昨年、第1回の開催時に、世界で初の長編アニメーション中心の映画祭として、また多岐にわたるプログラムとアジア最大のアニメーション映画祭として大きな反響を呼んだ、新潟国際アニメーション映画祭。

この度、3月15日より開催される、第2回同映画祭の【大川博賞・蕗谷虹児賞】が決まったことが発表された。同賞は技術的貢献に対するアワードで、今年は蕗谷虹児賞にクリエイター(アニメーター/美術/脚本)3名と、大川博賞にアニメスタジオひとつが受賞。映画祭では受賞者関連作品も上映される。

さらに、近年の見るべき作品集・企画・制作中作品のプレゼンテーションを行う【世界の潮流】のラインナップも発表された。

<第2回新潟国際アニメーション映画祭 蕗谷虹児賞 受賞者>

◆東地和生 (美術監督)
『アリスとテレスのまぼろし工場』 英題:maboroshi
監督:岡田麿里 © 新見伏製鐵保存会

◆本田雄 (作画監督)
『君たちはどう生きるか』 英題:The Boy and the Heron
監督:宮﨑駿 © 2023 Studio Ghibli

◆丸尾みほ (脚本)
『かがみの孤城』 英題:Lonely Castle in the Mirror
監督:原恵一 © 2022「かがみの孤城」製作委員会

<第2回新潟国際アニメーション映画祭 大川博賞受賞>

◆アニメーション制作スタジオ CLAP
『映画大好きポンポさん』 英題:POMPO: THE CINEPHILE
監督:平尾隆之 ©2020 杉谷庄吾【人間プラモ】/KADOKAWA/ 映画大好きポンポさん製作委員会

第2回新潟国際アニメーション映画祭「世界の潮流 」部門 ラインナップ

アニメーションの今を代表する作品を、世界中から集めて上映する【世界の潮流】部門。2024年は「新しい作り方」/「女性監督」/「アジア」/「新潟」などのテーマを取り上げる。

<女性スタッフ映画>

今年の審査委員長であるノラ・トゥーミー監督の『ブレッドウィナー』、スタッフの多くが女性の日本の『同級生』、東西の女性スタッフの映画づくりに注目する。 

『ブレッドウィナー』 英題:The Breadwinner
制作国:カナダ・アイルランド・ルクセンブルク 制作年:2017年 
© 2017 Breadwinner Canada Inc./Cartoon Saloon (Breadwinner) Limited/ Melusine Productions S.A.
監督:ノラ・トゥーミー 

『同級生』 英題:Doukyusei 
制作国:日本 制作年:2016年
©中村明日美子/茜新社・アニプレックス
監督:中村章子 

<ワーク・イン・プログレス>

アニメーションはどう誕生するのか。国境を越えていま制作中・企画中の話題作のプロセスを見ることで、時代を先取りする

『小さなアメリ』
フランスのMaybe MoviesとIkki Filmsが現在、制作を進めている『小さなアメリ』の作品と制作過程を美術監督のエディ・ノエルが紹介。自分を神だと思っている2歳半の日本生まれのベルギー人少女アメリを主人公とした手描きアニメーションで、2Dのアニメーションスタイルと美術が特徴。パリのゴブラン校で出会った2人の監督は、レミ・シャイエ監督の長編『ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん』と『カラミティ』の主要スタッフも務めた。
登壇:エディ・ノエル(美術監督) 

『海門回声』 英題:Chinese Queer
中国で描かれた切尸红人魔が原作の漫画「海門回声」のアニメーション化プロジェクトの紹介とパイロットフィルムの上映。「海門回声」はリアルな同性愛者たちの生活や心を痛快に描き大きな話題を呼んだ。中国作品としては唯一、フランス・アングレーム国際漫画祭においてノミネートされている。
©切尸红人魔/森雨文化/Rooting
登壇:王亦杰(Wang Yijie) (株式会社Rootingファウンダー、企画発起人)&翁銘(Sam Weng) (映画監督・企画発起人) 

<新しい制作方法> 

近年さらに広がる様々なアニメーション制作手法、なかでも新しい表現手法・アイディアに挑戦する作品を特集。

■岩井澤 健治 アニメーションとしての映画表現
4万枚超を手描きしたアニメーション映画『音楽』で注目を浴びた岩井澤健治監督がアニメーションとしての映画表現を語る。トークでは岩井澤監督が取り組む最新プロジェクトも紹介。また2023年5月に第76回カンヌ国際映画祭アヌシー・アニメーションショーケースで上映された『ひな』パイロット・フィルムも上映。

『Hina is Beautiful』 英題:Hina is Beautiful
制作国:日本 ©新井英樹/ロックンロール・マウンテン
監督:岩井澤健治 

『サマーゴースト』 英題:Summer Ghost
制作国:日本 ©サマーゴースト
監督: loundraw
関連トーク:「FLAT STUDIOのクリエイティブ」 ゲスト:Loundraw (アニメ監督・イラストレーター)×石井龍(FLAT STUDIO代表)

『ニッツ・アイランド』 英題:Knit’s Island
制作国:フランス 制作年:2023年
監督:エキエム・バルビエ、ギレム・コース、カンタン・レルグアルク

<コマ撮り> 

これまでのコマ撮りの概念を超えたダイナミックな表現がなされた作品を紹介。

『JUNK HEAD』英題:JUNK HEAD
制作国:日本 制作年:2017年
©2021 MAGNET/YAMIKEN
監督:堀 貴秀
『JUNK WORLD』ワーク・イン・プログレス あり
堀貴秀(監督)×伊藤有壱(アニメーションディレクター/東京藝術大学大学院教授)

『マルセル 靴をはいた小さな貝』 英題:Marcel the Shell with Shoes On 
制作国:アメリカ 制作年:2021年 
© 2021 Marcel the Movie LLC. All rights reserved.
監督:ディーン・フライシャー・キャンプ 

<アジアから世界へ>

世界のカルチャーシーンを牽引するアジア作品を上映する。

『駒田蒸留所へようこそ』英題:Komada -A Whisky Family
制作国:日本 制作年:2023年 
© 2023 KOMA復活を願う会/DMM.com
監督:吉原正行

『時をかける少女』英題:The Girl Who Leapt Through Time
制作国:日本 制作年:2006年 
© 「時をかける少女」製作委員会2006
監督:細田守

『PIGSY』 英題:PIGSY
制作国:台湾 制作年:2023年
監督:Li-Wei CHIU
ゲスト:Li-Wei CHIU(邱立偉)(監督)

<新潟から世界へ> 

新潟に拠点を持つアニメーションスタジオで生まれた話題作を特集。

『銀河英雄伝説 Die Neue These(8話)』 英題:Legend of the Galactic Heroes: Die Neue These
制作国:日本 制作年:2018年
©田中芳樹/銀河英雄伝説 Die Neue These 製作委員会
監督:多田俊介
ゲスト:Production I.G新潟スタジオ

『劇場版 シルバニアファミリー フレアからのおくりもの』 英題:Sylvanian Families The Movie A gift from Freya
制作国:日本 制作年:2023年
©2023 EPOCH/劇場版シルバニアファミリー製作委員会
監督:小中和哉
関連トーク:小中和哉(監督)×板野一郎(アニメーター・演出・監督)MC:氷川竜介

「第2回新潟国際アニメーション映画祭」は2024年3月15日(金)から20日(水)開催。(上映等の映画祭情報は公式HPで随時発表)

イベント情報 「第2回新潟国際アニメーション映画祭」

アニメーションやマンガ関連に従事する人々を約3,000名以上排出している、日本有数のアニメ都市、新潟。世界に向けてアニメーションやマンガという日本特有の文化を発信していく拠点となる新潟が、世界のアニメーション作品が交差する文化と産業のハブとして発展していくことを目指す、アジア最大規模のアニメーション映画祭。

主催:新潟国際アニメーション映画祭実行委員会

企画制作:ユーロスペース+ジェンコ 

会期:2024年3月15日(金)〜20日(水)
     
公式サイト niaff