丈夫で壊れにくい「耐風傘」が人気を集めている。強度を追求するだけでなく軽さやデザイン性にも気を配るなど選択の幅が広がっている。

東京都目黒区の傘専門店「Waterfront JIYUGAOKA/TOKYO」では、耐風傘を多数取りそろえている。同店の運営会社社員で、傘の機能や魅力を伝える「傘ソムリエ」として活動する土屋博勇喜さんは「急変する天候に備え、注目が集まっている」と話す。

強度の高い傘の一つが「富山サンダー20本骨」(6490円)。風速20メートルの耐風実験でも壊れなかったという。商品名の通り傘布に沿って延びる親骨が20本ある。軽くてしなやかな繊維強化プラスチックを用い、親骨を支える受け骨を板状にするなどの工夫で、強風でも折れない。「骨の本数を増やしつつ、軽さとたたんだ時のスリムさを損なわないように設計されています」と土屋さん。

 よりスリムな16本骨や折りたたみタイプ、紫外線カットや遮光加工が施されたタイプもある。

ホームセンターのDCMも親骨の構造を工夫した「DCM 紳士耐風傘」を5月から販売している。強風で傘が裏返っても、いったん閉じると元に戻る。価格は1408円で色は黒、紺、カーキの3色。広報担当者は「通常の紳士傘よりも大型に設計してあるので、風を伴う雨でもぬれにくい」と話す。

イオンはプライベートブランド「トップバリュ」で「HITOFURI 風に強い長傘」を販売。グラスファイバー製の骨を採用し、強力はっ水の傘布を使っている。婦人用(60センチ)が3278円、紳士用(70センチ)が3938円。

10年ほど前から耐風傘を扱う松屋銀座(東京都中央区)では、デザイン性の高い柄を採用した商品が増えている。婦人傘では約15種類、紳士傘では約25種類取りそろえており、価格は5500円〜。担当者は「様々なメーカーが新商品を打ち出している。実際に手に取って使い勝手を確認してほしい」と話している。

風向きに応じて傘のさし方を工夫すれば体がぬれにくくなる。「傘ソムリエ」の土屋さんによると、追い風の時は傘を少し後ろに倒すとよい。傘を右手で持つ場合は中棒を左肩に、左手で持つ場合は右肩にクロスさせると、体が傘に収まりぬれにくくなる。向かい風の場合は傘を前方に倒し気味にするが、視界が悪くなるのでこまめに前方を確認するよう心がける。

突風で傘が飛ばされる危険にも留意したい。片手で通常の持ち手を握り、もう一方の手で受け骨の根元あたりを握ると安定する。

壊れにくい耐風傘は長く愛用できるのも利点の一つだ。手入れはどのようにしたらよいだろう。

松屋銀座の婦人傘担当で「アンブレラ・マスター」の国分千華子さんは「直射日光で乾かすと布が傷みやすい」と話す。一度ぬれたら、から拭きで水滴を取り除き日陰で2時間程度干すとよい。屋外に干せない場合は室内でも問題ない。国分さんは「ぬれた後すぐにやることが大事。正しく手入れをしてあげると、より長持ちします」と話している。(読売新聞生活部 梶彩夏、松本彩和)