ドラマ、映画、舞台、CMなどで活躍を続ける俳優・鶴田真由さんには、もうひとつ、「写真を撮る」という、アーティストとしての顏があります。5月21日から、写真展「KATARIBE-flower prayers-」を開催している鶴田さんにお話を伺いました。

写真を撮り始めたのは20代

写真展に展示されている作品から

20代後半から、旅をきっかけに写真を撮り始めたという鶴田さん。

「そこに住んでいる人々や生活、景色などを被写体にしていました。そして、2018年からは今回の展覧会に続く『KATARIBE』と称した花の写真を撮っています。日本人は虫や鳥の鳴き声を言語脳である左脳で受け止めることができると聞いたことがあります。だとしたら、地球上の生きとし生けるものたちの声に耳を澄ませ、その声を聞き、想像し、語り合いたいと思いました。そうやって写真を撮り始めると、ひとつひとつの花にはそれぞれのキャラクターがあることに気がついてきました。形状はもちろん、咲き方、散り方、香りなど……そこに『語り』があるのです」

今回の写真展のタイトルでもある「語り部(KATARIBE)」には、そんな森羅万象の“声”に耳を傾け、その“声”を伝えたいという思いを込めているのだとか。

花に秘められた「自然の摂理」と「宇宙の秘密」を感じて

写真展では、鶴田さんが撮影した、まるで息遣いが聞こえてきそうな、鮮烈で優しく、美しい花の写真が並びます。

「ファインダーを通して花を見てみると、普段では気づかないことに気づくことがあります。一枚一枚の花びらの美しさや、雄蕊・雌蕊(おしべ・めしべ)、萼(がく)の美しさ。そして、そこから感じる自然の神秘などです。その中には「自然の摂理」と「宇宙の秘密」が隠されているようです。花との境界線をなるべくなくして、そこに共振し、こっそりと撮影をさせていただきました。みなさまにその秘められた声が届きますように。ぜひ見にいらしてください」

鶴田さんが映しだす花々の語りをぜひ、見に、聞きに訪れてみて。


鶴田真由 写真展「KATARIBE-flower prayers-」

開催期間
2024521日(火)〜31日(金)
平日:10:0020:00 週末:10:0018:00 ※最終日:10:0015:00
入場無料

 ■場所
ドイツ文化会館 1階ロビー (東京都港区赤坂7-5-56)

 ■主催
公益社団法人オーアーゲー・ドイツ東洋文化研究会(OAG

写真展特設サイト
https://oag.jp/events/ausstellung-von-tsuruta-mayu-kataribe-flower-prayers/


PROFILE:鶴田真由さん

1988年俳優デビュー。その後、ドラマ、映画、舞台、CMと幅広く活動。凛とした力強さとしなやかさを併せ持つ演技で注目され、1996年には『きけ、わだつみの声』で日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞。近年は、ドラマ『個人差あります』『らんまん』『自転しながら公転する』、映画『ノイズ』『やがて海へと届く』『かぞく』など話題作に出演。2017年ニコンプラザTHE GALLERYにて、カメラマン小林紀晴氏とのコラボ写真展『Silence of India』を開催、同時に同タイトルの写真集を発刊(赤々舎)。これ以後発表の場が増え、2018年には個展『KATARIBE』、同年茅野市美術館にて写真展『Silence of India』を開催。