日本音楽著作権協会(JASRAC)は22日、音楽配信やカラオケ、CMなど、音楽著作物使用料の分配額が多かった著作者を表彰する『2024年(第42回)JASRAC賞』を発表。2023年度の分配額1位の国内作品に贈られる「金賞」は、YOASOBIの「アイドル」が受賞し、同日に都内で贈呈式が行われた。

 昨年、「夜に駆ける」で銀賞を受賞したAyaseが作詞作曲した「アイドル」は、23年4月にテレビアニメ『【推しの子】』オープニング主題歌としてリリースされると、瞬く間に全世界へと支持を広げ、23年6月10日付の米ビルボード・グローバル・チャート「Global Excl. U.S.」では、日本語で歌唱された楽曲として初の首位を獲得。ストリーミング累計再生回数は、史上最速で6億回を突破。リリース後短期間でインタラクティブ配信やカラオケを中心に幅広い分野で利用されるメガヒットとなり、栄えある金賞に輝いた。

 Ayaseは「この度、『アイドル』がJASRAC賞金賞をいただけたとのことで、大変光栄に思います。YOASOBIとしましては近年、いろいろな新しい出会いや活動の変化に恵まれているなと実感しておりますが、なんとかここまで突き進めたのは、間違いなくこの楽曲があったからだなと思っております。たくさんの方に愛していただける楽曲になってくれたこと、本当にうれしく思っております。作曲者冥利に尽きます」とコメントを寄せた。

 そのほか銀賞には、クリエイターユニット・HoneyWorksのメンバー・shitoが作詞作曲した「可愛くてごめん」が受賞。22年8月にリリースされると、ダンス動画が話題となり、SNSを中心にZ世代から爆発的な支持を得た。ストリーミング累計再生回数は1億回、TikTokの総再生は1.5億回を突破。インタラクティブ配信の分配額が2位となったことに加え、カラオケでも多く利用された。

 銅賞は、ロックバンド[Alexandros]のボーカル・ギターの川上洋平が作詞作曲した「閃光」が受賞。21年5月に『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』の主題歌としてリリースされ、広い層から支持を得てストリーミング累計再生回数は1億回を突破。疾走感のあるサウンドが、YouTubeショート動画のBGMとして多用され、インタラクティブ配信の分配額が1位となった。

 国際賞は、高梨康治氏が作曲したテレビ東京のアニメ『ナルト-NARUTO-疾風伝』のBGMが受賞。同アニメ作品は国境を超えて広く人気を得ており、アメリカ、フランス、ドイツをはじめとする世界の38の国と地域から分配があった。世界中での人気ぶりは健在で、5年連続、通算7回目の国際賞受賞となった。

 故・SOL LAKE氏が作詞作曲をした『BITTERSWEET SAMBA』が外国作品賞を受賞した。1965年にトランペット奏者のハーブ・アルパート率いる楽団のアルバム『WHIPPED CREAM & OTHER DELIGHTS』に収録された楽曲だが、日本では67年にスタートしたラジオ番組『オールナイトニッポン』シリーズのテーマ曲としておなじみ。サントリーの『金麦』のCMソングに継続して利用されたことから、初の受賞となった。

■分配額トップ10:国内作品(総合)
1位:アイドル(YOASOBI)
2位:可愛くてごめん(HoneyWorks)
3位:閃光([Alexandros])
4位:天才バカボン(アイドル・フォー)
5位:Subtitle(Official髭男dism)
6位:シンデレラガール(King & Prince)
7位:ミックスナッツ(Official髭男dism)
8位:ワンピース BGM
9位:元気を出して(竹内まりや)
10位:夜に駆ける(YOASOBI)