俳優の妻夫木聡が5日、都内で行われたテレビ東京開局60周年特別企画ドラマスペシャル『生きとし生けるもの』(6日 後8:00)記者会見に出席した。

 同作は、人生に悩む医者と余命宣告された患者の2人が「人は何のために生き、何を残すのか」という永遠の問いを求めながら各地をめぐるヒューマンドラマとなっている。

 北川悦吏子氏の作品に出演するのは、『オレンジデイズ』(TBS)以来20年ぶりという妻夫木は「もう20年前だ!」としみじみ。北川氏は「(オレンジデイズ以降も親交があり)ご飯を食べた時は、変わらないと思ったんですけど、完パケを見たら『オレンジデイズ』の時良さと今回の妻夫木の良さは変わっていないんです。だけど、歳を重ねて、大人になった方が、ピュアでやさしい感じの良さが浮き彫りになってくる。歳を重ねた方がその良さが見えることがあるんだなと思いました」とかみしめるように話した。

 これを受けて、妻夫木は「そう思っていただいて光栄です。なかなか若い自分を知っていただいている方と、またお仕事をやるっていうことはないので。ちょっと感慨深かったですね」と話し「北川さんが書く脚本は、裏に隠されたもっともっと大事なこと、言葉にならない何かを確実に書いてくださっている。僕もそれを感じながらお芝居をしていきました。本当に、人間にとって大切なものを書いてくださるので、ワンシーンかみしめて演じさせていただきました」と呼びかけた。

 最後のあいさつで、妻夫木は「僕はこのドラマに参加させてもらって、自分と向き合い、作品と向き合い、命と向き合って、本当にいろんなものを得ることができたと思っています。命がなくなる、死っていうのが、なんとなく何かを失うもののようなイメージが、どこか僕自身あったんですけれども、もしかしたら残される側の人たちは、死っていうものによって生かされていくっていう力になるっていう部分もあるんじゃないかなと、そういう勇気を与えてくれるドラマになっていると思います」と熱弁。

 その上で「本当に小さな幸せが、いっぱい転がっているはずなんですよ。世界中に。でも、僕たちがなんとなく過ごしている中で気づけなくなってきて、そういうものを見つけさせてくれるドラマになっていると思います。本当に幸せがいっぱい詰まったドラマになっていると思うので、少しでも見てくださる方に、そういう幸せのかけらみたいなものが届くといいなと、僕はすごく願っています。ぜひ見てください。よろしくお願いします」と言葉に力を込めていた。

 会見にはそのほか、渡辺謙、原田知世、杉野遥亮、大政絢も出席した。