コンビニの入り口近くや店内には、ごみ箱が設置されていることが多いですが、中には「家庭ごみは捨てないで」という注意書きを掲げたごみ箱もあり、もし、家庭ごみを捨てた場合は違法行為になるそうです。確かに、持ち込まれたごみも捨てられ、ごみがあふれそうなごみ箱も見るので、注意書きや罰則は必要なのかもしれませんが、夏には飲み切った後のペットボトルや、汗を拭いたボディーペーパーなど、外出先でごみが発生し、それらをコンビニのごみ箱に捨てている人も多いと思います。

 空きペットボトルや、汗を拭いたボディーペーパーをコンビニのごみ箱に捨てることは違法行為なのでしょうか。佐藤みのり法律事務所の佐藤みのり弁護士に聞きました。

厳密には不法投棄でも…

Q.コンビニのごみ箱に家庭ごみを捨てると、違法行為として罰せられるのは本当ですか。その場合、どのような罪で、どのような罰則がありますか。

佐藤さん「本当です。コンビニのごみ箱に家庭ごみを捨てると、廃棄物処理法(正式名称『廃棄物の処理および清掃に関する法律』)違反になり、罰せられる可能性があります。同法16条は『何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない』と定めており、この規定に違反して廃棄物を捨てた者は『5年以下の懲役、もしくは1000万円以下の罰金に処し、またはこれを併科する』と定めています(25条1項14号)。

また、捨てた家庭ごみの量が多い、頻度も多いといった場合には、コンビニの業務を妨害したとして威力業務妨害罪に問われる可能性もあります(刑法234条)。同罪の法定刑は『3年以下の懲役、または50万円以下の罰金』です」

Q.夏の外出先で発生した、空きペットボトルや、汗を拭いたボディーペーパーをコンビニのごみ箱に捨てることは違法行為なのでしょうか。

佐藤さん「厳密に言えば、不法投棄(廃棄物処理法違反)に当たるでしょう。そもそも、コンビニのごみ箱は基本的に、そのコンビニの利用客が、その場で商品を消費したときに生じたごみを捨てるために設置されたものです。その場で捨てられた方が利用客にとって便利であること、また、ポイ捨てなどにより美観が損なわれるのを防ぐことを目的として、コンビニがサービスの一環として設置しているのです。

そのため、コンビニで消費した際に出たごみではない家庭ごみを、コンビニのゴミ箱に捨てることはルール違反であり、廃棄物処理法上の『みだりに廃棄物を捨てた』行為に当たり得るからです。しかし、空きペットボトル1本や、汗を拭いたボディーペーパー1枚をコンビニのごみ箱に捨てた程度では『処罰に値するほどの違法性がない』として、犯罪には当たらないとされる可能性が高いと思います。

違法行為として法的責任を問われるのは、捨てたごみの種類、量、頻度などから、一定の悪質なケースに限られるでしょう」

Q.駅のホームや改札内にも、ごみ箱が設置されていることが多いです。これらのごみ箱も、家庭から持ち込んだごみを捨てると違法行為なのでしょうか。外出先で発生した空きペットボトルや、汗を拭いたボディーペーパーを捨てることは問題ありませんか。

佐藤さん「駅のホームや改札内に置かれたごみ箱についても、本来、駅内の売店などで購入した商品から出たごみを捨てるために設置されたものです。そのため、駅内の売店などで購入した商品から出たごみ以外の家庭ごみを捨てれば、『みだりに廃棄物を捨てた』行為に当たり、廃棄物処理法違反になる可能性があります。

ただ、コンビニの場合と同様、外出先で発生した空きペットボトルや、汗を拭いたボディーペーパーを捨てた程度であれば、それらが駅内の売店などの商品から出たごみでなかったとしても法的責任を問われることはないでしょう」

Q.結局のところ、法律を順守するのであれば、外出先で発生したごみは家庭に持ち帰って捨てることが正解ということでしょうか。

佐藤さん「まず、外出先に設置されているごみ箱が、何を捨てることを想定したものなのか考えて利用することが大切だと思います。例えば、コンビニや駅の他にも、商業施設内に設置されたごみ箱はその施設の利用者が、施設利用中に出たごみを捨てるためのものでしょう。目的に沿った使い方をしている限り、法律違反にはなりません。

先述したように、法的責任を問われ得るのは、捨てたごみの種類や量、頻度などを踏まえて悪質なケースに限られますが、『空のペットボトル1本、汗を拭いたボディーペーパー1枚ぐらいなら大丈夫なんだ』と思って多くの人が捨てると、結果的に膨大なごみの量になります。ごみ箱が設置されている施設と関係なく生じたごみについては、原則、家庭に持ち帰って捨てることが大切です」