中小企業専門の経営コンサルタントとして活躍する藤屋伸二氏は、「小さな会社は、ドラッカーの教えにのっとり、非競争のニッチ市場を確保して、優雅に暮らすための『生態的ニッチ戦略』に転換していかなければならない」と語る。

そのためには、まずは現状を戦略視点で分析することが必要だ。ここでは、「現在の事業とお客様」について分析するための5つの質問について聞いた。

※本稿は、藤屋伸二著『小さな会社は「ドラッカー戦略」で戦わずに生き残る』(日本実業出版社)の一部を再編集したものです。


(1)「お客様の購買行動の理由」を本当にわかっているか?

お客様は、あなたの会社と他社を使い分けているかもしれません。また、消去法であなたの会社から買っているため、新しい会社や商品ができると、試しにそれを買うのかもしれません。反対に、ファンや信者のような存在のお客様が、あなたの会社を支えてくれているのかもしれません。

「お客様の購買行動」を理解していないと、新しいお客様を獲得することも、流動的なお客様をファン化・信者化することも、熱心なファンや信者になっていただくこともできません。


あるお店の「店主が考える特徴」と「なじみ客の本音」

お客様の購買行動を理解するとともに、「あなたの会社から買ってくれる本当の理由」を確認しなければなりません。

ある小料理店は、ご主人の料理が自慢でした。しかし、なじみのお客様にお店に通う理由を尋ねると、「女将さんの接客に癒される」という答えでした。

もしかすると、本物のグルメが通う店以外は、味つけや素材は二の次かもしれません。常連のお客様にとっては、「居心地のよさが一番のごちそう」ということも考えられます。

このように「お客様があなたの会社で買ってくれる本当の理由」を知ることは、ビジネスモデルをつくるうえで、もっとも重要なことです。


(2)どのような状況になれば、買ってくれなくなるか?

あなたの会社で買ってくれる理由を知るだけでは不十分です。買ってくれる理由があれば、買ってくれなくなる理由もあるはずです。その理由を知らなければ、失客を防ぐことはできません。

失客の原因は、あなたの会社にだけあるとは限りません。よりよいもの・より便利な方法が他社から提供されるようになれば、何の前触れもなくお客様は離れていってしまいます。

そうならないためにも、同業他社の動き、新規参入者の可能性、代替品の可能性などに目を光らせておいてください。