フランスで開催中の「第77回カンヌ国際映画祭」で現地時間20日、「ある視点」部門に選出された『ぼくのお日さま』の奥山大史(おくやま・ひろし)監督、キャストの池松壮亮、越山敬達、中西希亜良らが、海の光も眩しい<パレ>で行われたフォトコールに参加した。

 約8分間のスタンディングオベーションで称えられた前夜の公式上映でのタキシード姿から一転、カジュアルな装いでフォトコールに参加した一行。カンヌの清々しい青空をバックに、エルメスのグレイッシュな半袖シャツとカジュアルシックなカーキパンツに身を包んだ奥山監督。

 池松もエルメスの濃いグレイの長袖ポロシャツにブラックのタック入りパンツを着用し、腕にはエレガントなレザーベルトのカルティエの時計をしていた。

 越山の真っ白なシャツ風のつなぎというユニークでフレッシュな装いはヴァレンティのもの。中西は柔かな素材にドットがプリントされたワンショルダーのワンピースで登場した。ポーズを求める大勢のメディアからの掛け声に応じながら、4人で肩を組むなど、リラックスした雰囲気で映画祭を満喫している様子だった。

 今年のカンヌ国際映画祭で、最優秀作品賞、審査員賞、監督賞などの賞の対象となる部門に、日本作品として唯一の選出となった『ぼくのお日さま』は、田舎町のスケートリンクを舞台に、吃音のあるアイスホッケーが苦手な少年タクヤ(越山)と、選手の夢を諦めたスケートのコーチ荒川(池松)、コーチに憧れるスケート少女さくら(中西)の3人の視点で描く、雪が降りはじめてから雪がとけるまでの、淡くて切ない小さな恋の物語。監督の奥山が、撮影、脚本、編集も手がけている。

 「ある視点」部門ではこれまで、黒沢清監督が2008年に『トウキョウソナタ』で審査員賞、15年に『岸辺の旅』で監督賞を、16年に深田晃司監督が『淵に立つ』で審査員賞を受賞。同部門で最優秀作品賞を受賞すると日本史上初の快挙となる。「ある視点」部門の授賞式は、現地時間24日に行われる。