鼻の中がムズムズ、ヒリヒリ……。そんな症状があれば「ドライノーズ」かもしれません。鼻の粘膜が乾燥するドライノーズは更年期の女性に多いといわれています。ドライノーズになるとバリア機能が低下し、感染症にかかりやすくなることも。気づきにくいドライノーズの症状や原因、対策をご紹介します。

鼻の中が乾燥する「ドライノーズ」とは

ドライノーズとは鼻の粘膜が乾燥した状態のことです。鼻・のどから肺にいたる気道の内壁は、粘膜と「線毛」に覆われています。線毛はごく小さな細胞で、1秒間に15〜17回程度の速さで小刻みに動いており、これを繊毛運動といいます。この線毛の動きによって、鼻や口から吸い込んだ空気に含まれるほこりやウイルス、細菌などの異物が体内へ侵入するのを防いでいます。

しかし、鼻の粘膜が乾燥すると線毛の機能が低下して異物が侵入しやすくなり、感染症やアレルギーを引き起こしやすくなります。

こんな症状があればドライノーズかも

次のような症状があればドライノーズの可能性があります。なんとなく鼻の不調があってもあまり気にしない人は多いですが、症状があるときは早めのケアを心がけたいですね。
 ●鼻の中がムズムズする
 ●鼻を何度もかみたくなる
 ●鼻の中がヒリヒリする
 ●鼻血がよく出る

ドライノーズの原因

空気の乾燥

線毛は乾燥に弱く、湿度が低いと線毛の機能が低下することが知られています。空気が乾燥する冬や、エアコンなどの空調設備を使用する室内では、鼻が十分に加湿できず線毛のはたらきが低下します。冬に風邪やインフルエンザが流行するのは線毛の機能の低下が一因といわれています。

女性ホルモンの減少

女性ホルモンのエストロゲンには皮膚や粘膜のうるおいを保つはたらきがあります。更年期になりエストロゲンの分泌が減少すると、皮膚や粘膜が乾燥しやすくなります。

それに伴い、更年期はドライノーズだけでなく、肌の乾燥やドライマウス、ドライアイ、膣の乾燥も起こりやすくなります。これらを総称して「ドライシンドローム(乾燥症候群)」といいます。なお、女性の更年期は閉経を挟む前後10年間で、一般的に45歳〜55歳頃までです。

ストレス

粘液やだ液などの分泌物は「外分泌線」という器官でつくられており、外分泌線は自律神経によって調整されています。自律神経とは自分の意思とは関係なくはたらく神経で、心身の健康を保つ役割をしています。自律神経はストレスの影響を受けやすく、ストレスで自律神経が乱れると外分泌線の機能が低下し、ドライノーズを招きやすくなると考えられます。

早めにケアしたい5つの対策

マスクや加湿器で保湿する

線毛運動を正常に保つために、空気が乾燥しているときはマスクを着用したり、加湿器を使用したりして保湿を心がけましょう。

こまめに水分をとる

線毛の機能を維持するためにはこまめに水分をとり、粘膜をうるおしてからだの水分量を保つことも大切。寒い冬は水分補給を怠りがちですが、意識して水分をとりましょう。

栄養バランスのよい食事をとる

健康な体づくりには食事で十分な栄養をとることが必要です。五大栄養素といわれるたんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルをバランスよく食べましょう。中でもビタミンAは皮膚や粘膜を正常に保つはたらきがあります。ビタミンAはレバーや緑黄色野菜などに含まれています。

ドライノーズ用スプレーを使う

市販で購入できるものとして、ドライノーズ対策用のスプレーも販売されています。鼻の中に直接スプレーして鼻腔内の乾燥を防ぎます。市販品を使うときは使用方法や注意点をよく読み、正しく使いましょう。

つらいときは早めに病院へ

鼻の乾燥を含め、ドライシンドローム(乾燥症候群)は病気が原因で起こることもあります。女性に多い病気として「シェーグレン症候群」という自己免疫疾患があります。セルフケアでよくならないときや症状がつらいときは、自己判断せず早めに医療機関を受診しましょう。

(まとめ)
鼻の乾燥は肌やのどの乾燥と比べて自覚しにくいものですが、バリア機能を低下させないためにも、早めの対策をしてうるおいを保ちましょう。


監修
続木康伸

医療法人社団蓮桜会理事長、アルバアレルギークリニック (北海道札幌市)院長。
岩手医科大学卒業、医師と歯科医師のダブルライセンスを持つ。
著書に「保湿を変えればアトピーは治せる」(学研)。メディア出演も多数。

構成・文/大人のおしゃれ手帖編集部 画像協力/PIXTA
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