専門家に聞いた!作り置き料理を安全に保存する方法皆さんは作り置きの料理をどのように保存しているだろうか。鍋に入れたまま、コンロの上に置きっぱなしにする人もいるだろう。「教えて!goo」にも「彼女が鍋に入れたまま放置した料理を食べても大丈夫ですか?」と質問が寄せられていた。火を入れて作った料理は、衛生上どのくらい常温保存できるのか。気温が上昇する季節に備え、知っておきたい。そこで食中毒のリスクを軽減する保存方法について、作り置きレシピで人気の料理家スガさんに話を聞いた。

■鍋のままコンロの上で保存はNG?

短時間であれば、料理を鍋に入れたままコンロの上で保存しても問題ないだろうか。

「結論から言うとNGです。たとえ毎度、加熱していてもおすすめしません。作ってから2時間以内に、よくかき混ぜながら急冷して粗熱を取りましょう。その後、冷蔵または冷凍で保存してください」(スガさん)

スガさんいわく、最も注意が必要なのは食中毒を引き起こす「ウエルシュ菌」だそうだ。

「熱に弱い細菌の場合は、75℃以上の加熱を1分続けると死滅するケースがほとんどです。一方『ウエルシュ菌』は熱に強い細菌です。20〜50℃の環境で繁殖し、100℃の加熱を6時間続けても死滅しません。酸素を嫌う性質があるので、粘性の高いカレーやシチュー、具だくさんの煮込み料理、スープなどに多く繁殖します」(スガさん)

たくさんの量をまとめて作ることが多い煮込み料理。それゆえ一度に大勢の食中毒患者が出ることがあり、『給食病』とも呼ばれているという。予防策はあるのだろうか。

「ウエルシュ菌の繁殖は10℃以下で抑えられます。煮込み料理やスープを作ったら、できるだけ早く急冷し冷蔵庫で保存しましょう。急冷する際は、料理を清潔な保存容器に移し替えてから、水を張ったシンクやボウルなどに入れてかき混ぜながら冷まします。4〜8人分程度なら、15分ほどで粗熱が取れますよ」(スガさん)

急冷せず冷蔵庫に入れると、庫内の温度が上がり他の食材が傷んでしまうことがあるため注意が必要だ。鍋のままでの保存もおすすめできないとか。

「鍋の素材によっては、鍋や食品が傷む場合があります。ウエルシュ菌は再加熱の際も増殖します。料理は小分けにして保存し、食べる分だけ加熱することをおすすめします。保存容器は、アルコールや煮沸などでしっかりと消毒してから使ってください」(スガさん)

作り置き料理や残り物は、しっかり冷ましてから衛生的な保存容器に小分けし、冷凍、冷蔵保存しよう。

■保存料理を食べる際の注意点

保存しておいた料理を食べる際は、どのようなことに注意すべきか。

「熱に弱い菌は、75℃以上、1分以上の加熱で死滅します。必ずよく加熱してから食べましょう。よく『少し温める程度で大丈夫』と誤解されますが、食材の中心が75℃以上に達してから1分以上の加熱が必要です。しっかりと全体を沸騰させ、具材の中心まで温まるよう十分に加熱してください」(スガさん)

「5月以降は湿度や温度が上がるため、特に注意して欲しい」とスガさん。

「食中毒は、原因となる細菌やウイルスが食べ物に付き、体の中へ侵入することによって発生します。食中毒を防ぐためには、菌を食べ物に『つけない』、ついてしまった菌を『増やさない』、『やっつける』という3点が原則です」(スガさん)

その3原則を守るために、すぐ実践できることをアドバイスしてもらった。

「基本的なことですが、調理前は手をきれいに洗いましょう。手首や親指の付け根、爪の間などは洗い残しが多いので、しっかりと洗います。調理中、肉や魚、卵を触った、トイレに行った、急な雨で洗濯物を取り込んだなどがあれば、必ず再度手を洗い調理に戻りましょう。冷凍保存してある食材は使う分だけ解凍し、すぐに調理するのがおすすめです。使わなかった分を再冷凍すると、食中毒菌が繁殖します」(スガさん)

日頃何気なくやっている常温保存や鍋のままの保存が、恐ろしい食中毒を引き起こす可能性があることがわかった。今日から今回教わった方法を実践し、安心して作り置き料理を楽しみたい。

●専門家プロフィール:スガ(週末の作り置きレシピ)
会社員兼料理家。子育てと激務で息つく間もなかった頃に始めた、「週末作って平日食べる作り置き生活」のレシピをWebサイトに掲載。レシピを紹介するだけではなく、写真つきで調理のコツを丁寧に解説している。

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)