新生活シーズン、部屋の中もすっきり片づけて快適なスタートを切りたくありませんか?
今あるものを捨てなくても、ちょっとした工夫で生活しやすくする片付け術をご紹介します。

教えていただいたのは・・・
整理収納アドバイザー
すはらひろこさん
片づくおうちプランナー、アピタ・クエスト代表。一級建築士、インテリアコーディネーターの資格を持つ。『1カ月でスッキリ!すはら式捨て方』(TJMOOK)ほか、著書多数。


「捨てない片づけ」の成功の鍵は下準備!

「片づけ、と聞くと物を捨てなきゃ! と焦ったり、罪悪感を持つ人もいるでしょう。でも無理に物は捨てなくて良いんです」。と、整理アドバイザーのすはらひろこさん。

散らかっていて問題なのは、家事がしにくくなり、部屋が乱雑に見えるから。
それが解消できれば、物の量が同じでも問題ありません。

「暮らしづらいのは、家のどこが問題点か突き止めて。そこを整理するだけでも、快適さが変わるはずです。部屋の中の写真を撮ったり、ノートに1日の行動を書き起こしてみたり、客観的な改善ポイントを見つけ出すのが近道です」。

さらに残った物との付き合い方も変化するのが捨てない片づけのメリットとすはらさん。

「物をしまったら終わり、ではなく使いたいときにサッと手に取れることが快適な暮らしの条件。捨てないことで、その改善ポイントが明確になり、物との付き合い方も変化するはずです」。

「捨てない片づけ」を成功させる5つの極意

極意1. 「片づけ」と「収納」は別と心得て!

物を選び、活用できる状態にすることを「片付け」、物を定位置に収めることが「収納」です。
「片付けは一気にできますが、その後どう収納するかは、暮らしにあわせてコツコツとするのが鉄則です」。

「収納」は日々コツコツと
収納方法は暮らし方に合わせて改善し、使い勝手が悪い部分は、修正を重ねていきましょう。

「片づけ」は一気に!
片づけは一気にやるのが◎。捨てないとはいえ、ある程度の要不要の判断は必須です。

極意2. 並べ方次第で空間は生み出せる!

捨てたくないけれど、ものがあふれている。
そんな時は、まず高さを「そろえる」。
そして、そろえてできたすき間に、「詰める」こと。
たったこれだけで、物量は変わらなくても片付いて見える効果があります。

極意3. 「捨てない」なら 物の指定席=ラベリングは必須

文房具や衛生用品など、家族で使っているものは戻す場所が誰から見てもわかるようにしましょう。
定位置がわからないと、せっかく片づけてもリバウンドします。
わかりやすい文字で、ラベリングするのがおすすめ。

極意4. 100均や空き箱で「一次置きグッズ」をそろえる

片付けの最中は、いったんものを仮置きして、位置や分量が適正かを考えます。
そのときは、新しい収納グッズは買わず、空き箱や使わないトートバッグなどの活用を。
収納グッズが必要な場合は100円ショップを利用して。

極意5. 収納アイテムは片づけ中に買い足さない

片付けを始めるタイミングで、すっきり見せるために収納グッズを買い足したくなりますが、それはNG。
ものの総量が定まらないタイミングで買い足してしまうと、さらに物が増える悪循環に陥るのでぐっとこらえて。

まずは片づける場所を決めましょう

部屋の写真を撮ったりノートに書き出して散らかる場所を明確に

片づけたいけれど、どこから手を付けたらいいかわからない。
そんな時は、1日の行動を振り返ってノートに記してみると、どこに不便を感じているか可視化できます。
また写真を撮ったり、家のなかでイライラした瞬間に付箋に書き留める、といった方法も◎。

● ストールや衣服が出しっぱなし
● バラバラに置いてあるリモコン
● 床に直置きしてある
● とりあえず置いてある書類の山
● 家族のやりっぱなしの荷物

【写真を撮って問題点を見つける】

部屋の中の配置は、見慣れるとそれが当たり前になってしまうもの。
写真になると、どの場所が乱れているのか客観的にわかります。
収納からものが飛び出ている、ぎゅうぎゅうに詰まっている、パッケージがごちゃごちゃしている、など乱雑な部分を見つけて修正して。

【ノートに書き出して問題点を見つける】

1日の行動を思い出しながら記入。散らかる場所、散らかる理由を書いて分析を。
気付いたことや気持ちは色ペンで書くといいでしょう。同じような場所や理由が多いのなら、そこが真っ先に改善すべき場所です。

付箋に書き出してもOK!

ノートに書きだすのが面倒なら、付箋を持ち歩いてその気づいたことから書いていってもOK。
場所別にまとめるとより分かりやすくなります。


撮影/かくたみほ 文/田中絵真 イラスト/山﨑美帆

※大人のおしゃれ手帖2024年5月号から抜粋
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