Part3では引き続き、より良い「食」の在り方を追求するパタゴニア(パタゴニア・インターナショナル・インク・横浜市)の食品ブランド「プロビジョンズ」について紹介する。

 地球温暖化の要因の一つが、長年にわたる工業型農業による土壌の劣化だと捉えているパタゴニア。国連食糧農業機関(FAO)によると、すでに地球上の表土の25%が劣化状態にあるという(食料と農業のための世界土地・水資源白書)。毎年、1,200万ヘクタールもの表土が失われていて、このままのスピードで進むと、増え続ける世界人口を支えるだけの肥沃(ひよく)な大地がなくなる恐れがある。そのような危機感からパタゴニアは、食品ブランド「プロビジョンズ」を2012年にスタートした(日本での展開は2016年から)。「土」にこだわるプロビジョンズが注目するのは、土壌の質を改善する「リジェネラティブ・オーガニック農法」。パタゴニアは、2017年に制定された民間認証「リジェネラティブ・オーガニック認証」(ROC)を運営するRegenerative Organic Allianceのメンバーにもなっている。

 世界で初めてROCを取得した商品の一つが、プロビジョンズの「ROチリマンゴー」(税込み885円)。ニカラグア産のローザ・マンゴーを、太陽光発電を利用し乾かした、ビールのつまみにもなるスナックになっている。

 日本で販売しているプロビジョンズ商品は27種類。サバ・ムール貝・サーモン缶などのシーフード、「オーガニック・マンゴー+アーモンド・バー」(1本同345円)などのスナック菓子のほか、「オーガニック・スパイシー・レッド・ビーン・チリ」(2.5食分同928円)・「オーガニック・ツァンパ・スープ」(2食入り同842円)などのスープ類、調味料、ビールがあり、いずれも持続可能な方法で栽培・採取された食材を使っているのが特徴だ

 中でも、「ロング・ルート・ペールエール」と「ロング・ルート・ウィット」のビール2種類(いずれも355mlで同484円)は、多年生の穀物「カーンザ」を世界で初めて製品化した商品。カーンザはビールの商品名にもあるように根が長い(ロング・ルート)植物で、根が3m以上もあることで、小麦と比較して少ない水量で栽培することが可能。また多年生植物であることから、畑を耕したり農薬を使ったりする必要がないという。プロビジョンズではアメリカオレゴン州の醸造所「ホップワークス・アーバン・ブルワリー」と共同でこの2種類のビールを開発した。

 もちろんプロビジョンズの商品を使って、アレンジ料理を作ることもできる! レシピ一覧が公式HPに掲載されているからチェックしてみよ〜。「ツァンパうどん」「グレインズ冷奴」「グレインズ・サーモンおにぎり」などの和食メニューもある。

 一日三食の食事を見直すことは、もっとも手軽に始めることができる環境対策かもしれない。日々買う食材・商品が安全でおいしいことは当然のこととして、どのような環境でどのように栽培されているかについても、改めて考える必要がありそうだ。

By Miyuki O.