元卓球選手の福原愛さんが3月、週刊誌によって、既婚男性との不倫疑惑や台湾人夫によるモラハラ疑惑を報じられ、国内外に衝撃が走りました。当初はSNS上で夫婦円満をアピールしていた福原さんの夫もその後、離婚を求めて、台湾の裁判所に訴えを起こしており、今後の2人の動向に注目が集まりそうです。

 そもそも、日本人が国際結婚後、離婚訴訟に至った場合、日本と配偶者の出身国(地域)、どちらの法律が適用されるのでしょうか。窪田総合法律事務所の窪田翔太弁護士に聞きました。

基本的には居住国の法律で

Q.日本人が外国人と国際結婚後、離婚訴訟に至った場合、日本と配偶者の出身国、どちらの法律が適用されるのでしょうか。

窪田さん「裁判の管轄権の問題となりますが、夫婦が居住している国(または地域)の法律が適用されることが多いといえます。福原愛さんのケースでは、夫妻は台湾に居住していたということなので、離婚訴訟の際は台湾の裁判所の管轄になり、台湾の法律(台湾法)が適用されます。ただし、出身国によっては居住地にかかわらず、出身国の法律が適用される場合もあります」

Q.海外では「離婚したい」と裁判所に申し出れば、すぐに離婚裁判が始められるのでしょうか。

窪田さん「国によって異なります。例えば、台湾の場合、台湾法に基づき、双方が合意した上で協議離婚を行うことができます。ただし、当事者の一方が離婚、または離婚条件において合意しない場合、協議離婚はできません。その場合、まずは離婚調停(裁判所での話し合い)を行う必要があります」

Q.福原さんには現在、2人の子どもがいるため、裁判では主に子どもの養育権を争うことになると思います。台湾では一般的に、養育権は夫と妻、どちらに与えられることが多いのでしょうか。また、養育費の負担はどうなるのでしょうか。

窪田さん「日本と違い、台湾では、夫婦共同で親権を獲得することが多いようです。ただし、夫婦のうちどちらか一方に親権が与えられた場合、親権を与えられていない人(子どもを育てていない人)が養育費を支払うことになります」

Q.週刊誌の報道で、福原さんには不倫疑惑、福原さんの夫にはモラハラ疑惑がそれぞれ浮上しました。これらの疑惑は台湾の裁判所が親権を判断する際、どう影響するのでしょうか。

窪田さん「裁判所は子どもに最善な利益がもたらされるよう考慮した上で、夫婦のどちらに親権を与えるのか、あるいは夫婦ともに親権を与えるのかを判断します。不倫やモラハラといった疑惑は実際に立証されて、事実であると認められない限り、親権の判断要素とはなりません。

不倫やモラハラが立証された場合、その内容によっては『親権を与えると、子どもに最善な利益をもたらさない』と判断され、親権の判断においてマイナスとなることも考えられます。例えば、『子どもを置いて不倫をしていた』ことが立証された場合、『子どもを優先していない』と判断され、そのことが親権を得る上で不利な要素となる可能性があるのです。

福原さんの不倫疑惑と福原さんの夫のモラハラ疑惑の両方が立証された場合は、非常に判断が難しいところですが、先述のように、裁判所は子どもにとって最善な利益がもたらされるように考慮するでしょう」

Q.不倫が立証された場合、夫婦の財産はどうなるのでしょうか。また、福原さんが慰謝料の支払いを命じられる可能性は高いのでしょうか。

窪田さん「福原さん夫婦が別財産制を選択していなかった場合、財産分与の問題が生じます。財産分与となった場合、婚姻後の財産、および負債を分配することになります。不倫をしたことが立証された場合、相手に対して慰謝料を支払わなければなりません。ただし、自身の不倫だけでなく、相手のモラハラも立証された場合、相手に対して慰謝料を請求することが可能です」