を見据えて、一般社会に出た方が成長できるんじゃないかなと思って」

アスリートは引退後の長い人生を見据えてキャリアを形成していく必要があると話す一方、別の世界に踏み出すには勇気が必要だったといいます。

大嶺祐太さん
「(アスリート)本人たちも外に出たいとか、やりたいとかっていうのは本当にあるとは思うんですけど、それを誰が後押ししてくれるかが重要じゃないかなと思います」

アスリートに、より広い視野を持ってセカンドキャリアを歩んでもらおうという動きが広がっています。

セカンドキャリアを支援、県内企業×アスリート|アイランドスコープ2024年5月30日放送

陸上選手として現在もマスターズの舞台で活躍し、スポーツ指導者のみならず大学の客員教授も務める譜久里武さんは2021年、アスリートの就職支援などを行う会社・沖縄スポーツマネジメントを立ち上げました。

セカンドキャリアを支援、県内企業×アスリート|アイランドスコープ2024年5月30日放送

アスリートを貴重な人材として活かすため、現在は沖縄県内30社ほどの企業とマッチングを行っています。

譜久里武さん
「チーム全体を勝利に導くような雰囲気づくりだったりとか、アスリートの企業メリットをいかにどんどんPRしていくかの仕組みを作っていくのか。そういった人材もどんどん増えていけばいいなと思っています」

今日の一言

──さて宮城さん、今回のテーマから見えてきたことはなんでしょうか。

宮城さん
『可能性の発掘』です。

セカンドキャリアを支援、県内企業×アスリート|アイランドスコープ2024年5月30日放送

スポーツで成功した実績や経験が、次のセカンドキャリアへの新たな挑戦につながり、スポーツへ注いできた熱量が企業にとっては貴重な企業価値になり、それがビジネスマッチにつながる。

そういったアスリートが別の環境で輝けるように、今回のようなニーズマッチが今後もさらに沖縄の経済を活性化させていくことを期待しています。