年齢を重ねるとともに増す肌の悩み。中でも美肌を目指す人の大敵といえるのが「シミ」。作らないためにはどうしたらいいのか、また、できてしまったときの対処法は? 皮膚科専門医の圓山尚先生(クリニックフォア新橋院院長)に、シミにまつわる気になるアレコレについて、聞きました。

■肌を叩いて化粧水を浸みこませる? シミに影響する肌への刺激

――まず、シミはどうしてできるのか教えてください。

 「紫外線によって、肌の中にあるメラノサイトという細胞が活性化し、シミの材料となるメラニンを作り出すことが原因です。紫外線を浴びると日焼けで肌が黒くなりますが、それは、細胞がこれ以上のダメージを受けないようにするためのメラニンによる防御反応です。本来は、その後、肌のターンオーバーが繰り返されることによってメラニンは排出され、肌は元の色に戻ります」

――戻らない場合も…。

 「そうですね。加齢による肌代謝の低下や、過剰に紫外線を浴びることがあると、ターンオーバーではメラニンが十分に排出されず、肌に残ってしまいます。そこに紫外線が当たると、メラニンが色素沈着を起こし、シミとなってしまうのです。また、今はこすり過ぎないスキンケアが盛んに推奨されていますが、摩擦による刺激や虫刺され、やけど、怪我などのダメージも、シミや色素の増加につながります。

――では、シミを作らないためにはどうしたらいいのでしょう?

 「まず、日焼け止めなどで紫外線対策をしっかり行うことです。日頃のスキンケアに関しては、先にも言ったとおり、肌をこすり過ぎるのは禁物。化粧水を浸みこませるために肌を叩く人もいますが、それも刺激になるので避けてください。水分は乾燥しているほうに勝手に移動しますから、手のひらで肌に乗せるようにするだけで十分です。化粧水については、『コットンを使うのと手に取るのと、どちらがいいか』と聞かれることも多いのですが、叩かなければどちらでもかまいません。ただ、コットンを使った場合、コットンに沁み込んだ分の化粧水が無駄になってしまうので、ちょっともったいないかなと個人的には思います」

――では、できてしまったシミに対するケア方法はありますか?

 「通販サイト等でも手に入るハイドロキノンは一番強力な美白剤で、できてしまったシミに対して効果があります。ただ、刺激があったり、強すぎて白斑(肌の色が白く色抜けすること)が現れてしまう場合もあるので、注意が必要。ドラッグストアなどで市販されていないのは、その理由もあると思います」

――ドラッグストアなどでは“シミ対策”を謳う商品もありますが、多くは“予防”。できてしまったシミをどうにかする薬もありますか?

 「シミ対策の塗り薬として、ハイドロキノンとトレチノインの成分が含有されているものがあります。ただ、市販できる薬の成分は配合量に限度が設けられているため、医薬品よりは効果が薄くなります。シミをなくすのではなく、予防やできてしまったシミを薄くする程度の効果と考えたほうがいいでしょう。また、飲み薬としては、トラネキサム酸やL-システイン、ビタミンE、ビタミンCが含有されたものがドラッグストアなどで市販されていますが、こちらも効果は塗り薬と同様です」

■美肌の味方・ビタミンCは?「できたシミを壊すほどの作用はありません」

――ビタミンCはシミに効くと効きますが、塗るのと飲むのとどちらが効果的ですか?

 「どちらにも言えることですが、ビタミンCは予防にはなりますが、できたシミを壊すほどの作用はありません。シミは、まず材料となるメラニンの元を作り、その後に薄いメラニンになり、最後に濃いメラニンになって完成します。ビタミンCは、濃いメラニンを前段階の薄いメラニン戻す程度。基本的には予防と考え、できたシミを薄くできれば上出来くらいにとらえていただいたほうがいいと思います」

――なるほど。では、シミを放置すると皮膚がんになる…なんてことはあるのでしょうか?

 「基本的にはありません。ただ、紫外線を浴び続けていると、皮膚がんになる可能性はあります」

――市販の化粧品や薬で改善が見られない場合、シミの治療法にはどんなものがありますか?

 「シミをすぐにきれいに取りたいという方は、美容皮膚科でのレーザー治療がおすすめです。美容皮膚科では他に、肌のターンオーバーを促進させる内服薬の処方も行っています。もし、皮膚がんの心配など何らかの病気が疑われるときは、まずは皮膚科を受診してください」

【監修】
圓山 尚(えんやまたかし)
クリニックフォア新橋院院長。金沢医科大学医学部卒業後、日本医科大学附属病院皮膚科に入局し皮膚科・皮膚外科・レーザーを中心とした診療を行う。その後、湘南美容クリニックでの勤務を経て、2019年にクリニックフォア新橋院を開院。