「顔がむくみやすい」と自覚している人は少なくないと思います。朝の起床時や、お酒を飲んだ翌日などに、鏡を見て「顔が腫れぼったい」「パンパンになっている」と気付く人が多いですが、中には、顔のむくみが何らかの病気のサインとなるケースもあるようで、「どんな病気と関係があるんだろう」「むくみやすい体質ってあるの?」「むくみを放置するとどうなる?」など、さまざまな声が聞かれます。

「顔のむくみ」に潜んでいる可能性のある病気について、内科医の市原由美江さんに聞きました。

顔だけでなく、両下腿もむくんでいたら要注意

Q.そもそも、「むくみ」とは何でしょうか。

市原さん「むくみは、医学用語では『浮腫』、顔のむくみは『顔面浮腫』といいます。浮腫とは、皮膚の内側である皮下組織に水分がたまった状態のことです。病気以外でむくむ場合の多くは、運動不足による筋力の低下や、塩分の取り過ぎ、冷え、過度の飲酒などによります」

Q.顔がむくみやすい人の特徴はありますか。

市原さん「女性は筋肉量が少なかったり、冷え症だったりすることで、もともとむくみやすい傾向があります。また、寝不足や不規則な生活、塩分の多い食事を好む人もむくみやすいといえます」

Q.「何らかの病気が原因で、顔がむくむことがある(顔のむくみが病気のサインとなることもある)」というのは事実でしょうか。

市原さん「事実です。むくみの原因となる代表的な病気は、甲状腺機能低下症、心不全、肝不全、腎不全です」

・甲状腺機能低下症…甲状腺ホルモンの分泌が低下する病気。甲状腺ホルモンは全身の新陳代謝の調整をしているため、不足すると水分の代謝が悪くなり、むくみが生じる
・心不全…心臓から十分な血液を送り出せなくなるため、静脈で血液がうっ滞してむくむ
・腎不全…腎臓の機能が悪くなることで尿量が減り、全身に水分がたまってむくむ
・肝不全…肝臓が本来作っているタンパク質が作れなくなることで、「低アルブミン血症」となり、血管内の水分が血管外に漏れ出ていくことでむくむ

Q.病気が潜んでいる可能性のあるむくみに気付くためのポイントはありますか。

市原さん「病気が隠れている場合は、顔だけむくむことは少なく、両下腿(膝から足首までの部分)もむくむことがほとんどです。これは、心臓から遠くに位置していることで血流が悪くなりやすいことや、重力で水分がたまりやすいことが原因です。

また、長期間にわたってむくみが出ている場合も要注意です。顔や足のむくみが1週間以上続き、特に息苦しさや倦怠(けんたい)感を自覚する場合や、尿量の減少を自覚する場合は、早めに病院を受診しましょう。内科で問題ありませんが、内科の血液検査で異常がなかった場合、心臓が原因の可能性が考えられるので、循環器内科を受診することがよくあります」