JTB(東京都品川区)が、「ゴールデンウイーク(GW)の1泊以上の旅行に出かける人」の旅行動向見通しを発表しました。同調査は、1969年から継続的に調査を実施しています。今回の調査は、3月13〜20日にかけ、全国の男女15〜79歳2万人の中で「GWに旅行に行く/たぶん行く」と回答した2060人を対象にインターネットアンケートで行われました。

 2万人に行った事前調査で「GWに旅行に行く/たぶん行く」と回答した2060人に、旅行内容についての詳細を調査。旅行に行く目的や動機について聞いたところ、トップは30.4%の「家族と過ごす」でした。次いで、29.8%の「リラックスする、のんびりする」、27.0%の「食事、地域の味覚を味わう」という順でした。

 国内の旅行先を質問したところ、1位は20.0%の「関東」。続いて「近畿」が16.8%、「東海」が10.6%、「九州」が9.4%という結果でした。また、「海外」は3.0%でした。

 その旅行先を選んだ理由については「行きたい場所があるので」が42.7%と最も多く、前年に比べ、4.3ポイント増加。 一方で、「自家用車やレンタカーで行ける場所なので」は19.7%と2.0ポイント減少していました。18.2%の「帰省先なので」は前年より4.0ポイント減少、14.8%の「自然が多いなど、三密を回避しやすい地域なので」も3.3ポイント減少していたということです。

 同社によると、「感染症対策を優先する割合は昨年に続き低下傾向にあるものの、一定数の人は重視していると考えられます」と分析しています。

 居住地別での旅行先を見ると、旅行先と居住地が同じ地方である域内旅行の割合は、「北海道」が68.9%、「九州」が62.9%と2地域では60%を超える一方で、「関東」は29.5%でした。前年のデータと比較したところ、近畿地方以外の全ての地域で域内旅行の割合は減少しており、居住地域外への旅行が増えているということです。コロナ禍中は感染症対策として居住地域内の旅行先が選ばれていましたが、今年は居住地域外を目的地とする人が増える傾向にあるということです。

 また、「GWに出かける場所として気になっているところ」を聞いたところ、3位は「自然の体験が楽しめる場所(登山などのアウトドア、キャンプなど)」で15.2%、2位は「食をメインにしたイベント」で20.1%、1位は「自然の景色が楽しめる場所(国立公園や花畑など)」で29.7%でした。

 これまで自粛や中止を余儀なくされたイベントへの期待が見られるということです。参考値としてですが、「特に気になっている/行きたいところはない」が10.1%という結果で、前年調査の18.3%から8.2ポイント減少していたため、全体的に旅行意欲の高まりがうかがえるということです。

 JTBは、同社の宿泊・国内企画商品の予約状況を分析したところ、「前年と比べ各方面軒並み大幅な増加で、新幹線や航空機を利用した遠方への旅行が好調です」としつつ「行先としては、東京ディズニーリゾートを含む関東、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンを含む関西が特に好調で、北海道、沖縄などの遠方も人気があります」とコメント。

 さらに、「出発日としてはゴールデンウイーク後半に人気が集中しており、特に5月3日、次いで4日出発の商品のシェアが高い状況で、間際予約を含めると、GW直前まで伸びることが期待できそうです。JTBの海外企画商品については、1位がハワイ、2位が台湾、3位が韓国となっています。出発日としては5月3日、次いで4月29日出発の商品のシェアが高い状況です」と明かしています。