「お見合い相手も『合わせ鏡』でしょうか」と題する女性からの投稿が、掲示板サイト「発言小町」に寄せられました。結婚相談所を通じて1年間、婚活に取り組み、先日退会をしたという33歳のトピ主さん。お見合い相手の見た目や条件面は事前に把握できましたが、実際に会うと「モラハラ気質で、失礼な対応の人」が多かったそう。こうした男性たちは自分が引き寄せているのでしょうか、と問いかけています。

投稿には、トピ主さんが会ってがっかりした相手の詳細についても紹介されています。「店員さんに対して態度が横暴」、「遅刻しても謝らない」、「話の内容が全て自慢話」、「見合いの席で友人や同僚の悪口を言う」、「女性を下に見た発言が多い」、「清潔感がない(肩にフケが大量にのっている)」……等々。

婚活では「自分を選んでくれた人の中から選ぶ」が鉄則なのはわかっているものの、「あなたにふさわしいのは、同レベルのその人たち」と言われても、人として尊敬できなかったので「じゃあもう結婚は諦めよう」と思った、と相談所を退会した経緯もつづられています。

今回はまず、「事実」と「事実ではないこと」を分類する作業に取り組んでみることをお勧めします。

トピ主さんは「婚活のお見合いでがっかりすることが多かった」という事実から、「お見合い相手は、自分の合わせ鏡(同レベル、似た者同士)なのか」といった考えに発展させています。しかし、これらはあくまでトピ主さんが考えたことで、事実ではありません。あくまで自分の脳内だけで見えている世界なのだ、という点に注目してみてください。

それに、お見合いをした相手の中には「印象の良い男性もいた」とのこと。つまり、トピ主さんがいいなと思う人ともマッチングはしていた、ということですよね。

トピ主さんがいいなと思った相手には、お見合いの後もしくは1回目のデートで断られ、逆にトピ主さんが断った相手からは高確率で再会の希望がきたとのことですが、これも「いいなと思った相手との関係が発展しなかった」という世の中の多くの人が経験している事実があるだけです。トピ主さんが「ハイスペックな男性からお見合い希望が殺到している知人女性」のように、明るく活発ではないから2回目のデートにつながらなかった……といったことは、想像の域を出ないことです。

今回のトピ主さんの結婚相談所での出来事を総括するならば、「人生のパートナーになりうる相手に、1年間の婚活では出会えなかった」ということで、それ以上でも以下でもないと捉えてみてください。相手がどんなに良い人でも、すてきな人でも、心がひかれないということは、異性間ではよくあることで、振り返りをするにしても「自然体の自分で向き合えたか」「人としておかしな対応はしていないか」くらいで止めてよいように思います。

婚活を通じて、「結婚は自分の人生に必要ない」と気付いたならば、それも有意義な経験だったと言えるでしょうし、まだ恋愛や結婚をしたい気持ちがあるならば、「そもそも私自身が家庭を持つべき人間じゃないのかも」という発想にまで飛躍させる必要はないのでは?ということを、ぜひ考えてみてほしいなと思いました。

その後の投稿には、トピ主さんは他の女性のように「合コンのさしすせそ(『さすがですね〜』『知らなかった〜』『すっご〜い』『センスある〜』『そうなんですか〜』など)」が自然に言えない、といったこともつづられています。こうした言葉を使ってみたい気持ちがあるなら試してみるといいと思いますが、「言わないと、どうせ選ばれないんでしょ」という気持ちで使うと、こびているような自分に嫌悪感が湧き、男性に会うのが今まで以上に嫌になってしまう気がします。

結果につながらなかった理由を知りたい気持ちはわかりますが、マッチング成功や恋愛成就は偶然やタイミングも大きく左右する「くじ」のようなもの、と捉えてみるのは一案かと思います。

トピ主さんはA賞の景品(いいなと思う男性との結婚)が欲しくて、1年の間、何度か懸賞に応募してみたけれど当たらず、興味のなかったB賞の景品(いいなと思わない男性との結婚)を勧められた。しかし、トピ主さんは「B賞の景品は私には必要ない」という選択をした、ということですよね。

結婚相談所のカウンセラーは「B賞の景品でも、そのうち心境に変化が出てくるかもしれませんよ」と考えてアドバイスしたのかもしれませんが、トピ主さんは自分が欲しいもの・必要なものと、そうでないものが明確だったわけで、自分として正しい決断をした、と捉えていいのではないでしょうか。

正しい決断をしたと思えないのは“成果”が手に入っていないからだと推測しますが、トピ主さんのゴールは「誰でもいいから相手を見つける」ではなく、「いいなと思い合える相手を見つける」なのですよね? そうであれば、やはり自分の目的に対して正しい決断をした、という解釈をしてもいいように思いました。

トピ主さんは、自身を性格が悪いと思っているとのこと。「嫉妬深く、他人の幸せが喜べず、不平不満が多く、他人と自分を比べてばかり」とのことですが、今ここにいるトピ主さんは、永遠にこのトピ主さんのまま、とは限りません。そういう自分の心を変えたいと思うならば、ネガティブな思い込みにばかり焦点を当てないスキルを鍛えていくことは十分に可能です。

また、「トーク力が低い自覚がある」、「男性と世間話をする際は話題が広げられず、ぎこちなくなる」といった記述を見るに、「異性と話すのに不慣れで、自然なコミュニケーションができない」ということが、トピ主さんの婚活の最大のネックになっているのかもしれません。まずは知り合いや友人レベルで異性との交流を増やし、段階的にこの点を克服していくことが、「いいなと思い合える男性に出会う」という未来への可能性を広げてくれるように思いました。応援しています。(フリーライター 外山ゆひら)