どぶろっく、下ネタに生き様 賞レースから無縁の人生からKOC王者へ

どぶろっく、下ネタに生き様 賞レースから無縁の人生からKOC王者へ

 「もしかしてだけど〜」ではなくて、本当に取ってしまった。“コント芸日本一”を決める『キングオブコント(KOC)2019』決勝戦が21日、東京・赤坂のTBSで行われ、コンビ結成16年目のどぶろっくが12代目キングに輝いた。自ら「“賑やかし”という肩書きをつけられていて、こういうレースではなかなか優勝まで届かなかった」と明かすなど、王道の賞レースの本命とは無縁で歩み続けてきた2人だったが、この日は総エントリー数2413組の頂点に立った。

 ギターを持って歌う森慎太郎(40)と、帽子被ったコーラスの江口直人(41)からなる歌ネタを中心とした同コンビ。ともに佐賀県基山町の出身で、保育園から大学まですべて同じ学校で、2004年にコンビを結成した。「もしかしてだけど〜」に代表されるように、男の性をテーマにした下ネタをメインに独自路線を突き進んできた。初のKOC決勝の大舞台でも、1stステージ、2ndステージともにオペラ調にサビの部分で堂々と下ネタを歌い上げるネタで爆発的な笑いをもぎ取った。

 ファイナリスト10組中6組が決勝初出場で、2人は最年長。昨年のKOC王者のハナコ、霜降り明星といった“お笑い第7世代”の台頭もめざましい中、不惑の40歳を迎えた2人が優勝を。直後、森が「自分たちのスタイルを思いっきりやったら、たくさんの人に評価されて幸せです」とかみしめるように語ると、涙を流していた江口も下ネタを合わせ“らしさ”を貫いた。

 優勝後に行われた会見では、まるで異国の地に来たような顔で大勢の報道陣を眺める姿が何とも印象的だった。森が「僕らが(ファイナリストの中では)唯一の40代。気づいたら一番年上でした」と話すと、江口が「若い人たちに負けられない。楽屋とかでもめちゃくちゃ気を使われていたんですよね」とにっこり。自分たちの受け答えを客観的に眺めて、森は「全然チャンピオンらしくないでしょう(笑)。ちょっと、自分たちがそういうのを思い込んでいたところがあったんですけど…」と王者となった衝撃を明かした。

 所属事務所の浅井企画は、アットホームな雰囲気があるが、優勝の喜びを伝えたい相手についての話題で、そのことを実感した。森が「決まった瞬間に相方の涙を見て、佐賀の幼なじみ、5歳から。優勝したとき、江口のご家族に伝えたい、そんな気がします」と話すと、江口も「いつもと違うくらい大きな大会。佐賀の幼なじみで組んだコンビなので、基山町で育った仲間たち、家族も含めて言いたい」と同調。森も「ふるさと大使やっているんで、町長にも伝えたいです」と続けた。

 1000万円の使い道については、森が「意外と2人とも倹約家で、もらいタバコをする関係なので、それがなくなるとコンビの関係も変わるかもしれないので、もらいタバコを続ける関係で…」と相方愛をチラリ。江口も「ここまでこれたのも、相方のギターのおかげ。相方にギターを買ってあげたい」と声を弾ませた。

 今回のKOC出場を後押ししたのは、応援コメントを寄せたケンドー・コバヤシの金言だった。「ケンコバさんに以前、ネタ見てもらった時に『いいぞ、いけるかもしれんぞ』といっていただいた」(江口)「下ネタのナンバーワンを決める時に言われました(笑)。『もっと大きな大会でやった方がいいぞ』と。ケンコバさんの言う通り、やってやりました。やりまくりました」(森)。さらに、江口は「相方が今年は出ようと。僕はけっこう拒否りましたよ。でも、なかなか頑なだったので、じゃあいいよ、付き合ってやるよみたいな感じだったんですよ」と語った。

 森は「僕はケンコバさんもそうですし、自分たちのネタをこういう風に言ってもらえるのはないので。これができた時、2人でケラケラ笑ったんです。何このフレーズって(笑)。このネタに関しては自分たちもやっていて楽しかった。自分たちらしいネタだったので、相方を説得しました。歌ネタっていうジャンル。コントっていうジャンルの懐の深さを感じています」と感謝。今回のネタのサビで繰り返されているフレーズについて「子どもにどう説明するか?」との質問が飛ぶと、江口が「真心(笑)。ある意味真心ですからね」と即答。会場が大きな笑いに包まれた。

 「メインストリートじゃない芸人」「裏街道を走ってきた」と語る2人がつかんだ、大舞台での栄冠。審査員を務めたバナナマンの設楽統は、1本目のネタ後の感想で「どぶろっくはやっぱかっこいいなと。コントに生き様が反映されている。ちゃんとひとつのストーリーになっている」と賛辞を送った。優勝会見後、テレビの取材がすぐさま入っていたようで、記者室に戻った直後、となりの部屋から森のギターと江口の大きな美声が轟くと、再び笑いが起こった。“下ネタ王者”どぶろっくは、これからも男の性を歌い続ける。


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