タレントのゆりやんレトリィバァが映画監督デビューすることが発表された。世界三大映画祭の一つ、「第77回カンヌ国際映画祭」が開催されているフランス・カンヌで現地時間18日に実施された、日本発の映画製作ファンド「K2P Film Fund I(読み:ケーツーピー フィルム ファンド ファースト)」のプレゼンテーションに出席し、「12月にアメリカに引っ越して芸人として活動しようと決めまして、芸人だけでなく世界に映画監督として作品を届けられるように頑張りたい」と、海外進出と映画監督への夢を語った。

 「K2P Film Fund I」は、映画、映像を中心とした事業を展開する「K2 Pictures」(東京都目黒区、代表取締役:紀伊宗之)が組成したファンド。会見で紀伊代表取締役CEOは、「新たな国内外投資家の日本映画産業への参入」、「クリエイターへの利益還元の推進」を掲げ、才能あふれるクリエイターとともに、世界を目指していくことを宣言した。

 次世代の新たな才能の発掘に取り組む第一歩として、ゆりやんの映画監督デビューが決定。日本でコメディアンとして活躍するだけでなく、今年4月にアメリカで開催された世界最大級の音楽フェスティバル「コーチェラ」にサプライズ登場して、大きな注目を集めたゆりやん。会見でも流ちょうな英語で、「ご覧いただいてわかるように、私は国会議員なんです。嘘です。コメディアンなんです。このような場に一緒に立つことができてとてもうれしく思っています」と、ボケをかました。

 ゆりやんは「数年前に、朝のテレビ番組で『映画監督になりたい』と言ったのをたまたま、K2 Picturesの高橋大典プロデューサーが見てくださっていて声をかけてくれました。ずっと抱いていた夢をこんな風に叶えていただけるんだ!と思いそれからいろんなところで言うようにしています(笑)。K2 Picturesには感謝してもしきれませんので、絶対に恩返しできるように頑張ります!!」と、経緯と意気込みを語った。

 K2 Picturesとタッグを組むクリエイターを代表し、会見に同席していた映画監督の三池崇史、西川美和に、「(映画監督として)一番必要なことを教えてください!!」と新人らしく質問を投げかけると、日本映画の最前線で活躍する2人から、エールを込めた貴重なアドバイスが送られた。

 三池監督は「まずは絶対後悔しないように。成功するか、面白いものになるか、やってみないとわからないし、興行的にも映画祭などでも評価されるかはわからない。自分の面白いと思うものを後悔しないように作るのは絶対に必要だと思います」。

 西川監督は「難しい質問ですが、たくさんの人と関わる映画作りは厳しくとも豊かな仕事だと思います。ゆりやんさんの才能だけでなく、多くの人たちの力を借りてチームで作っていくのが大事なことだと思います」。

 ゆりやんは「お二人からの言葉を受けて、クリント・イーストウッドならぬ、ユリント・イーストウッドになります!」と宣言していた。

 会見はカンヌ国際映画祭のメイン会場にほど近い、JWマリオットにて行われ、フランス、アメリカ、イギリス、韓国、ニュージーランド、台湾、イタリア、エストニア、スイス、ドイツ、ポーランド、ハンガリー、フィンランド、中国、ベトナム、マレーシア、カナダ、アラブ首長国連邦、ノルウェーなど、日本を含め20を超える国と地域の映画・メディア関係者が集まり、キャパシティ150人の会場は満席となり、立ち見が出るほどだった。