雪と一緒に車までぶっ飛ばすDE15のジオラマ(B作さん提供)

 毎年深い雪に包まれる土地の鉄道にとって、欠かせないのが除排雪作業。線路を埋めるように降り積もった雪を取り除く除雪車両は、独特のスタイルで鉄道ファンを魅了します。

 鉄道模型を楽しむB作さんは、雪を線路の左右に押しのけるラッセル車をモチーフにしたジオラマ写真をツイッターに投稿。あまりの力強さに、雪だけでなく車まで吹き飛ばされています。

 普段から省スペースのNゲージジオラマを作っているというB作さん。今回のジオラマ写真は、1902年に北海道の旭川で観測史上最低気温(摂氏マイナス41度)を記録した「日本最低気温の日」に合わせ、旭川から北へ延びる宗谷本線の排雪列車、通称「宗谷ラッセル」をイメージしたものです。

 省スペースレイアウトはカーブがきつくなりがちで、全長の長い車両では走行が難しくなります。そういったこともあり、B作さんはたびたび鉄道車両の全長を短くデフォルメした「Bトレインショーティー」を活用しているといいます。

 今回も、メインとなる機関車はBトレインショーティーを使用。宗谷本線で活躍する除雪用ラッセル機関車はDE15形ですが、これは商品化されていないので開発のベースとなったDE10形を使い、前後に通常サイズNゲージモデルのDE15形用ラッセルヘッドを取り付けています。

 前方の雪をかき込み、遠くへ飛ばすロータリー式除雪車と違い、雪を左右に押しのけるラッセル車の場合、除排雪には積もった雪に負けない運動エネルギー、つまりはスピードが必要。このため、ラッセル式の除排雪列車は駅や市街地周辺を除き、ある程度以上の速度で雪を力強くはね飛ばしていき、雪煙が豪快な印象を与えます。

迫力ある雪煙を綿で表現(B作さん提供)

 B作さんはその雪煙を綿で再現し、スローシャッターで流し撮りしたような効果のジオラマ用背景紙を使い、スピード感を演出。雪をはね飛ばすDE15の迫力がよく出ています。

 勢いあまって、隣接する道路を走るバキュームカーまで吹き飛ばされているのは「たまたまバキュームカーのプラモデルを組み上げたので、悪ふざけで絡ませてみました(笑)」とのこと。しかしアメリカやカナダでは、時速100km近い速度で雪を力強く“ぶっ飛ばす”列車が冬の名物なので、あながちフィクションとはいえないかも……?

雪と一緒にぶっ飛ばされるバキュームカー(B作さん提供)

 今回、宗谷本線DE15のジオラマ写真を投稿したことについて、B作さんは「私は四国人なのでDE15は見たことがなく、無骨でかっこいいと感じているだけです。ですが旧型なため、遠からず引退が迫っていると感じているので、最後の活躍を応援しているものです」と語ってくれました。

 現在は作業機械による除排雪が増え、専用のダイヤや乗務員割を組まねばならない排雪列車は数を減らしており、2022年現在の定期排雪列車は宗谷本線のみ。それにともない、老朽化した除雪用機関車も引退・廃車が続き、DE15もJRグループでは北海道にしか残っていません。

 かつては雪国の名物だった除雪用機関車は、そう遠くない未来に模型だけの存在となってしまいそう。せめて鉄道模型のレイアウト上だけでも、車までぶっ飛ばすようなパワフルさを表現し続けたいものですね。

<記事化協力>
B作さん(@Btoretsukuru)

(咲村珠樹)