「周囲の声に鈍感になる」は勧めない これから管理職になる人へのアドバイス
PHPオンライン6/20(金)12:00

厚生労働省の報告によると「管理職に昇進したいと思わない」人は61%にのぼるといわれています。一方で、実際に社会や会社を動かしていくためには、管理職の仕事は必要です。
本稿では、日経クロスウーマンが行った調査、約3000人の現役管理職と管理職経験者に聞いた「これから初めて管理職になる人へのアドバイス」について、「管理職を長年経験できてよかった」と仰る大正大学特任教授で元鳥取県知事、元総務大臣でもある片山善博さんに解説して頂きます。
※本稿は、片山善博著『管理職になる前に知っておきたかった50のこと』(日経BP)を一部抜粋・編集したものです。
アドバイスの上位に入ったけれど
「これから初めて管理職になる人へのアドバイス」では「自分の可能性を信じる」「鈍感力を身に付ける」という内容が上位に入りました。でもこの2つの項目に私はあまり賛同できませんでした。
まずは、「自分の可能性を信じる」という言葉です。これについては、具体的にはこんなメッセージが書き込まれていました。「自分の可能性を信じること」「常に自分には素晴らしい道が開けていると信じてほしい」「チャンスがあればどんどん上を目指すべきだ」など。でも、私はこれらの言葉を読んで、ちょっと自己啓発本を読んでいるような気持ちになりました。
私はときどき書店で自己啓発本をめくってみるのですが、正直、取って付けた感があってピンと来ないんです。「不自然さがあるな」と思えてしまって。「自分の可能性を信じましょう」という表現を聞くと、嘘っぽさを感じます。もっと肩の力を抜いて自然体でやっていれば、こういう言葉は出て来ないのではないでしょうか。
「上を目指す」というのは、「もっと大きい仕事をしてみたい」という意味では、当然出てくる感情だと思います。「今、自分が持っている権限の範囲内だったら、ここまでしかできない。より上の立場になれば、もっと広い視野で、思い切った仕事ができるな」と思うものです。
「自分の可能性を信じる」うんぬんではなく、そういう考え方を持っていればいいのではないでしょうか。そのうえで、チャンスが自分に回ってきたら挑戦すればいいのです。
次の「鈍感力を身に付ける」については、「全員を満足させることはできない。鈍感力も大事」「周りからの雑音に鈍感になり、自分の仕事に徹する」「全員に好かれようとする必要はない」というメッセージが寄せられました。最近の風潮を反映していて分からないでもないですが、やや割り切りが過ぎているように感じます。
そんなに割り切れるものではないですよ。確かに管理職として仕事をしていると、周りから雑音が聞こえてきたり、悪口を言われることはあります。中には誹謗中傷もあるかもしれません。それをいちいち気に病んでいたら仕事になりません。それはその通りなんです。
でも、雑音や悪口の中に真実もあります。ですから、それはやはりいったんくみ取ったほうがいいんです。ワンクッション置いて謙虚な気持ちになって、「雑音として聞き流すもの」と「受け止めて傾聴に値するもの」に仕分けする必要があります。
あまりしゃくし定規に「全く気にしない」と決めないほうがいいです。自分やチームの仕事を第三者の目で見てもらって、意見を聞くことも大事ですから。
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