ロールスロイスが、水素を燃料とする航空機用ジェットエンジンの燃焼テストに成功した。このテストは英国防省のボスコムダウン軍用機試験場で実施され、同社の「AE2100-A」エンジンを水素燃料に対応するよう改造したものが使われた。

自動車などに比べると話題に上ることが少ないが、航空機からの排出ガスも、気候変動の主な要因のひとつだ。一説には商業航空産業が年間に排出する温室効果ガスの量は、全体の1.9〜3.5%を占めるとも言われている。さらに、民間の2倍以上の機体数があるとされる軍用航空機を足せば、推定で全体の15%に相当するとも考えられている。

リリースによれば、試験に使われた水素燃料は、再生可能エネルギーで水を電気分解して作られたものだった。それでも一般的に使用されるジェット燃料に比べれば、約3倍の価格になる可能性があるという。したがって、エンジンが水素対応するだけでなく、燃料の製造においても今後はコストダウンが求められる。

なお、より安価に水素燃料を生成する方式はあるものの、それらのプロセスは結局どこかで温暖化ガスを排出してしまうのだそう。そうした背景から、一部の専門家は2021年に、水素を燃料とする航空機は向こう数十年は一般化しないとの予測を示している。

今回の燃焼テストは、航空のクリーン化に積極的なアプローチを示している英国の格安航空会社easyJetとの提携で行われた。両社はこれまでに、短距離飛行用のバッテリー式航空機の開発やハイブリッド水素燃料システムに関するテスト、さらにロールスロイスの水素技術開発プログラムへの投資などで協力を行い、今回の水素燃焼エンジンはプログラムの柱になっているとのこと。

今回のテストが成功したことは、ロールスロイスとって他の型式のエンジンにもテストの幅を広げていく足がかりになったはずだ。これらの試験は最終的にボンバルディア「Global 5500」に搭載されるロールスロイス製「Pearl 15」エンジンのフルスケールテストにもつながっていくだろう。ロールスロイスは水素燃焼エンジンに関して、2020年にゼロエミッション実証機「E-Fan X」でエアバスとも協力していたため、今後はその機体を飛行テストベッドとすることも計画されているという。

Source: Rolls-Royce

via: New Atlas, Military.com