左右のアームリングと胸部の浮き具が一体となった「アームリング付き浮き具」と呼ばれる製品があります。主に子どもがプールに入る際に、溺水防止のために使うことが多く、店舗や通販サイトでは、さまざまな形状の製品が販売されています。

 そんな中、国民生活センターは、子どもが間違った方法でアームリング付き浮き具を着用したことが原因で溺れる事故が発生しているとして、注意を呼び掛けています。

着用の向きを間違えると溺水の恐れ

 国民生活センターによると、2023年8月、屋外のレジャープールで3歳の男の子がアームリング付き浮き具を着用し、保護者と一緒に遊んでいたところ、保護者がわずかに目を離した隙に溺れる事故が発生したということです。男の子はすぐに救出されましたが、一時心停止の状態だったといいます。

 男の子が使用していたアームリング付き浮き具は、浮力体が胸側にくるように着用するものでしたが、事故当時、男の子は浮力体を背中側に着用していたということです。本体には英語による注意表示があるのみで、日本語の表示などはなかったといいます。

 国民生活センターは、アームリング付き浮き具はライフジャケットとは異なり、命を守るためのものではないことを理解した上で正しく使うよう、アドバイスしています。

 また、アームリング付き浮き具は、着用の向きやベルトなどの緩みによって溺水の危険が高まると指摘。必ず正しい向きを確認し、浮力体が体に密着するように正しく着用するよう、注意を呼び掛けています。

 このほか、子どもが水遊びをする際は、必ず保護者(監督者)も一緒に入り、万が一の場合に備え、すぐに手を差し伸べられるように寄り添うよう必要があるといいます。

 なお、アームリング付き浮き具は、海や川などの自然領域での使用には適さないということです。海や川などでは、子どもの体に適したサイズのライフジャケットを正しく着用するよう、呼び掛けています。