近年、爽快感を得られるとして、無糖の炭酸水を飲む人が増えています。ビールや炭酸ジュースのようにアルコールや砂糖が入っていないため、気兼ねなく飲めるのがメリットです。ところで、ネット上では「炭酸水で歯が溶ける」といった意見もあります。日頃から無糖の炭酸水を飲み続けた場合、歯が溶ける可能性はあるのでしょうか。歯科医師の中村貢治さんに聞きました。

味が付いていない炭酸水は問題なし

Q.そもそも、歯を溶かす可能性があるのはどのような飲み物なのでしょうか。また、炭酸水で歯が溶ける可能性はあるのでしょうか。

中村さん「液体の酸性、アルカリ性の強弱は『水素イオン濃度指数』(pH、読み方はピーエイチ、またはペーハー)という数値で表します。pH7を中性とし、7よりも小さい場合は酸性、7よりも大きい場合はアルカリ性となります。

基本的に、酸性(pH5.5程度)の物質が歯面に停滞すると、歯は溶けると言われています。では、一般的に飲料水や炭酸水はどうかというと、pHは7前後のものが多く、歯を溶かすほど酸性度は高くありません。ただし、コーラのような炭酸飲料や紅茶飲料の中にはpH5.5に近い飲み物もあります。『フレーバー炭酸水』などの中にも、比較的酸性度が高い飲み物があります。

常時飲むのであれば、無糖や味が付いていない炭酸水を選ぶようにし、砂糖入りの飲み物や香料入りの炭酸水は、たまに飲む程度がよいかと思います」

Q.では、砂糖入りの飲み物や香料入りの炭酸水を飲むときの注意点について、教えてください。

中村さん「先述のように、炭酸飲料などの中にはpH5.5に近い飲み物やpH5.5未満の飲み物もありますが、こうした飲み物が原因で歯が溶ける可能性があるのは、日頃からよく飲んでいたり、口に含んだまま長時間過ごしたりしている場合です。1日に何本も飲むような習慣を身に付けず、たまに飲む程度にしましょう。そうであれば問題ないと思います」

Q.できるだけ歯が溶けないようにするには、日頃からどのような対策が必要なのでしょうか。

中村さん「食事の後や、食事の際に炭酸系の飲み物を飲んだ後は、30分以内をめどに歯を磨いてください。炭酸系飲料のみの摂取であれば、基本的に歯磨きをする必要はありませんが、できれば水やお茶などでうがいをして口をすすぐとよいかと思います。

なお、先述の通り、酸性度の高い炭酸系飲料などの飲み物を口の中に含んだまま長時間過ごさないでください。味付きの炭酸水については、成分を調べた上で頻繁に飲まないことも肝要でしょう」